・ラ トゥール ダルジャン   ミシュラン★★   たろちゃん★★

   4世紀もの歴史を持ち、世界中の国賓をもてなしてきたレストランである。
   さて、タクシーが店の前に着くとドアマンがさっとタクシーのドアを開けてくれ、
   「ボンソワール、ムッシュ」という言葉で出迎えられる。そして店の扉を開けてもらう、と。
   なんと5〜6人のギャルソンがサッカーのゴールを守るがごとく威圧的に待ちかまえている。
   それはいい。格式のあるレストランらしいとも言える。しかし笑顔がないのである。
   名前を告げるとしかめっ面をしてもったいぶった仕草で予約帳をめくる。
   「あれ、予約漏れかな?」と不安になってきたあたりで、うむ、とうなずき奥に通される。
   エレベーターで6階のダイニングへ。さすがに窓際の一等席には案内されない。
   しかしそれでも広く大きな窓からは自慢のノートルダム寺院を見ることができる。
   ここでもギャルソンたちに笑顔は見られない。ソムリエの客を値踏みするような目つきも気になった。
   この店のスペシャリテが鴨料理だということはあまりにも有名だが、味はそれほどとは思えなかった。
   観光者向けのコース料理だったせいもあるのかもしれないが、特にこれはといった料理はなく、
   またサービスも笑顔が無く淡々としていて暖かみが感じられなかった。
   ミシュランの2ツ星への降格もやむなしという気がする。
   しかし雰囲気、風格といったものはさすがで、これはとうてい日本の高級レストランの及ぶところではない。
   店に入った午後8時頃はまだ明るく、食事をしながらだんだんと窓の外が夕陽に染まり、そして
   ダイニング全体が夕陽で真っ赤に染まったその光景といったら・・!何とも感動的な思い出である。
   そして暗くなるとライトアップされたノートルダム寺院・・。
   やはりここで食事をするということはパリの人たちにとって、そして世界中のグルメたちにとって
   昔もこれからもステイタスなのである。


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