up

R.E.M 

だんだん肌寒くなってきて今年もあと残りわずかっ…、なんていうこの時期は毎年決まって後悔の嵐が頭の中を暴走する。「私、今年1年なにやってきたんだろう…」なんて寝る前に考えて、やたら落ち込む。そんなことは“考えたって仕方のないこと”とは分かっているんだけど、“理想の自分と現実の自分を比べてみては落ち込む”そんなアホみたいな一人遊びを幾夜もくり返す。青臭い妄想狂。まさにその通り!
勝手に決めつけて申し訳ないが、R.E.Mのマイケル・スタイプもそういうタイプの人間なのではないだろうか?歳をとっていく悟りを、開いていこうなんて気は毛頭なく、常に欲望に貪欲で諦めきれないもの達に執着し、自己中心的でわがまま。ムチャクチャはた迷惑な奴。(まぁ、アーティストなんて皆そんなもんだろうけどさ。)しかし、そんな彼から感じるのは、決してシタリ顔の傍観者にならない誠実さ。変化を求め、好奇心を放棄しないタフネスさ。まさに、私達が求めていた答えじゃないのか?“絶対崩壊しないバンド”と勝手に思われていた(←迷惑な話だ)彼等からドラマーが抜けバンド存続も危ぶまれていたが、届けられたこのアルバムは、これまで以上にパワフルで前進を求めている。前に進むしかない状況とはいえ、自分のアイデンティティを失わずに邁進する音には、ただただ感動するばかりだ。(ドラマーが抜けたからしたかなくかも知れないが)機械的な音も随所に取り入れてて緻密な仕上がりの印象も受けるが、聞き込む程に生々しい息づかいが聴こえてくる。今、現在、と同時進行の音。「僕は、自由だ、自由なんだ」という歌詞でこのアルバムは終わる。そして、そのメッセージは今の私が1番聞きたかった言葉なのだ。

1人でゆっくりと噛みしめたい音。そんな音が詰まったこのアルバムは、私のこの冬1番のヘビーローテーションなのである。    Text by 浦山

今回のはいい。解放感がある。めちゃ明るいし。前からR・E・Mは聞いてはいたけどあまり好きになれなかった。今イチ冴えない風貌やいつまでも大学生バンドみたいな雰囲気(最近はわけわからん)とかその他モロモロ。でも1番の原因は悟りきった暗さかもしれないと「UP」を聞いて思った。インタビューでもマイケル・スタンプが実は楽観主義者だと認めていたけど、しぶといことは確実。じゃなきゃアルバム11枚も出せないだろうし。アメリカのマイケル・スタンプ、イギリスのモリッシー、日本のエレカシの宮本(?)か。毎日朝起きて、ご飯食べて、服もたたみつつも「俺は絶望してるんだー!!」と頭を掻きむしってる感じ。そこが好きだし信用できるしウットシイところでもある。1曲目の流行を取り入れたデジタル・ロックのヘナチョコさ加減が情けなく心地良いです。         Text by 矢野


 

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