thee michelle gun elephant

2000.5.12.fri.
神戸チキンジョージ


text by 浦山

 

 ミッシェルを見てると、「大人っておもしろそうだなぁ〜」と思う。彼等を見て「いつまでも少年のような心を持ってる男」なんて感じてる人がいたら、ちょっと間違っているように思う。特に今の彼等には、確信犯を楽しむ大人の男を感じる。丸くなったっていう訳ではなく、自分と自分のまわりを取り巻く状況が見えてる、ということだと思う。こういう男は無敵だ。その佇まいはカッコイイに決まってる。現に久しぶりに生で見た彼等は、やっぱりカッコ良かった。

 “WORLD CASANOBA SNEKE TOUR”。その名のとおり、アルバム『CASANOBA SNEKE』の曲を中心に構成されていたのだけど、実は今回私は、ちょっとだけだけど、ミッシェルとオーディエンスにズレを感じたのです。今のミッシェルはとってもいい感じでスケールの大きな道を走っていると思う。『CASANOBA SNEKE』でも、バンドのスケール感が大きくなってるのを感じるし。なにより音の視線の先が、足下から上げて前のその向こうを見るように変わって来てると思うし。だけど、相変わらずオーディエンスは内輪の運動会モード。「暴れなきゃ損」てな風に、我先にと暴れる。確かに暴れるのもいい。ダイヴもOKだ。だけどさ〜、全部の曲に対して同じ反応っておかしくないか?曲にも個性ってモノがあるんだよ〜。バンドにもライヴごとの出来ってものがあるんだよ〜。なんか、淡々と唄うチバと全然リンクしてない気がしたんだな。ウエノ君1人ががんばって、オーディエンスの単純発散する熱気を受け持ってる感じだったような。まぁ、私も前の方のモッシュに参加して暴れはしたけど。アンコールの“ハイ・チャイナ”と“Baby with go home”等の連打に我を忘れたけど・・・。まぁ、楽しければなんでもオッケー!的な気分もあるんだけどね。う〜ん!?
にしても、“ドロップ”の痛々しく沁みる世界にはやっぱり泣きがはいる。「じりじりと夜になる〜♪」とチバが唄いだすと空気が一変して、音がねっとりと体を包みこむ。体中の痛い感情が触発されて逆毛が立つ気分だけど、消して不愉快ではない。このまま消えてもいいほど気持ち良かったな。
そして、アベのギター。いままでのエッジの鋭いシャープな演奏に艶っぽい色気のある音も加わってて、ちょっと新魅力発見。シビレました。

 


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