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ワールド第5戦 野尻湖
(後編)

| 運命の最終日。そのちゃんにタックルチェックをしてもらい、勝利の女神こと、りょうこさんとダンナ(小山プロファンの夫婦)から声援を受け、さらに小山プロには「俺は5本持ってくるから、新吾も5本持って来て勝負だぞ!」と気合を入れてもらってのスタートである。 作戦通り、朝一は水道局へ入る、児玉プロが先に入っていたが、隣に入れてもらい、ツネっていると、児玉プロにバイト。500gのスモールをキャッチした。「新吾ちゃん悪いねぇ!」とご挨拶。すぐに2本目を釣り、「さすが児玉プロ。」と感心している場合じゃないけど、感心してしまった(^^ゞ 30分ほどで紫岩に移動するもノーバイト。そのまま竜宮へ流していくと、15cmほどのスモールがヒット。「今日は変わってる日だなぁ。お父ちゃんを呼んでおいで!」とリリース。すぐに「お兄ちゃん」がヒット。400gくらいのスモールであるが、キーパーである。 ホッと一安心して、「大崎に行くか?菅川に行くか?」と考えてみたが作戦通り、菅川へ。案の定、人が2人位しかいない。「よーし!秘密兵器1号行きまース!」と11mのベイトの群れへキャスト。3キャスト目に「ドーン」とグラスロッドを曲げられフィーバータイム開始!しかし、またもや出ました「福沢諭吉」が800gくらいにナイスなスモールを5分近くかけてランディングまであと少しの所でフッと軽くなり水中に帰っていった(泣)目の前が暗くなりかけたが、すかさず、2号をキャストして、500g、500g、700gと釣れた。あと1本と思いながらキャストするも、他のボートに囲まれ始め、バイトが遠のいた。時計を見ると1時間がたっていた。どうやらこのトリックは1時間が限界らしい(苦笑) もう一度、1号に変えてベイトの群を散らしていくと、ゴーンとバイトしてきた。「デカイ!」5分程で魚体の見えたスモールは1kg近い。もう5分程時間をかけてランディングの体勢に入ったとき「これで優勝か!?」と福沢諭吉が頭をかすめたとき、今度は体が言うことを聞かない・・・。スローモーションのように、妙に間延びしている。「これが真のプレッシャーなのか?」またしても、一気に下に潜るスモールにガチガチの体がついていかず、フッと軽くなった。生れてはじめて、目の前が真っ暗になって、気がついたら、へたりこんでボーとしていた。まさに「ここはどこ?私は誰?」状態だ。半田プロの「新吾ちゃん、しっかりしろ!」という声がなかったら、そのまま、入水してしまうところだった。 天気も変わり、雨が降り始め、風が強くなってきたのにも気がつかず、「せっかくのチャンスが・・・。」「小山さんと約束して、5本で勝負するって言ったのに・・・。」「・・・・・・。」この時AM11:45。 ダラダラやっていてもダメだと思い、大崎へ移動して強風のなか、1号をキャストするもベイトの群れの型が違うためか、ノーバイト。PM12:15、再度、菅川へ行き、人のいないところを必死でキャスト。しかし、ノーバイト。やはりベイトの群れの型が違うようだ。9mに近いところで、いい感じの群れの型を見つけたがウグイ(40cm)がヒットし、ガックリしたまま時間となり、ウェインへ。 無事帰着して、綿井さんのインタビューを受けた。精も根も尽きた私は、少しかれた声で何か言ったようだが、何を言ったかは記憶にない。ドッと疲れが出たが、ウェインバックに魚を入れようとライブウェルを開けたとき、私たち自慢の“U.S.FUNLAB”トーナメントマーカーが4体、泳いでいるのを見たとき。「最後までプロらしくしよう!」と気合を入れ直してウェインへ向かう。今江プロと話をして、一番最後のウェインとなる。 2100g。このウェイトがすごいのかどうかはよく理解していない私は、とりあえず小さくガッツポーズをして各雑誌社のカメラマンがいる「写真コーナー」へ行き、「お立ち台はカタイでしょう」と言われたが、不思議と嬉しくなく、やはり「優勝したかった」とポツリとつぶやいた。 ボートに戻り、コーヒーを飲み、一息ついていると、バスワールド編集長の和田さんが来て、「やったねぇ。優勝だよ!」といわれたが、「あ、そう、誰が?」と聞くと「新吾ちゃんがだよ!」と言われ、「ハハハ、きつい冗談を。」と相手にしなかった。小山プロの所に行き、「すみません、4本で終わりました。」と報告すると、「俺は3本で終わった」という。じゃ、私と小山プロ以外の人が優勝か・・・と考えていた。 表彰式が始まり、5位小野プロ、4位児玉プロ、3位小山プロ、2位今江プロ、1位渡辺プロ!と呼ばれたが、「へー、俺と同じ名前だ。」と少し壊れかけた頭で考えていると、近くのプロから肩をたたかれ「オ、オレか!?」と気付き「本当にオレ?」と周りに確認して、何か叫んだ気がするが覚えていない。小野さん、児玉さん、今江さんと握手をして、そして小山さんと握手したとき、なぜか涙があふれてきて、少し泣いてしまった。周りが冷やかしてくれなかったらそのまま、ワンワン泣くかと思った。まさか、30を過ぎて、人前で泣くとは思ってもみなかった。。。あまり優勝した実感がないまま、何をしゃべったのかもわからないまま、表彰式が終わった。 何故、泣いてしまったのか?いろいろとお世話になった、故南川登氏が、「新吾が優勝でもしたら、ビデオ撮ってやるよ」とハッパをかけられ、「よーし、今に見ていろよ!」と思ってる矢先に亡くなり、くやしい思いをしていた。自分の中では密かに、南川さんの弔い戦と勝手に決めていたので、小山さんと握手をした時、ふいに南川さんが笑っているように感じたためだと思う。チャンスがあったのに、リミットが揃えられない自分が優勝できたのは、この三日間、南川さんに助けられたからだと思う。 表彰式が終わり、桟橋で優勝カップを手に、各雑誌社の写真を撮ってもらっていると、自分が別の世界にいるような気がしてきた。。。1時間位かかって、カップを持って、花屋ボートに戻ると、小出さん、丸ちゃん、チュン、スタッフの宮本さんに社長他、みんなが桟橋で笑顔で出迎えてくれた。(また泣きそう^^;)小山さん、半ちゃん、そのちゃんも笑っている。 今度は、今回お世話になった、花屋ボートのみんなで撮影会。まだボーっとしている私は、やはり現実感がないためか、別の世界にいる気がしている。花屋ボートの皆さんありがとう!インターネット上で応援してくれたみんなをはじめ、応援してくれた全ての人にもありがとう! 最後に、スポンサーのゲーリーヤマモトカスタムベイツ、プロズファクトリー、サンライン、がまかつ各位に感謝し、また、私の大切な家族と友人達に感謝し、こんな凄いトーナメントを開催しているJB関係者に感謝します。 PS ・・・その後、熱があることに気付き、2〜3日はフラフラで仕事してました。 (次はクラッシックかぁ・・・。) |