Press Clipping

ギターマガジン1999・3月号 ( P.207 )


ライブの中間っていう感じ。今回は、スト ラトで試したんだけど、シングルコイルでこれだけ太い音が出るんだから、ハムバッ カーだったらかなりいくだろうね。あと、ピッキングに負けずに音がついてきてくれるよね。 歪んでいるだけで芯が細いエフェクターってけっこうあるけど、これは芯がしっかりしてい る。ギターでボリュームを下げても、はっきり鳴るし、粒立ちがいい。
粒立ちがいいということは、逆に言えばちょっとしたミス・タッチなどもはっきり音に表れる ということですよね?
○僕たちのようなプロは、それでも粒立ちがいいほうがいいわけよ。粒立ちがよくて、音抜けがよ くて、音が太ければそれに越したことはないよ。弾いた音そのままが出るっていう感じが いいね。これは一番気に入ったな。
シリーズ全体のコンセプトのひとつに ギターの持ち味を損なわずにエフェクトをかけ られる ということが感じられますが、その点については?
○うん、もともとギターとアンプから出てくる音を最低ラインとして、それより上質の音を出してくれ る。全体的な印象は、コンパクト・エフェクターも随分進化したなという感じ。正直 言って、これほどクオリティが高いとは思ってなかった。
最後に、近日発売予定の Deep Baxも試してもらいましたが、これはいかがですか?イ コライザー的なエフェクターですよね?
○これはギターの一番おいしいところを引き出してくれるエフェクターだね。あんまり 良くないアンプで弾く時なんかに、“SUPER LOW”コントロールを上げてやれば、低域が しっかり出るようになる。これひとつ持ってれば便利だと思うな。例えば、ライブハウス に行って、そこにあるアンプで弾かなきゃいけない場合でも、自分の好きな音の太さに調節 できる。そういうイコライザーってなかなかない。普段僕はイコライザーは使わない んだけど、これだったら使ってみたいな。普通イコライザーって通しただけで独特のしらじら しさが出るんだけど、そういう感じもない。クリーンでオンにすると、普通は加工された 感じがするんだけど、これは音が変わるというより、むしろ原音の質が上がるって感じ。とにか く、ギターのおいしいところを引き出してくれるエフェクターっていうか。ドライブ系に もクリーンにも合う。ツマミが少ないのに欲しいトーンをすぐに引き出せるっていう わかりやすさもポイントだね。
では総評をお願いします。
○変な表現だけど、アンプとギターを直でつないでいる感じがする。要は、基本的なとこ ろがしっかりしているんだよね。かゆいところに手が届くって感じ。 シリーズの全体的なカラーとして、音の立ち上がりがいい、粒立ちがいい、基音に忠実。 やっぱりハンドメイドの強みじゃないのかな。ライブで試したいね。
まず、是方さんがコンパクト・エフェクターに求める条件を教えてください。
○コンパクト・エフェクターはライブやセッションなんかでけっこう使うんですよ。でもそ ういう場合、その場所によってアンプが違ったりするわけ。だから、どんな状況でも音やせ しなくて、しっかりした音を保てるものがいいよね。コンパクト・エフェクターにありが ちなのは例えばディストーションをかけると音が軽くなるとかね。弾いた感じとして手 ごたえの弱いものが多い気がするから、どっしりしたものがあればいい。 あとは、つないだ時の音の劣化という問題もある。ブートレッグシリーズをひと通り弾 いた感じでは、劣化はほとんどないよね。ノイズも驚くほど少ない。それが第一印象だね。あ と、今回の歪み系4機種は“これぞロック”って感じの歪みだな。
では、まず Rock'n Roll Party の感想は?
○コンパクト・エフェクターってオンにすると音のレンジが狭くなりがちなんだけど、こ れは大丈夫。直通のレンジを保ってくれる。オーバードライブのゲインを絞ってバッキ ングにする場合、音の抜けが悪くなるのが気になるんだけど、これは“NIGHT”のツマミ (ゲインに相当する)を下げてもシャキッと鳴る。ギターでボリュームを下げた時のサウ ンドもすごくいい。あと、音の立ち上がりがいいし、コード弾きをしても粒立ちがいいんだよね。 アンプで歪ませている感じ。70年代のロックサウンドっていうか、ピッキングのニュア ンスにしっかり反応してくれるのもいいね。
続いて、HIZUMI(1.0) はいかがでしょう?
○各弦がちゃんと分離して鳴ってくれるね。かなり歪ませても1音1音がはっきりしてい る。僕はサムピックで弾くことが多くて、アタックが強いんだけど、そのアタックにちゃ んとついてきてくれる。基本的にはディストーションだけど、“RANGE”のつまみを左に 回すとオーバードライブ的なサウンドも出せる。サウンドキャラクターの 幅が広いよね。あと、何しろ音が太い。
JAZZ FUZZはいかがでしょう?
○4機種すべてに言えることでもあるけど、エフェクターを踏んだときの違和感がないよね。踏んだ瞬間 レンジが狭くなったり、音が軽くなったりっていうのが一切ない。今まで、その点はコ ンパクト・エフェクターの弱点としてしょうがないと思ってたんだけでど、それをかなり解 消していると思うよ。あと、ファズは音がつぶれがちなんだけど、これもやっぱり音 の粒立ちがいいね。ファズなのにコート感が保てる。
“VINTAGE”というつまみが気になりますね。
○右に回すと現代的なファズサウンドで、左に回すとオールドっぽいサウンドが出せ る。僕はオールドっぽい音の方が好きだな。でも右に回せばグランジ系のサウンドも出せるわ けだから、キャラクターは多彩だよね。“FUZZ”コントロールを下げてもけっこう使えるよ。ツマミを回すと、それに対応してしっかり音が変わるし、そういう意味でもレンジは広い。
では続いて、是方さんが特に気に入っていた Jaw Breaker については?
○印象としては、ディストーションとオーバード


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