半径5メートルに聞きましたスペシャル

-勝手におすすめ少女コミックー

 

 

浦山まさみの勝手に思いいれ
『残酷な神が支配する』萩尾望都
暗い、重い、せつない、三拍子そろったマンガです。
私は基本的に暗ーくて重ーくて頭抱えてしまうようなマンガ大好きなのだが、これはちょっと痛い。(←痛すぎて、読んでる途中で止めてしまったことが何度かあった。)あらすじを簡単に書くと、母親の再婚相手の男(義父)に犯されつづけた少年が、義父殺人を計画して実行する(しかしその時、誤って一緒に自分の母親も殺してしまう)までの話(第1部)。そして現在は第2部、(←1部2部っていうのは私が勝手に分けてるだけで、作者は別に何も言ってません。)殺人を犯した少年と残された家族(主に義理の兄)の苦悩と転落を軸に、ドラッグ、売春、虐待、暴力、ストリートチルドレン、など現代の問題も絡ませて、物語はどうしようもない方向に進んでいる。誰一人として救われることなく運命の中で苦しみもがく登場人物たち。彼等は余すところなく孤独で傷ついている。被害者と加害者が何度も逆転していくなか、「被害と加害」「正当と不当」が混沌として、今や“何をどうすればいいのか”という基本方向すら解らなくなってきている。そしてこのマンガのすごいところは、そのわけの解らないことをわけの解らないまま引きずり、そのまま正視しているところだ。無闇に(強引に)答えを探そうとせず、悩み傷つき打ちのめされても、それでも存在する「どうしようもない生」を感じ、見極めようとしている。なんだか、すごい大袈裟なこと書いてるけど、それだけこのマンガは複雑で深い。ちょっと精神的に疲れるけど、ぜひ読んで見て欲しいマンガです。(←でも、弱ってる時は止めたほうがいいな。)ちなみに今年の手塚治虫賞、受賞作品です。
矢野まさよの勝手に思いいれ
『ガラスの仮面』美内すずえ
今回マンガ特集のテーマが決まってから、マンガばっかり読んでる。最近はギャグ・アクション系が中心だが、基本は少女マンガ。最近TVでもやった「ガラスの仮面」なんて全巻(←まだ終わってないけど)持ってる。少女マンガは恋愛を中心にストーリー展開するものが多いけど、ガラスの仮面は人間(北島マヤと姫川亜弓)の成長を描く、サクセスストーリー。面白いです。絵はクドいけど…。
今の私は、天才肌のマヤより、自分の恵まれた容姿や環境に甘えず、ひたすら努力する亜弓さんにひかれる。何度もマヤに敗北感を味わい、それをバネに挑戦を繰り返す姿は、非常にCool。憧れます。Coolといえばこの二人、紅天女をめざすライバルなわけですが、お互いを認め尊敬し、(お互いを)高めていきます。「演劇への情熱」という共通項のもとに深い友情も感じ、感動的。脇役も素晴しいです。しかし、長いな…。オススメは20〜26巻あたり、二人の変身ぶりが楽しめます。役をつかむための修行は本当に凄まじい。
といことで、マンガは面白いです。止められません。チャンチャン。
こはた和の勝手に思いいれ
『りぼん』な時代

 

音楽と同じなんですけど、漫画って、その時代の思い出とともに記憶にインプットされてますよねー。だから、ふとした拍子に漫画についての話がはじまって、相手が自分と同じ作品が好きだったりすると、うれしくなっちゃいます。私の場合、ルーツは「りぼん」と「なかよし」。これぞ少女漫画の王道!と思ってるんですが、皆さんはいかがでしょう?
「りぼん」におけるmy favoriteと言えば、なんといっても永遠の少女漫画作家“陸奥A子”ですねぇ。(昔も今も作品のテンションとトーンの変わらないところが素晴しいっ!)それから、「リップステイック・グラフィティ」の小椋冬美とか、「ときめきのシルバースター」「砂の城」の一条ゆかり、「銀曜日のおとぎ話」「小麦畑の三等星」の萩岩睦美…。ほかにも、田渕由美子,高橋由佳利,小田空,清原なつのとかも好きでした。うーん、「りぼんオリジナル」(りぼんの別冊です)が発刊されたころが、私のりぼん黄金期かな。そのあと「LaLa」に出会って白泉社系に移行していくんですが…。
それから私は暫く漫画の世界から遠ざかってたんですけど、最近また漫画ブームじゃないですか?(そう思ってるのは私だけ?)「おお、こんなのまで」という愛蔵版とか文庫版がたくさん出されてて&復刻版だけじゃなくて新しい雑誌の発刊も多いんですよね(廃刊も多いとは思いますが)。「YOUNG YOU」とか「きみとぼく」とか、ターゲットの年齢層の高いのもあって、作家さんは陸奥A子を筆頭に、別マの看板作家ともいえる、くらもちふさこ、槙村とおる、小椋冬美、なつかしいとこで佐藤真樹まで書いてたりして…!もう、私世代の漫画好きにとってはヨダレものの豪華執筆陣ですよね〜。大好きだった作家さんが世代を超えて今だに作品を発表されてることは、とても頼もしく、うれしいかぎりです。そういう雑誌との出会いが私の“少女漫画な日々”との再開のきっかけになって、プラス何故か周囲に漫画好きな人が多いという環境も手伝って最近また漫画にハマってきているんです。で、久しぶりにコミック界をのぞいてみた感想はというと、すごく市場は元気で、スタイルとかプロモーションのされ方は昔とかわっていても、漫画が私達の身近な存在であることにかわりはないんだなということ。(あ、でもこれって私達が“漫画に育てられた”世代だから感じることなのかな?)漫画には、「COMICS」と一括してしまうのが憚られるような名作がいっぱいあるし、私の場合、言葉・諺・漢字とか結構漫画で覚えてたりするし(本来「本」から学ぶところなんでしょうが)。う〜ん、漫画って単なる楽を超えて、既に一つの文化と言えるのかもしれないっ!ですね。理論は一切ないんですけど…。
おっと、エキサイトしてダラダラ書いてしまいました。書きながら、すっかりカミングアウトも終え、これからは漫画っ子として生きていこうという気になってきました。うじゃうじゃ言いましたが、結局漫画って、暇つぶしに読む。気分転換に読む!楽しいから読む。読みたいから読むんですよねえ〜と、アホな結論が出たところで終わりにします。


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