帯状疱疹(Herpes zoster)闘病日誌2

体内から感染するヘルペスウイルス。初めて病気による本格入院。
なめてかかると一大事を招きかねないとんだ伏兵だった。
プロローグ 過労〜最初の異変
2009年12月5日(土)〜24日(金)
 12/5(土)、6(日):一泊ツーリング。集合は超早朝、道中は寒く、かつ超高速。昼から豪雨の為12時間宴会。翌日は早引きし、昼過ぎに帰宅し、静養。
 12/7(月)−11(金):通常勤務+スポーツジム。
 12/12(土):午後、茂木走行準備、夕方から飲み会、深夜帰宅。就寝は3時ごろ。
 12/13(日):午後、茂木走行準備、夜はスポーツジム。
 12/14(月):通常勤務+スポーツジム。
 12/15(火):早朝から北関東へ移動しイベント業務+スポーツジム。
 12/16(水):通常勤務+スポーツジム。
 12/17(木):休暇取得、午後まで休養。夕方からスポーツジム。夜に茂木走行準備のトランポ積み込み。
 12/18(金):早朝出発で茂木走行。あまりに低気温でタイヤを暖められず転倒。損傷箇所確認作業を兼ねて現地にて清掃実施。身体の負傷はなし。
 12/19(土):純正部品等発注、ホームセンターで具材調達、損傷修正作業、夜はスポーツジム。
 12/20(日):午後美容室でパーマ、夜はスポーツジム。このとき頭皮に違和感を感じるが、パーマ液のせいかなと。このころから、軽い偏頭痛。
 12/21(月):通常勤務+スポーツジム。頭部違和感と偏頭痛レベルに変化なし。
 12/22(火):早朝から北関東へ移動しイベント業務+軽く飲み会。頭部違和感と偏頭痛レベルに変化なし。
 12/23(水):夕方まで休養し夜スポーツジム。頭部違和感と偏頭痛レベルに変化なし。
 12/24(木):早朝から北関東へ移動しイベント業務+針灸院。頭部違和感と偏頭痛レベルに変化なし。
 12/25(金):北関東イベント業務(終日多忙)+夜スポーツジム。偏頭痛レベルは変化なし、夜になって眉付近にヒリヒリ感あり。
【解説】仕事は少々不規則で、場所と時間がばらつく程度。日課のスポーツジムはそのまま。バイク遊びと飲みに行くのがやや多い。いつもより少々タフな程度。毎日するべき事が決まっていて、気持ちの余裕は無かった気がする。
受診
2009年12月26日(土)
 朝起きると、眉付近がヒリヒリする。鏡でみると、赤い斑点や水ぶくれ、まぶたの腫れを確認。確認できないが頭皮のヒリヒリ感も同程度なので同じと思われる。まだ医院が開くような時間ではないので、今の内に近所の皮膚科を選んでおく。いつものかかりつけにも皮膚科があるが、皮膚科のみ掲げている医院を選択することにした。不吉な予感がする。簡単なアレルギーや虫さされなどではない。症状から、病名を探してみると「帯状疱疹」が濃厚。決定的なのは三叉神経第一枝に症状が限定しているところ。顔面神経麻痺、視力低下などの後遺症が出ることもあるらしいとな。
 診療開始は10時から。9:45分に着いて順番は8番目。10時半ごろ診察。結構若い清潔感のある医師でした。一目見るなり、後方から帯状疱疹の小冊子をとって、
 医師:「これですね、いつ頃からですか。」
 オイラ:「頭皮は1週間前くらいから違和感があり、眉付近は昨夜からヒリヒリし、今朝、水疱を・・・。」
 医師: 「今年は来週29日(火)が最後の診療ですけど、これますか。」「薬は直ぐには効きませんが、きちんと飲んでください。」
 29日の来院を確認し3日分の抗ウイルス薬、消炎剤、軟膏、眼軟膏を処方。念のため直ぐに眼科受診を指示された。眼科では進行は確認できず、普通の目薬のみ。イオンで食料を調達、土日引きこもれるように準備。帰宅し、昼食後、最初の抗ウイルス薬服用。就寝直前まで特に進行は確認できず。医師には特段指摘されなかったが、あえて飲酒の質問はしなかった。酒は非常に少なめにしておいた。しかし、飲酒が話題になるような軽いネタではなかった。このあと、しっかり禁酒生活が待っていた。
【教訓】三叉神経の帯状疱疹は、皮膚科のみならず、眼科、耳鼻咽喉科、神経科などの総合受診の必要がある。発症部位や症状次第では、最初から総合病院が良い。抗ウイルス剤は飲み薬より、点滴が確実。早期入院がもっとも手っ取り早いと思う。悪化や合併書などの急変に対応し易い。ちなみに、抗ウイルス薬が以外と高い。3日分消炎剤、軟膏、眼軟膏を合わせて4600円でした。
進行
2009年12月27日(日)
 昨日よりはるかに悪化。一部頭皮、おでこ、眉付近、鼻がしら、まぶたまでに疱疹。水疱から浸出液のところ、黄色い頭のようなニキビ状や赤い発疹。左顔の上半分から頭皮へ、つまり頭四半分が腫れている。まぶたが重い。眼が半分しか開かない。眉付近とおでこが結構ヒリヒリ痛い。発熱はなさそう。
 すでに外出する気にならない。今日は転倒の補修部品を引き取りにいきたかったがあきらめる。純正部品注文のバイク屋は明日までで、その後1週間休み。夕方には、翌月曜の休暇願い送信。これで自分も仕事納め。スポーツジムのコート予約も年内全部キャンセル。どこまで悪化するのか不安が増す。
入院
2009年12月28日(月):入院1日目
 さらに、加速度を増して悪化した。顔四半分が晴れて熱を持っている。ほとんど寝れないので、朝の分は3時に服用。これで丸2日分服用完了。左眼は9割方腫れたまぶたで塞がれた。メガネのかかる鼻の部分もでき物、腫れともひどい。できるだけメガネをかけない。多分発熱もありそう。症状の拡大、悪化の傾向は止まらず、次の手を打たねばならない気がした。
 このままの傾向が続いて、約束の明日の診療まで放置したら、自力で日常生活がこなせない可能性が出てきた。
 未明から短期入院の準備。下着類、タオル、歯ブラシ、緊急連絡先、印鑑、現金(想定は数日程度)。本来なら、当初の皮膚科で相談し、紹介状を持って総合病院へ行くべきだが時間の余裕がない。皮膚科は10時から診療開始。総合病院の初診は11時までで、しかも、本日が年内最後の診療日。総合病院の科目を調べると、必要そうなのは全部あった。数日分の着替えを持ってタクシーで総合病院へ向かった。
 9:45分初診手続き、皮膚科受付が9:55分、診察は混雑の為11:00を過ぎていた。服用している処方箋を渡し経過を説明すると、
 医師 「このまま入院できますか?」
 オイラ「そのつもりで準備してきました。」
 院内感染防止のため個室限定とのこと。(差額は3日分だけサービスしてくれるとのこと。)それなら、それは気ままに過ごせてイイ。もはや費用より早く安全に回復したい。でも3日じゃ出られないという事かも。
 12:00ごろ入院手続き終了、採尿、採血、胸部レントゲンと検査し個室病棟へ移動。血糖値測定キット(指先から血液採取する)で血糖値検査し、15:00抗ウイルス薬の点滴開始、点滴したまま、頭部CT検査へ。回診にて心電図測定。看護婦さんにつれられて病院内あちこちいっていたので気がつかなかったが、独断で病室を出てはいけないとのこと。軟禁状態。院内の売店どころか自販機もダメ。ペットボトル一本もっていない。外へいって喫煙などは不可能。これはまいった。
 20:00から2回目の点滴中に、眼科の回診。まだ角膜感染等はないらしい。処方は抗ウイルスが点滴へ、消炎剤はステロイド系、ビタミンB12剤が加わった。眼軟膏、点眼薬は全く同じ。なりより、3食ついて、看護婦さんが時々やってくるので、不安がない。就寝前に痛み止めをもらう。
 長引きそうな気配。治療の行程説明があって、標準が1週間で作られている。
 中長期滞在の資材準備の為、翌日の一時外出を打診(タクシーで片道20分弱)。
【解説】自分のかかり付けは別の近所の診療所。今回の皮膚科は初めて。地域の基幹病院になっている総合病院は以前に受診経験あり。
現金は6万もっていった。しかし個室は一日3.6万、薬価も高いので、外出時にもう10万引き出し追加。
2009年12月29日(火):入院2日目
 ほぼ塞がれていた目が少し開いた気がする。顔の腫れ自体も気持ち引き始めたかも。疱疹のピークのが見えた気分。どこまで悪化するのか不安だったが、少し気が楽。しかし、患部の痛みは減っていない。頭痛はやや増してような気もする。熱か痛みで増幅している気がする。熱は37度はじめから38度半ばで昨日より少し高い。点滴は9:00、14:00、20:00。10:00から神経科回診で、髄液検査。背骨から髄液を採取。採取後2時間絶対安静。夜になり髄膜炎は起きていないとの結果。いまのところ、重篤な合併症を回避できている。15時過ぎから外出許可。外へ出て先ず一服。スクーターで戻ってきた時の置き場の有無を確認して、タクシーで自宅へ。アジトで先ずコーヒーをいれ、タバコ。下着を着替え、必要品をとりまとめ、スクーターのシート下へ。そのままイオンで不足品と飲料,、食料を調達。不幸にもイオンの日、混雑のため非常に時間がかかる。おみやげ用芋ようかんとアルコールフリービールも追加。
 病院へはスクーターで挑戦。ヘルメットがぶるのがキツイ。顔の上半分がカナリ腫れている。左目がよく見えない。混雑のせいですっかり日が落ちてしまった。約束より30分遅れで戻りました。これで、1週間滞在可能になった。
2009年12月30日(水):入院3日目
 まぶたの腫れがひいてきた。熱も36度台へ。余裕が出てくるとたばこが吸いたい。症状のピークが過ぎたようだが、三叉神経第一枝範囲外の上唇の縁にぽつんと2つ小さい斑点が出た。一部は越境しているようだ。口の中の上あごの真ん中あたりにも違和感がある。口内炎みたいにしみることはないが、異物感がある。抗ウイルス薬の服用が2日、点滴が3日目に突入。まだウイルスの増殖は止まっていないと言うことかも。鼻の付け根のメガネを支える部分はほとんど良くなっていない。まだメガネは極力使いたくない。皮膚科回診では、おでこの状態は良くなっているとのこと。2日目から患部はガーゼの下なので自分で見ていない。明日朝のシャワーの許可がでた。
 テレビと新聞のみの軟禁状態なので時間をもてあます。イーモバイルと薄型ノートが役に立ちます。
2009年12月31日(木):入院4日目
 もう少し急速に回復してくれるかなと思いきや、症状緩和は少しずつ。個室の居心地はまぁまぁなのと、仕事も休みなので結構お気楽で過ごせる。
今朝は久々の入浴。設備はビジネスホテルの風呂とほぼ同じ。カーゼの下のおでこや眉付近を数日ぶりに観察。なかなか豪快。顔の腫れ自体もまだはっきり確認できる。
 点滴4日目。退院はどう見ても無理、明日も無理だろう。腫れの引きが判断ポイントかな。熱も微妙に下がりきらない36度後半(平熱は前半)。うまいコーヒー飲みながらたばこを吸いたいので、30分の外出許可とったが、なんとドトールが年末年始休みでドボン。木枯らしが顔にしみた。
2010年1月1日(金):入院5日目
 6:40ごろ、看護婦さんが起こしにきた。日の出だという。廊下の端から初日の出がくっきりみえてきたらしい。慌てるように教えに来てくれたが、部屋から出てはいけないことに気づき、ごめんなさいと謝っていった。入院最初の担当看護婦で、昨夜から夜勤。お茶目な感じが落ち込んだ気持ちを和ませてくれる。結構お気に入り。
 点滴5日目、腫れ具合はピーク時の20%程度で昨日より僅に改善。かさぶたの一部にはがれ始めた。9:00の点滴中、皮膚科回診。患部を確認し、点滴はこれで終了にしますとのこと。水疱が見あたらず、疱疹が乾燥すると感染力がなくなる。軟禁解除イコール退院可能ということらしい。患部の治療のために入院継続でも、個室の必要はないということだ。抗ウイルス剤は服用が丸2日(処方は3日)、点滴が丸4日だった。自発的検温では36.8度でまだ平熱とはいえない状態。
 禁酒禁煙からの解放と3食看護婦さん付のひきこもり生活とを天秤にかけると判断難しいところだが、退院を希望した。このフロアは個室専用フロアなので、他の病室に移ると言うことは違うフロアへの引越を意味する。同様の快適な環境は期待できない。朝の担当看護士交代後の急な決定だったので、お気に入りさんに挨拶できなかったのが心残りだった。昼食後すぐ退院。帰宅後、イオンが混雑する前にガーゼ、サージカルテープ、食料等を買い出し。再び自力で日常生活をこなせる体制を確保した。
【解説】通常外出許可は困難かもしれない。1回目は一人住まいで援助者なし、不足日用品を取りに行く目的で一時帰宅の許可(1時間半程度)。2回目はかなり緩和してきたこともあり、近所のコンビニと病院隣接のドトールへ行くだけ30分の許可。
入院費用は131,000円ほど、コレの内70.000程が個室費用なので、健康保険適用医療費は約6万。
退院後自宅静養
2010年1月2日(土):退院後1日目
 さて、アジト引きこもり生活。昨夜は薄めのアルコールを摂取して、23時頃睡眠で朝は7時近くまで熟睡できた。入院中は腫れの痛みや頭痛で4時間程度で目が覚めてしまってた。
 顔の腫れは僅かに改善かな程度。2つの大きいかさぶたはまだ剥がれそうにない。少しずつしか良くならない。左目の充血はほとんどわからなくなったが、顔の左半分が少し引きつっている。体温は終日36.5度を超えることはなかったようだ。
 抗ウイルス薬が1日分残っているので、自己判断で服用することにする。これで最大の7日分の適用だ。
 今日の駅伝は熱かった。4区まで明治大学がトップだった。
2010年1月3日(日):退院後2日目
 疱疹、腫れとも僅かに改善。入浴すると、かさぶたがいくらか取れて、その後が赤紫色になっている。
2010年1月4日(月):退院後3日目
 皮膚の状態は少しだけ前進。腫れはほぼなくなっている。顔左側が引きつった感じがあり、鏡でみると右側と比べ少し下がっている。本日でステロイド系服用は終了。残るはビタミンB12のみ。仕事始めだが、休暇取得。
通院
2010年1月5日(火):退院後4日目
 眼科、入院中の眼科回診後に既に担当医によって予約されていた分。眼球に少し疱疹を発見らしい。よって眼軟膏を継続。休暇は今日まで。
2010年1月7日(木):退院後6日目
 皮膚科の主治医の受診、B12を継続。疱疹は眉付近に最後の潰瘍を残し、かさぶたも剥がれ、赤紫色からシミのような黒茶色。顔の腫れは、よーく左右を比較して観察すると、判別できる程度。
 夜、針灸医へ。左首から肩のこり治療、発症時の症状から比較すれば、後遺症が少ないらしい。ぶり返す可能性もあるので、まだ運動は控えたほうが良いらしい。次回から顔も治療予定。
2010年1月12日(火):退院後11日目
 眼科、まだ眼球に疱疹が少し残っているらしい。自覚症状は涙腺の奥の方を圧迫しているような感じが残る。抗ウイルス眼軟膏は1日5回から3回へ減らし、継続指示。ぶり返すこともあるようなので慎重な治療方針。次回は2週間後。
2010年1月14日(木):退院後13日目
 皮膚科受診。それぞれの主治医の診察曜日がずれてるのが厄介。眉付近の大きさ潰瘍は完全に乾いた模様。疱疹発生箇所の皮膚感覚は少し鈍い。眼球疱疹の状態を伝えメチコ処方してもらう。眼科同様次回は2週間後。もうガーゼも軟膏も不要だが、傷あとは華々しく、衆目を浴びるので皮膚色の特大のバンドエイドに切り替え。
 夜は針灸医で、首、頭、顔へ集中攻撃。翌15日、偏頭痛はほぼ消失。初めて眼が痒くなった。疱疹の回復なのか、眼軟膏の副作用かは不明。3週間ぶりにジムで軽くリハビリ開始。やはり下半身の筋力が落ちている。
・・・・
*参考資料*投薬データ*
  あお◎◎皮膚科(初診処方1回のみ) 
 ファムビル錠250mg   1日3回   2錠   3日分   ファムシクロビル 
 ロキソニン錠60mg   1日3回   1錠   3日分   非ステロイド抗炎症薬 
 フェナゾール軟膏   1日1回   適量   1本   ウフェナマート50mg/g 
 ゾビラックス眼軟膏3%   1日3回   適量   1本   アシクロビル 
 クラビット点眼液   1日3回   適量   1本   抗菌作用 

  ◎◎大学付属東病院(入院時、入院中、退院時3回処方計) 
 ゾビラックス点滴静注用250mg   1日3回   1瓶  4日分   アシクロビル注射用 
 リンデロン錠0.5mg   1日1回   2錠  8日分   ステロイド消炎剤 
 ガスターD錠(20mg)   1日1回   1錠   8日分   消化性潰瘍用剤 
 メチコバール錠500μg   1日3回   1錠   12日分   メコバラミン 
 コンベック軟膏   1日1回   適量   2本   ウフェナマート50mg/g 
 ゾビラックス眼軟膏3%   1日5回   適量   1本   アシクロビル 
 クラビット点眼液   1日3回   適量   1本   抗菌作用 
 ※就寝前の痛み止めについては薬剤名失念 
 ※退院後の通院では点眼薬やメチコバールを追加処方 

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