短詩投稿作品
2010・4・15 ここあここ
「夕方」
明るい光が見える
空気とても冷たく
心は曇りがちで
R&Bが心地いい
せつなさは私の求める水のよう
せつないボイスが見える
写真のように
瞳に映りこむ、光とボイス
2010・4・3 ここあここ
「はつ恋」
今日で最後さようなら
それなのに何故
あなたは愛しそうに
私の頬に触れるの
優しい笑顔と思いやりある瞳を見て
あなたはもう大人になったのだと悟った
私はうつむき唇かみ締めた
頬に触れる手に愛を感じ
あたたかな声であなたは言った
別れよう
聞きたくない聞きたくなかった
冷たくあしらって欲しかったのに
悔しいけどあなたは大人だった
そして泣き出した私に
最後のキスをした
何故冷たくしてくれないの
何故キスなどするの
縁が切れるわけじゃないよと
あなたは真剣に言った
じゃあ何故別れようなんて言うの
聞きたいことは幾つもあったのに
泣きすぎて息をするのがやっとだった
最後に私の頭を優しく撫でて
元気でな、と去っていった
恥ずかしかった
痛かった
悔しかった
倒れこみそうになった
初めての恋が
実らずに終わるなんて
結婚しようとあなたは言ったのに
大人のキスや愛し合う方法も
あなたから教わったのに
あなたしか愛さなかったのに
だめだった
まだ私は怯える子供のように
あなたの瞳に映りこんでいたのだろう
チャンスはもらっていたのに
私は私の在り方を選んだ
だからさようならなんだね
本当にさようならなんだね
駅の向こう走ってたあなたの背中
心に焼きついて消えない最後の背中
2010・3・31
「人間」 ここあここ
物の詰まった白い部屋
さえぎるものは何も無いのに
心と心がすれ違い
それに気づかないあなたが一人
気づいていても
気づかないふりをする私も一人
みんなみんな
つながっていても
結局のところ
辿り辿れば独りといふこと
見ないふりの上手なみんな
悲しいかな、私もその一人
2010・3・12
「道程」 ここあここ
信じても
信じても
その道は容易ではなく
一条の光さえも見えない
その暗き道を
生きている限り歩き続ける
命終えるときに
信じて信じた結果が見える
今はただの過程に過ぎない
苦しんでも
苦しんでも
信じることを諦めずにいることだ
2010・3・11
「昨日と今日」 ここあここ
今日はまだ
何もかも途中で
思い出にはまだなれない
昨日はいつだって
新しいから
いつでも思い出にできる
たくさんの昨日を紡いで
今やっと
私は今日にいます
2010・3・1
「新しい私」 ここあここ
らららご機嫌の朝
普通の普通の日なのに
何かが違う
何もかもに
微笑みたい
昨日は本当に最上の日です
きらきらの街で
失くしてしまった私のお気に入りのお財布
きらきらスワロフスキーの水色のお財布
悲しくて悔しくて
歩く私の背後から
まるで熊さんのようについてきた足音
ふと振り返ると
笑顔のひと
「落としましたよ」
笑顔がとても無邪気でした
盗んでしまうのは悲しいけど簡単だったはず
信じてもいいんだ
世の中を
見知らぬ人を
信じてもいいんだ
だから
らららご機嫌の朝
今日、生まれた新しい私
2010・2・27
「いつの日にか・・・」 ここあここ
僕の心は澄み渡っていたよ
そう、忘れはしないくらいの頃
僕はいつの間にか油断していたよ
一番大切な君を
大きく悲しませて
信頼を得ようと日々精進してはいる
でもきっと違うんだ
もっと謙虚にならなくてはと思うよ
君が笑ってくれるたびに
僕はどこかで
許されているような気持ちになるよ
そんなに簡単な傷じゃないのにと知りながらも
心のどこかで僕なりの言い訳を建築しているよ
愚かな僕を決して許さないで
君の負った傷から見れば
僕の後悔は当たり前というものだよ
だから
どうか君を好きな僕のことを許したりしないで
でももし僕が本当に成長したら
一度だけ、褒めてほしいよ
そうすれば、元の二人に戻れると思うんだよ
2010・2・20
「君は今・・・」 ここあここ
波がさらった僕の思い出
波の音を聞くたびに
どうしても思い出す
僕が泣いたから
君も泣いてくれたこと
全部が思い出
君は今どこにいるのだろう
僕は追いかけてる
まだ君の涙を覚えてる
この間久しぶりに聴いた
Fly Me To The Moon
必ず君を月へ連れて行くと
抱きしめ約束したことを
君はまだ覚えているかな
今はもう誰もいなくて
何故君がいないのかも
僕はわからないでいるよ
2003・12・26
「二人」 夢香☆
これから先というのは
ただこれから先というだけでなく
今までをより美しくたちあげさせるものでもある
伝えたりなかった人への言葉を
いつか伝えるとか
またはその反対に
知らなかった事実を知るとか
過去は変わっていく 過去は変わっていく
二人にとって明日は未知だが
きのうもずっと遠いもの
きのうも明日もつめたい時は
今の二人が大事だね
2003・8・19
「まほろば」 園葉 鎬
まほろば まほろばと
呪文は続く 念仏は続く
まほろばは私のなかにある いや あった
かつて私が 尽未来春陽のなかを生き得るものだと
錯覚を抱いていた頃 まほろばは確かに
私のなかにあった
誰が泥を投げつけたのか 誰が闇の蛇口を全開にしたのか
犯人はこの私 そう 私の内的秩序が完全に狂った日
誰にも言えない日 私はこころのまほろばと 私の鳥を失った
四季に肝掻き乱す
春は心臓を鷲掴む 夏は群居の村から私を放り出す
秋は首を絞め 冬は静かに凍死を待っている
桜はケケケと嘲笑し 向日葵は漫然とお日様の奴隷
落葉は未解決事件を積み重ねるだけだし
冬枯れはほったらかし
いつからだろう 私が生きたいと欲するがままの
人生を生きていないと感じ始めたのは
他者が私に 斯く生きるべしと望む通りの まったくその通りの
生き方に忠誠な埴輪 或いは剥製の狢(むじな)となって
四半世紀・・・
私のまほろばを取り戻したい もちろん鳥も
早くそうしなければ 私は死ぬ まほろばも砂漠になってしまう
鳥は煙と化してしまう
もはや猶予はない 無為無策の 動力を持たないトロッコは
今日で解体する サヨナラだ ハハハッ
これが遺書でないことを直ちに証明しなければ
ほんとうのまほろばは 生きている鳥は
帰ってこない
返ってこない
2003・5・13
小松彰一様とお仲間の川柳
浮田玉光 遺伝かな腰の曲がりが母に似る
須磨ひろし 五男二女育てし勲章曲がる腰
西尾善春 足と腰踏ん張りきかず気は若い
山本静香 腰かがめ投票に行く激戦区
石田雪路 赴任地の地酒人情腰据える
木村貞涼 折れ曲がる腰が田んぼを守り抜く
坂下二三子 練習しやっとやっとの阿弥陀経
小松糸葉 披露宴練った祝辞が出て来ない
坂野かほる ねねだんご練って亡き母恋うている
小松彰一 あれこれと練っても何も出て来ない
遠藤美朝子 餡子練る職人の腕確かなり
石田沙英子 こんなにも練った議案が通らない
2002・10・12
「一つの出口」 大 川 晃
背広をハンガ−に掛け
パジャマに着替えて
少し口の欠けた湯呑みや
マヨネーズのやさしさに
近づいていく
酒を呑むと
やっと僕は僕の体湿を
保っているのがわかる
酔いを鋭くするのは仕事である
背広が僕の後ろから
見ている気がする
台所では
いつのまにか
精薄の女が水をなぶっていて
酒が頭から追い出すものは
喫煙コーナーであり
会議であって
その記憶の奥には不安があり
さらに酒のまわった指先で
その先をめくっていくと
故郷の川端で
少年が泣きながら口笛を吹き
遠くで犬の吠え声がきこえてくる
そこが僕の毎晩の出口だ
2002・8・3
柳川 銀芽
すいか食い種を競いて飛ばし日々
サッカーで親父にチャージ生意気な!
しんどいや厠の中はサウナなり
夏草やベビー蟷螂涼みたり
小童の指に絡まる蟷螂や
蟷螂の双子色違う擬態なり
茶と緑葉っぱの色に良く似たり
放任の金髪ママの童たち
釣鐘は己を揺らし響くなり
雄雉死し狩場の恋はもあわれかな
雪の野辺眩き雄雉の羽ぞ散れリ
CO2オゾンホールNo生みの親
オゾンホールデジモンのように進化する
亀になり平泳ぎにて潜る夏
沖縄の耀くプールへダイビング
クロールの捻りターンで足ズキン
朝霧で大正池は幽玄美
かぶと虫ビルのガラスへテロルかな
クマゼミやビルのガラスへテロルかな
四面楚歌ミンミンゼミの夏来る
四面楚歌蝉の大軍聖地にいるか
アゲハ触れソナーを麻痺す鱗紛や
アゲハ舞いソナー麻痺せし鱗紛や
2002・5・31
『川柳』 明石 舞
問題に向かって押せば出る答え
あの人と話せば肩の荷が下りる
戦って上手に負ける強い人
あれも駄目これも駄目でも次がある
気が合えば味も深まる食事会
よく聴いて人を動かす太い腹
この橋を渡れば行ける向こう岸
咲かなけりゃ咲かせてみよう赤い花
踏み出せばさっと開いた自動ドア
避けるより逢うのが早い仲直り
2002・5・9
「風」 brownycat
空に
雲が流れる
風が
吹いてるんだ
青が
白くなって
みずいろになる
緑が
濃くなって
夏日になる
ほら
風が吹いてるんだ
風が吹いてるんだ