ギヤ・ブルーズ

thee
michelle
gun
elephant

 

「一思いに殺してくれ〜!!」ってね。暴走機関車ミッシェル。相変わらず、やりたい放題ですわ。前作『チキンゾンビーズ』のレビューで「いっそ、このまま死んでくれっ!」って書いたんだけど、奴等は死なんわ。しぶとい。死ぬのはこっちのほうだな、マジで。普通アーティストには、作品を作るにおいての必要性とか意味あいとかが、なんとなく垣間見れるもんなんだけど、それも相変わらずナシっ!!全14曲。55分16秒(←長い!疲れる!)の中には、音の羅列と言葉の羅列があるだけ。これって、すごいことだと思う。自分の内側からなにかしらのメッセージを見つけてきて、その必要性を形にしていくという行為は、以外と簡単に出来ることなのである。(忍耐と体力と行動力があればね。)しかし、なんだか判らない勢いを、そのまま吐き出すのはかなり大変。人は意味を見つけたがる生き物だから。かといって彼等の音に、意味や必要性やメッセージが無いというわけではない。“初期衝動”これが全てだ。音に反応する子供だな。アルバムも4枚目にもなってくると、いろいろ余計な思考してしまって、インドやアフリカや電気モノやに行きがちになるんだけど、“相変わらず”を加速させて、相変わらずの爆走。いやぁ〜、行けるとこまでイッて、逝って、生きまくる。力強さ。けっして、“新生◯◯”なんてならないカッコよさ。そのうえ、この歌詞のセンス!「愛という憎悪」なんて言葉を、これほどピタっとハメた奴なんていないでしょ。
日本語を日本語としてロックにする。今のミッシェルにはそんな力技すら、遊びの一貫なのだ。聴後に何も残らない潔さ。暴走機関車は乗ったもの勝ちなのである。                    
     text by 浦山
わりと最近ミッシェルを聴いた感じだと、ポップで古臭い印象なのだが、やっぱさー、ミッシェルってライヴ・バンドだって思う。しかも最高級の。でもその反面で、家で音聴いててもノリきれないというか、ライヴでは盛り上がりそうなんだけど、それで、みたいな。まぁ2枚目までのツェッペリンみたいなライヴのテンションそのままレコードにパッケージするなんてことはフツーできないんですよ。もともとこのバンドは勢いでガァ−ッてやるタイプじゃなくて、例えばアレンジとか細部まで神経行き届いていて整合感があるってとこが確信犯だったわけで、ミッシェルの限界もそこにある。つまりは型が決まりすぎるの。ジャストすぎ。だからクサい。新作では、ブルース色を強めてとことんクサい内容にしたみたいだけど、ぼくなんかライヴ・アルバムとかのほうがわかりやすいかなって思う。安直だけど。          Text by 梅木
周りに熱心なファンも多いし、今年のフジさんにも出ていたし、結構売れているから彼らの音に触れる機会は多かったんだけど彼らのテンションの高さやLIVEのファンの熱狂さに多少引いていたところがあったのは事実。が「ギア・ブルース」はそんなこと言ってられないデキになっている。私の中で1番ハイテンションかつロックな日本の歌はエレファント・カシマシの1stに入ってる「ファイティング・マン」だ。歌も歌詞も本当に素晴らしいと思うし大好きだ。今の爽やかなエレカシも好きだけど少しずつロックな部分が減ってきていて、もうそういうのは期待できないかも。でもその分ミッシェルが大暴れしてくれることだろう。きっと売れるだろうな。このアルバム。ガンガン売れて欲しい。売れてこそロックだ!!            Text by 矢野


 

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