Horace Andy

2000.2.26.sat
.心斎橋クラヴクアトロ


text by 浦山

 

 レゲエ初体験の私。ちょっとドキドキ・ワクワクしてクアトロに入ってまず感じたのは、開演前のフロアーがすごくラフでくつろげるということ。なんとなく想像はできていたものの、予想以上にラフ〜な感じでフレンドリー。ライヴ前って、何かしら緊張感があって、(そのライヴに対して)「楽しんでやろう!」とか「挑んでやろう!」とか思ってしまうものなんだけど。(まぁ、それもライヴ前の楽しみの一つだったりもするけど。)そんな堅苦しさは一切なし。会場のクアトロのフインキもあるけど、会社帰りに馴染みのパブにフラッと入った感覚。実際、私も仕事帰りだったから、ビールなんてクイッと飲みながら開演をまってると、いい気分になってリラックスしていた。その「みんな身内」的なスタンスが、今ひとつ苦手で敬遠してたレゲエなんだけど、肩ひじ張らずに聴いてればよかったな。

 ビール飲んでいい気分になっているところへ、オープニングアクトのDRY AND HEAVY が出てくる。軽快なレゲエのリズムにダブっぽい音がはさまって、同じリズムの繰り返しがレゲエだと思っていた無知な私には新鮮。ボーカルのお姉さんも歌上手いし。が、ちょっと長かったかな?1時間近く聞かされるとやはり少しツライ。悪くはないんだけど、彼ら独自の個性は少し足りない気もする。
 
 そしてフロアーに「早くホレスが見たい!」という空気が高まってきたPM8時、ホレスのバンドのメンバーが出てきて音をだす。「あれ!?違う!!」。レゲエを知らない私でも音の質感の違いに気づく。「本場との違い」なんて言いたくないし、使いたくないけど、明らかに違う空気に圧倒される。そして、いよいよホレスの登場!楽しそうに歌い、飛び跳ねるその姿は、マッシヴ・アタックのミステリアス・ボイスとはぜんぜん違う佇まい。テンション高くブッ跳んでるホレスを見てると、私も「なんだかよくわかんないけど、楽しいよ〜」とハイ状態になる。座ってビール飲みながらゆっくり聴こうなんて最初は目論んでたのに、2曲目でフロアーに駆けだし踊る。いやぁ〜、キモチいい。ココチいい。楽し〜い。バカみたいな感想だけど。それしか思いうかばないんだよなぁ。ホント。「頭で考えるな、身体で感じろ」ってことかな。
 実際、そんなノー天気なことばかりじゃなく、シリアスなこともたくさん含んでると思うんだけど、ここでは、歌い、踊り、楽しむってことが大切なこと。リズムがお腹に響き、足を跳ねさせる。人間の原点なんて想像できないけど、やっぱり人は昔から、楽しむことを求めて歌い踊ったりしたんだと思う。そんなことを、ちょっと考えたりして。

 何回も間違い、歌い直すホレスのお茶目な仕種に笑い。おいしいお酒と、心地良いリズムと歌に酔う。寒い冬の1日をポッと暖かくしてくれる楽しいライヴでした。

 


| Live

| Top | NewsDiscFuji Rockradiohead映画エッセイモニターにその他真・雅掲示板Link |