限りなく透明に近いブルー


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リリーへの手紙−あとがき
 小説を本にするという話があった時、装幀をやらせて欲しいと頼んでみた。だって俺はこれを書きながら、もし本にできるならりリーの顔で表紙を飾ろうとずっと思っていたんだから。
 この写真を憶えているかい? ″ナイアガラ″で最初に会った時、撮ったやつだよ。あの時俺達はアブサンを何杯飲めるか競争しただろう? 俺が3杯目の途中で店にいたオランダ人のヒッピーのライカを借りて写したんだ。リリーはこの写真の後、9杯目で倒れてしまったから憶えていないかも知れないなあ。
 リリー、今どこにいるんだ? 4年前だったか、一度ハウスに行って見たけどいなかった。この本をもし買ったんなら連絡してくれ。
 ルイジアナに帰ったオウガスタから一度だけ手紙がきた。タクシーの運転手をやってるそうだ。リリーにもよろしくって書いてあった。ひよっとしたらリリーはあのハーフの絵描きさんと結婚でもしたのかも知れないなあ。結婚しててもいいからできたらもう一度だけ会いたいと俺は思っている。二人でもう一度、ケ・セラ・セラを歌いたいよ。
 こんな小説を書いたからって、俺が変わっちゃってるだろうと思わないでくれ。俺はあの頃と変わってないから。                                                             リュウ

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[Last Updated 5/31/2001]