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スーパーにおける誤用



 文系・理系という分類が正しいとは思わないが、いわゆる「理系」の人間が集まる場所は、日本語の誤用の宝庫だと思っている。
 仕事のネタ探しに、Internet でプログラマ向けのエリアをうろうろしているが、おかげで、このホームページのネタにも事欠かない。

 が、最近、スーパーマーケットも負けてはいないのではないか、と思うようになってきた。

 アナウンスで「お買い回り中のお客様」という表現を最初に耳にしたのは 3 年くらい前だが、そろそろ広く報告されはじめているようである。

 俺がいつも行くスーパーでは、名前に余計な濁点がついているために、日本語にすると「バナナ委員会*」になってしまう菓子パンがある。一向に直る気配がない。

 この間は「燃やせないゴミ袋」というのを見つけた。
 「炭カル」入りの袋が使われるようになって長いが、燃やせないゴミを入れるための袋は兼用できる。燃やせないゴミを入れるための袋に、燃やせるゴミを入れて出すことができるのである。ということは、燃やせないゴミを入れるための袋は燃やせるのである。
 では、この「燃やせないゴミ袋」というのは、燃やせないのだから、燃やせないゴミ専用の袋なのか、というとさにあらず。袋自体を燃やすことが出来ないわけではない。

 スーパーは客商売。待遇表現の最前線である。しかし、デパートほどしゃっちょこばっていない。ちょっと微妙なライン、非常に文体の判断が難しい場であると言える。
 それなのに、きちんとした訓練を受けてない人、あるいは勉強をしない人が、POP を書いたり、値札を書いたり、アナウンスをしたりしているせいであろうと思う。

 流通業界の再編、というのもあることだし、今後もスーパーから目を離せない。




*: “banana boat”-“banana board” ()



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