碓氷峠廃線による利用者の負担増

◆碓氷峠の在来線が廃線になった結果、利用者の負担はこんなに増えました!

 1997年9月に信越本線碓氷峠が廃止になって代替のバス輸送になりました。信越本線の時とバス輸送を比べると、峠を越える利用者の負担は大幅に増えました。また、見落としてはならない事項として、在来線が三セクに経営移管されたことにより路線が小間切れになり、別会社を乗り継ぐと初乗り料金がかかるため、下記の例のように、「松井田-中軽井沢間」では、三つの会社を乗り継ぐことになり、信越本線一本で行けた時と比較すると大幅な負担増になっています。さらに、時間のロスも大幅に増えてます。ロス時間を時給に換算すれば、利用者が被る負担増のトータルは正に甚大です。



◆横川-軽井沢間で比較した場合(信越本線 VS JRバス)

【廃止前(信越本線碓氷峠)】

 

【廃止後(代替バス輸送JRバス)】

横川-軽井沢間 距離 11.2Km  →  横川-軽井沢間(碓氷バイパス経由)距離 23Km
所要時間; 17分  →  所要時間;(道路状況で遅れます) 34分
運賃;(1997年9月) 230円  →  運賃;(2017年4月) 510円
差額; 280円 往復で560円の負担増  さらに、往復で34分の時間を損失



◆松井田-中軽井沢間で比較した場合(信越本線 VS 信越線+JRバス+しなの鉄道)

【廃止前(信越本線碓氷峠)】

 

【廃止後(信越線+JRバス+しなの鉄道)】

松井田-中軽井沢間 距離 22.2Km  →  松井田-中軽井沢間(碓氷バイパス経由)距離 34Km
所要時間; 36分  →  所要時間;(接続時間で異なります。) 1時間28分
運賃;(1997年9月) 400円  →  運賃;(2017年4月) 950円
差額; 550円 往復で1100円の負担増  さらに、往復で104分の時間を損失



    フル規格新幹線のために廃線になった碓氷峠における利用者の負担増まとめ

新幹線を通すために並行在来線は三セクに経営移管されます。県が経営移管を引き受けない場合は、碓氷峠のように廃線にされます。碓氷峠の廃線による利用者の負担増は、バス輸送の運賃増だけではありません。バスに接続する前後の鉄道は別会社になるため、それぞれ初乗り料金の含まれた運賃になります。
上記、「松井田-中軽井沢間」(22.2Km)の例では、負担増は往復で1100円、時間のロスは往復で104分にもなります。中学生の居る4人家族で中軽井沢まで出掛けると4400円もの負担増になるのです。こんなバカな話が碓氷峠の現実なのです。

碓氷峠だけではありません。全国各地でフル規格新幹線を通すために小間切れにされた在来線は県境を越える度に初乗り料金がかかり、三セク化で値上げされた運賃を更に押し上げています。
地方の鉄道利用者が負担を強いられている一方で、新幹線を運営するJR3社は大儲けしています。JR3社の年間の利益は合計で1兆円を越えています。売上ではなく利益が1兆円超えです。
一方が負担を強いられ一方が大儲けする構図には疑問を感じます。JR3社の繁栄は、地方からの搾取の上に成り立っていると言っても過言ではないでしょう。




時刻表1997年
碓氷峠廃線前の時刻表


JR営業案内
碓氷峠廃線前の運賃表










廃線風景
碓氷峠廃線時の横川駅


碓氷バス到着
碓氷バス横川駅に到着、乗客は駆け足で駅の改札へ





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バックグラウンドの写真; 運賃が表示された軽井沢駅の横川行きバス乗り場の案内標識と廃線前の横川軽井沢間のJRの切符