本の中のドイツ語





実は、お世話になったアシャッフェンブルクの犬学校の人たちにも読んでもらえるように、
欲を言えば、「旅は犬連れ」は、日独対訳で出版したかった。
でも、なにしろ、対訳にするためには、ページ数が倍になるし、ドイツ語訳をきちんと
作成しなくてはならない。結局、予算・時間の都合で日独対訳本にすることは断念しました。

それでも!少しだけでもドイツの友人にも楽しんでもらいたい!という、わがままを反映して、
カバーには著者名をアルファベットでも記載し、SchaliAschaffenburgという文字を配し、
帯を取った下にもドイツ語の文章を加え、本文中の写真のキャプションはドイツ語をちりばめてみました。

出版するとなると、日本語もドイツ語もきちんとした文章でないと笑いものだ。
ということで、ドイツ語のチェックを頼んだのが、会社の同僚のDietloff。
嫌な顔ひとつせず、一緒にベストな訳を考えてくれました。
本の129ページにもDietloffへの感謝の気持ちを表しましたが、ここで改めて「ありがとう!!」と言いたいです。

ところで、帯を取った下の文章、
”Wenn ein Hund eine Reise tut, so kann er viel erzaehlen”
この意味は????

実は、帯の日本語の訳ではないんです。
「旅は犬連れ」というタイトル。
日本人の方ならすぐ分かる「旅は道連れ」をもじったもの。
これをドイツ語で説明するのは至難の業。
そこでDietloffと話していて思いついたこと。
ドイツ語でも、旅にまつわる言い回しはないのか???

すると、ありました。
”Wenn jemand eine Reise tut, so kann er viel erzaehlen”
「旅をすれば、何かと話の種ができる」 (クラウン独和辞典より)

おお、ではこれをもじってみましょう。
主語を人ではなく犬にしてみました。こうしてできあがったのが、帯下の文章でした。
”Wenn ein Hund eine Reise tut, so kann er viel erzaehlen”

ドイツ語に縁のない方には、かえって邪魔なドイツ語の散りばめられた文章ですが、
わたしには重要な言葉のかけらです。
どうか、目をつぶってくださいませ。


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