ELECTRAGLIDE

2000.11.26.Fri
幕張メッセ


 

僕にとって二度目のUNDERWORLDのライブは、『FUJI ROCK FESTIVAL '99』で観た時 とは大きく状況が異なっていた。
サウンド構築において最も重要な役割を担っていたキーマン、ダレン・エマーソンの脱退は明らかにバンドに大きな影響を与えていた。

ライブのクオリティは、特に問題があったとは思わなかった。
会場のせいで音にやや難はあったものの、結果的に彼等はその優れたパフォーマンスでオーディエンスから一番の拍手を浴びていた。
しかしやはり、どこかで納得のできない部分があったのも事実だ。
それはやはり中だるみを感じさせてしまった事だ。
二時間半というステージは、彼等にとっても不馴れな事なのかもしれなかった。
しかし例えそうであってライブで中だるみをしてしまう事は(特にダンス・アクトにとって)致命的ではないだろうか。特に彼等の場合、先述したフジロック、そして先立ってリリースされたライブ盤『EVERYTHING,EVERYTHING』では(時間は一時間以上短いにしても)そんな事を感じさせはしなかった だけに余計にそう思えてしまう。

思うにこれがダレン脱退の影響なのだろう。残されたカールとリック、自らが認めるようにダレンは現役のDJとして「フロアの経験をバンドに持ち込んだ」。
言わずと知れているだろうが、フロアとは音を止めてはダメなのだ。それは例え音が鳴っていても、フロアの足を止めてはいけないと言う事である。
あの場にいた人の中には、今回のUNDERWORLDが足を止めさせてしまった事をはっきりと感じていた人も少なくなかった。

今はまだ、ダレンの残した財産をそのまま使用していけば誤魔化せるのかも知れない。
しかしコピーは必ず疲弊するし、進化はしない。そしてそれを許す程時代とオーディエンスは優しくないし、見逃す程阿呆でもない。
このまま煮詰まるか、全く新しい UNDERWORLDになるか。
正念場はすぐそこだ。
text by TAKUMA

 

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