2001.3.4 sun 心斎橋クラブ |
初期衝動のパワーをぶつけられる気持ち良さ! 3月4日、突風が吹き荒れる大阪の街を闊歩して会場のクアトロに入ると、新しい音に期待するファンの熱気と、それに反比例するようにクールに響くスマパンの『Mellon Collie and the Infinite Sadness』。似付かわしくないSEだな、なんとなくそう思っていた。「誰にもわかってもらえない」という絶望と「わかってくれよ」というエゴが交差する『メロンコリー〜』と、若干20歳の勢いある新人バンドを待つ熱気とが、しっくりこなかったから。 しかし、彼らが登場し、1曲目の「october swimmer」が鳴ったとき、その状況は一気にシンクロナイズされた。粗削りだけどしっかりしたバンド音に、せつないVoマークの声が重なると、現状に満足できない苛立ちと、自分たちの存在を知って欲しい欲求の音が、熱く重く伝わってくる。自ら作り上げた暗闇でもがき出口を探す。 音楽をやる初期衝動は過去も現在も同じなんだよね。最近の私は、空虚な電子音に現在のリアルを感じてたりしたんだけど、衝動をそのまんま音にした荒いギター音に、血も肉も通った人間をストレートに感じて改めて音楽に感動する。これもまた、リアルな現実なんだと。ラストにギターをぶっ壊すアクションさえ、色あせてない衝動に思えた。 1時間と短いショウではあったけど、ポップでせつない重さを持ったその音と佇まいは、十分にロックの楽しさと可能性を教えてくれたライヴだった。 |
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