THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS

MANIC STREET PREACHERS

“すばらしい初期衝動”のデビュー盤は、今聴いても心洗われるし目からウロコが落ちる。(『ジェネレーション・テロリスト』なんていうアルバムタイトルからして、クサすぎて泣ける。)“No.1を取って解散する”“4REAL”“解散撤回”。そして極め付けの“ギターリスト、リッチ−・エドワーズの突然の失踪。今だ、行方不明”。その時々では、真剣で必要性のあったものなんだろうが…。マニックスには、バンドに負荷するドラマが多すぎる。
悲劇のバンドとしてのレッテルは重く、言わば“マニックスが音を出す”という行為だけで、人々が感動するドラマは出来上がってしまっているのである。
これは、悲劇だ。
何をやってもどの音を出しても、結論は同じ。マニックスは未来を奪われたのである。

そんな、袋小路の中で生まれた今作『THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS』は、その不安や悲しみを逃げずに直視した、美しく強いアルバムである。(←この、アルバムタイトルも泣ける。)
ジャケット同様、ぬけるような青い空を見上げて、明日の方向を見つめてる、この世に残った3人。メランコリックになりがちな状況を、しっかりと受け止め。それでも音楽をバンドを続けるしかないのだという自分達を、1つ1つ大切に音にして行った感じが静かに伝わってくる。その誠実さが、アルバム全体を無個性にしてしまってる感は少しするが、1曲、1曲、噛み締めて聴いていたい、清らかさと潔さがある
過ぎ去った季節にセンチメンタリズムを感じる夏の終わりに、はまるアルバム。

そしてやっぱり、その音は、すこし痛々しいのです。      TEXT BY 浦山

 

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