Psyence Fiction

UNKLE

それぞれ孤独な魂を抱えて生きてる人々に響きわたる、5曲目の『ロンりーソウル』。
多彩な一流アーティストが参加するこのアルバムで、この曲のボーカルと作詞を手掛けているのが、ヴァーヴのリーチャード・アシュクロフトである。
『アーバン・ヒムス』の幸福に満ち溢れた賛歌よりも、聴いてるこっちが怖くって引いてしまうほど鬼気迫る内容の前々作『ア・ノーザン・ソウル』に惹かれてしまう私にとっては、この『ロンりーソウル』は、まさに衝撃だった。

誰と一緒に居ようが、どんなに満たされていようが、結局私達は皆、孤独で一人ぼっちな存在だ。それを認識しているか、していないか、人それぞれの違いはあるけど。とにかくそう悟った時、出来ることといえば“ひらすら歩き”“ひたすら飛ぶ”ことだけ。
美しすぎるストリングスの響きと共に、それを高らかに宣言したこの曲は、今この時代“どうにも生きにくい”と感じている、私達の内面を見事に代弁している。
このアルバムのテーマはズバリ“孤独”だと、私は勝手に解釈してるけど、それはただ単に“孤独で淋しい状態”を表現しているのではなく、そこからなんとか抜け出すための術を示唆してくれているように思う。
きっと、このアルバムをきっかけに多くの若者が、大きな一歩を踏み出すんだろうな。
個人的に、これからもずっと愛聴していくであろう名盤。
(でも、ひとつだけ難を言わせてもらえば、あのジャケットは…。うーん!?)
                                TEXT BY 中田

 

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