2月号

四日市港・富双突堤     山口 一郎太


 最近,私の愛する四日市港がゴジラによって破壊されてしまったらしい。 これは映画の話。
 冗談はさておき,冬の伊勢湾の波止場は非常に釣りづらい。
西に鈴鹿山脈,中に伊勢平野,そして東に伊勢湾があり,冬にはかなり 強い鈴鹿おろしの西風に苦しめられる。風が強いと,竿さばきや振り込み などがやりづらくなる。
そればかりでなく,山から海に向かっての風は海水温を下げ,魚が逃げる とベテランの釣り師から聞いたことがある。

 ■富双突堤
 このような冬場であっても,狙って釣れる魚にアイナメがある。 11月の時点では,私は25センチであるが,30センチを超える ポン級が上げられるのを二回見た。昨年の2月ごろにも,連続して ポン級を上げている人を見ている。
 場所は,四日市港の富双突堤である。突堤先端の東側がポンの釣り場 である。

 海面まで2〜3メートルあり,ポイントはやや沖めだ。長めの竿 (5.4〜6.3メートル)がよいと思う。 季節風が吹くころでもあり,テレガイドでは糸がからんで釣りづらい。 Uガイドか,できれば中通しの竿であればトラブルなく釣りに専念できる と思う。
 餌は虫よりも生きエビかボケの方がよいように思われる。

 ポイントは5〜10メートルぐらいの沖めで,遠投の必要はない。 それでも直下というわけでもなく,小型のスピニングリールが使いやすい。 オモリは1〜3号のブラクリか,西田式ブラーが適している。
 当然であるが,アイナメの住み家である捨て石が多い。
 根はかなり複雑になっているものと思われ,オモリは底を這わさないこと。 竿を大きくしゃくり,一気にリールを巻き上げるのが根掛かり防止の一つの 手である。
 さて,ボケなどの餌をつけて7〜8メートル先に振り込む。モソッとした アタリがあれば,竿をほんのわずか引き上げる。アイナメは必ず追い食いを してくるので,そこが勝負の分かれ目である。

 掛かったと思ったら,一気に竿を立ててリールを巻く。早過ぎると 空振りとなり,遅いと根に入られてしまう。ほんの一瞬の差である。
 根に入られてもそのまま5分ほど待ち,再び動き出したアイナメを上げた 人を見たことがあるが,その5分間はとても長く感じられた。
 しかし,上げられたポン級のアイナメを見て,周囲の釣り人が 賞賛の声をあげたのはいうまでもない。

 ●釣行メモ
 夕方の5時から朝の8時ごろまではゲートが閉まり,車の出入りは できなくなる。駐車場にトイレあり。

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