![]() 1.人権宣言の歴史 ●アメリカの憲法における人権宣言(1776-1789年) ・イギリスにおける伝統的な諸自由を自然法的に基礎づけたもの ・人権は立法権をも拘束する人間固有の権利である。 ●フランス人権宣言(1789年) ・法律は一般意思の表明。 ・行政権の恣意を抑制することを期待されている。 2.人権の観念 3.人権の内容 ●抽象的権利としての国務請求権:国会賠償請求権・刑事補償請求権 ※平成7年第12問から。ただし、問題文中にある前提に立てばこのようになるというだけ で、河川附近地制限令事件(最大判S43.11.27)の判旨からすると、こうした色分けは好ましくな いと考える。 ●憲法第22条の性質 ・経済的自由としての側面を重視する見方や職業の選択や場所の自由な移動が人格の形 成に貢献など精神的自由としての側面を重視する見方もある。 ●私人間への憲法の直接適用:争議権・秘密投票制度 4.人権の主体 ●天皇・皇族の人権(制限をうけるものの例) ・教育をうける権利:自由に教育を受けさせると、憲法制度に適応しない可能性があるとの 考えることもできる。 ・納税の義務:皇室の経費は予算に計上されるので、その費用をもとに納税の義務を負う のは、整合性をとれないことによる(参照:芦部信喜『憲法学U』p.116)。内廷費については、 私経済と同様の扱いとなる(株の配当金や貯金の利子への課税、個人として保有する絵画等 に関する相続税)。 ※平成3年第6問から。あまり評判がよい問題ではないようであるが、出題者がもっていた問 題意識は好ましく思います。 ●法人の人権 ・精神的自由も可能な限り認められる。 @信教の自由:宗教法人 A学問の自由:学校法人 B政治活動:八幡製鉄事件 C報道の自由:博多駅フィルム事件 ●外国人の人権(参照:後藤光男「外国人の人権」) ・マクリーン事件(参照:斎藤靖夫「外国人の政治活動の自由−マクリーン事件」) ・選挙権 ・公務就任権:国家意思形成に携わる外国人に当然に保障されない。 ●基本的人権と公共の福祉(公共の福祉に関して諸々の制約がある) ・13条と22条が同一の意味をもつ:一般的な人権制約 ・22条または29条に特別な意味を与える:22条の権利に特別に制約が許容される。
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