談話室



筋緊張性頭痛について

頭痛と言うと脳腫瘍でないか血管が切れるので ないかと心配することが多いですが、頭痛で一番多 いのは肩凝りなどからくる筋緊張性頭痛です。これ は肩・首・頭部の筋肉の血液循環が悪くなり、筋肉 が強く収縮することによっておこる頭痛です。後頭 部の重い締め付けられたような痛みが起こります。 首・肩を良く動かし肩凝りを取り除くと良くなりま す。それでも良くならない時は血液循環を良くする 薬、筋肉の緊張をとる薬などを服用すると良くなり ます。

夜間せん妄について

お年寄りが昼間は普通なのに、夜中に訳の分ら ないことを言ったり、訳の分らない興奮をして動 き回ったりすることがあります。これは夜間せん妄 と言って、意識障害の一種です。家族の方は痴呆に なったとびっくりされますが、お年寄りは一寸した 心身のストレスで夜間に意識障害を起こします。原 因を取り除くと多くは完全に回復します。医療機関 にご受診されることをお勧めします。

不眠症について

睡眠時間は人によってまちまちです。 毎日 10時間眠る人もいますし、3時間で足りる人も あります。大事なのは睡眠の質であり、長さには あまりこだわらないことです。短時間でも熟睡す れば心配ありません。眠れないときは、起きて本 を読んだりテレビを見たりしないで、目を閉じて 静かに横になっていて下さい。目を閉じて4、5 時間横になっているだけで、十分休息はとれます。 考え事をしたら眠れないと思う人があります が、いろいろの思いは意志と関係なく浮んでくる ものです。いろいろの考えが浮んできても、浮ぶ なりにして置く方がよいようです。 不眠でお困りの方は、次のことにお気をつけ 下さい。 1)カフェインの入ったお茶・コーヒーなどは 夕食後摂らないように して下さい。 2)昼間の緊張が残っていると寝付けなくなります ので、夕食後は静かな時間を持ち、気持ちをゆった りとさせましょう。読書・入浴・音楽を聞くのも良 いでしょう。 3)生活のリズムを整えましょう。規則正しい生活 をしていると、寝る時間が近づくと不思議にも眠く なってきます。 4)日昼の適度の運動は睡眠の質を良くします。お 時間があれば軽い運動をして下さい。 5)快適な自分に合った寝具を用意しましょう。 6)眠ろう眠ろうと焦らないで下さい。目を閉じて 静かに横になることだけを心がけて下さい。

ストレスについて

ストレスと病気 ストレスによって引き起こされる病気を心身症 と呼んでいます。代表的なものとしては、神経性 胃炎、胃潰瘍、過敏性大腸症候群、緊張性頭痛、 震戦症、書痙、蕁麻疹、円形性脱毛症、多汗症、 神経性頻尿、過呼吸症候群、起立性低血圧、高 血圧など、その他書き切れないほど多くの病気が あります。ストレスの影響を受けない病気はない と言ってていいほどです。ストレスによって自律 神経とホルモンのバランスが狂ってくることによ りいろいろの病態を引き起こすと思われます。 ストレスは悪いストレスだけでなく良いスト レスもあります。良いストレスだから無害と いうのでなく、有害なこともあります。昇進、 結婚、新築、入学などのあとに心身症になる人 がいます。環境の変化や心の動きが心身症の誘 因になることもあるのです。

人間の可能性について

右脳と左脳 最近、右脳と左脳と言うことがよく話題に のぼっています。右利きの人は、左の脳に言語 を中心とする脳が在ると言われています。現代 の教育は主としてこの言語脳の領域で行われ、 人間としての価値基準もここに置かれる傾向が 見られます。人間は、言葉だけの単純な存在で はないのです。すべての人が、それぞれの可能 性を持ちながら、それを見失っているように思 えてなりません。人間をもっと広く捉える教育 がなされるようになると、日本はもっと住みよ い国になると思います。人間は言葉を持ち、言 葉以外の混沌の体験を持ち、そして、動物であ ることを知らねばなりません。今、もっとも忘 れられているのは、人間は動物であるというこ とではないかと思います。それは自然を忘れる ことでもあります。

人間は死ぬまで子供である

心の病気が治るとは 心の病気が治るとは、いったいどこで決める のだろう。子供の患者さんを治療していておもう のであるが、両親の治癒判定と精神科医の治癒判 定が違うのである。例えば、学校に行けなくなっ た子供の場合、学校に行けるようになることが、 両親の治癒判定であり。そうすることに役立った 医者が名医であり、そうでない医者はヤブになる のである。学校に行けるようになって、すべてが 解決したのでなく、問題の根は、かえって深くな っていることもあるのである。 心は死ぬまで成長する。体は大人になっても 心の中には子供のままのものがある。それは死ぬ まで子供のままのことがある。心も、物に掴まっ て立つだけではだめで、自分で立ち、自分で歩き、 自分で進む方向を決めなければならない。心が治 癒するとは、心がそのような自立性を持ち、安定 した動きをする事だと思う。



親は子供に何を求めるのか

子供を持つと親は突然親にならなければなら ない。心はまだ子供であるというのに・・・。 子供のまま親を演じなければならないのである。 子供のような親に育てられた子供はなかなか大人 になることが出来ないのでないかと思う。 親の欲望はエスカレートする。病気であれば 健康に、健康であればたくましく、たくましいと 頭の良い子に、頭が良いと出世をしてお金をたく さん得る子供に・・・・。欲望は際限無く広がる。 親がしなければならないのは、木を育てる心を持 つことである。太陽の光と豊かな大地と必要な水 を与えること。枝がどこに伸びるか、どんな花を 咲かせるか、どんな実をつけるか・・・はあまり 重要ではない。たくましい根を育てること、幹を 枝を支え、どんな強い風が吹いても倒れない木(子) に育てることが一番大切なのである。一般に、親は 花や実を、木の高さや枝振りの良さばかりに神経を 使い、根っこのことを忘れがちである。

神戸市須磨区の事件について

この事件については、事件を起こしたのが 思春期の子供らしいというがとてもショックでし た。思春期というのは、それだけでとても心に負 担をかけるものです。いろいろの心の病気が、こ の時期に発病することが多いことからも分ると思 います。事件は、多元的な原因が重なった最悪の 状態で起こったのでないかと思います。その中で も思春期というのが、私は一番大きな大きな原因 と考えています。この時期をなんとか通り越して いたら、こんな事件は起こらなかったのでないか と・・・・悔やまれます。家族関係に原因を求め る人も多いですが、その裏にある社会病理の存在 を無視してはいけないと思います。現代の日本人 の心の構造とそれに影響を与えている社会の構造 にも焦点を当てる事が大切です。この事件は他人 事でなく、自分の問題でもあるのです。

自分を知ることは難しく、自分を変えることはもっと難しい

自分の事は自分が一番知っていると思っ ている人がほとんどでしょう。しかし、一番自分 の事を誤解しているのが自分というものです。 なぜなら、人は自分を客観的に見るのでなく、主 観的に見ているからです。主観というのは、サン グラスのようなものです。肉眼で見ていると本人 は思っていても、実際は自分でも気がつかないサ ングラスをかけているのです。このサングラスを とることが悟ると言うことかもしれません。そし て、真実の自分を見詰め、そこから自分の行動を 決める事が大切です。しかし、悟っても自分を変 えることは極めて難しい事で、長い年月を要する、 恐らく一生かかる事ではないでしょうか。


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