My Capra's Ranking
1 オペラ・ハット
2 或る夜の出来事
3 スミス都へ行く
4 我が家の楽園
5 素晴らしき哉,人生!

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FRANK CAPRA FILMS 鑑賞のアドバイス

 フランク・キャプラは,ハリウッドお得意の“人情もの”の基盤をつくり上げた偉大なる職人監督である.彼の作品の特徴は,物語を追ううちに,日常生活にまとわりつく金銭欲や出世欲などの心配事をコメディの可笑しさで打ち消してしまい,人間愛や愛国心に浸らせてくれるところにある.登場人物全員はみな善人で,観終わった後とても清々しい気持ちになるんですね.ひねくれた私でも“人間ていいなあ”みたいな気持ちにさせてくれる.
 キャプラ映画の全盛期は,大恐慌で失業者が溢れ,第二次世界大戦が勃発するという不安な時代にあった.そんな暗い時代キャプラの作品は救いとなっていたのだ.
 すべてのロマンティック・コメディは,彼のパクリだと言ったらもちろん言い過ぎだが,そんなことも言いたくなるほど,彼の映画界に与えた影響は大きいのだ.彼の影響を受けた映画作家の声を一部だが挙げてみると・・・

黒沢 明 生きてて良かったって思うような,暖かな気持ちになれる善意に満ちている”
マーティン・スコセッシ “素晴らしいストーリーテラーだ” “物語に笑いと涙を巧みに織り込む”
ジョン・ミリアス “作品に人間味が満ちてる.だから深い感動を呼ぶ”
ロバート・アルトマン “個性的な人物像を通し,真実と人生の輝きを描き出した”
マイケル・キートン “キャプラ映画は意外性に富む”
リチャード・ドレイファス “キャプラはアメリカの現実と闇を承知の上で夢と理想を作品にこめた”
アンジェラ・ランズベリー “彼は理想主義者でした.ただ,当時のアメリカは,彼の理想と裏腹だったのです”
ゲイリー・マーシャル “キャプラ映画は希望を与える”
マーシャル・ハースコビッツ “見る者を素直な気持ちにさせる”
ビル・デューク “人間が持つ力の大きさと信念の強さが感動を呼ぶ”
リチャード・シカル “彼の人生は光と影にあふれていた.そうした両面性に本人も気づいていたと思う”


 “そんな古臭いモノクロ映画なんて観る気がしないよ”なんて声も聞こえてきそうですが,今観ても全然色褪せていないし,今の日本のテレビドラマでも,彼の作品をそのままパクって使っているシーンを何度か見かけます(若い人は見てないだろうと思って,何のアレンジもなく平気でパクっちゃうんですね).ですから,キャプラの作品を初見の人でも,“このシーン,どっかで観たぞ”なんてことはよくあることなのです.
 キャプラとほぼ同世代の監督というと,ジョン・フォードにハワード・ホークス,アルフレッド・ヒッチコックがいる.彼らは30年代に入ってから名作を連打するようになるのだが,その30年代にキャプラは“或る夜の出来事(1934)”“オペラ・ハット(1936)”“我が家の楽園(1938)”と三度アカデミー監督賞に輝くのだ.
 ところが,同世代の監督が30年代から60年代にかけて代表作を発表しているにもかかわらず,キャプラは,“素晴らしき哉,人生!(1947)”を除いて30年代以外に代表作がない.そして,彼はいち早く映画界から引退してしまっている.それは第二次世界大戦にキャプラが参加をしたことが原因であると言われている.第二次世界大戦について彼は,“俺は人間の野蛮さが大嫌いなんだ.恐ろしさに縮こまっている女や子供の上に爆弾が降ってきて,体がバラバラに飛び散って・・・.人間ていうのは,きっとどこかが狂っちまってるんだ.でなければあんなむごいことお互いやり合うわけがない”と語っている.そして彼は“思うに,俺は人間てものを立派に考えすぎてたんだ.俺の映画を観りゃわかるだろう.美化しすぎだよ,あれは.俺は,馬鹿がつくほどの,救いようのない楽天家だったんだ.そう思うことにしている”と続けて語っている.
 キャプラの理想は,人間の悪の象徴とも言える戦争に打ち砕かれてしまったが,それは今もなお作品として我々の心に力強く響いている.キャプラの作品は,ビデオレンタル屋にもあまり並んでおらず,私は未見の作品も多いが,できるだけたくさんの彼の作品を鑑賞したいと思っている.

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