はじめての方はもちろんのこと、経験のある方にもお勧めしたいちょいとしたステップアップの作り方のテクニック集です。
●モルト缶フックで楽々仕込み〜
(ワート溶液にあたるかもしれないので) 最後に缶全体をきれいに洗っておきます。 缶きりで缶詰の上部を一部を残して切っておきます。 2Lのお湯を沸かします。沸騰したら必要量の補糖を入れます。 入れ終わったらよくかき混ぜ、一度沸騰させてから火を止めます。 モルト缶フックを鍋の胴に取り付けます。(幅がある方を鍋にかけます) モルト缶の中身を落とします。缶ふたは90度よりちょっと外側に曲げます。 中身があらかた出たら、缶をフックに引っ掛けます。 このとき缶ふたがモルト缶自体を支えるような感じになります。 (缶ふたをつけるのがいやな場合は、あらかじめふたを切り取っておきましょう) このまま5分から10分ほどおけば、中身がきれいにとれます。
●角丸発酵容器のお手入れ ー シーズン前後が効果的ですね 実際、消毒には皆さんかなり気を使っておられるようです。 今回はコックの内側のブラシでは洗えない部分の○秘テクニックを披露しますよ。 1.用具を準備しましょう −−発酵容器・メンテナンス用ブラシ(当店にて扱っています)・スポンジ・漂白液・中性洗剤・ウエスなどの柔らかい布・タッパ−など 2.発酵容器本体を洗います 汚れをふやかすためにコックをつけたまま、内側に水をこぼれるまで満たします。 フタも中に浸けておきましょう。 中性洗剤をひとかけ入れ10分ほどそのままにします。 (注:汚れがひどい場合は洗剤の代わりに、漂白液を少し入れましょう) フタを取り出して、柔らかいスポンジを軽くあてて内部を洗います。 発酵容器本体は、つるっとしていて非常に洗い易いですが、引っかき傷ができるとそこに 細菌などが忍び込みますので、硬いブラシでごしごしと擦ることは避けましょう。 コックを開けて水を通します。 中の水を全部出してから容器の外側を洗います。 取っ手付け根の出っ張り部分はブラシできれいに洗いましょう。 コックをはずして、取付部分の穴をウエスなどの乾いた布でよく拭きます。 3.フタを洗います。 フタの内側の溝部分は、メンテブラシで溝をよく洗います。 フタの両面をスポンジで軽く洗いましょう。 よく洗ったら、風通しのよい場所で本体共に乾燥させます。 4.コックを洗います。 コックはネジとパッキンをはずしタッパーに入れ水と洗剤もしくは漂白剤を入れ10分ほどつけおきします。 漂白液につけておいたコックをよく水洗いします。 メンテブラシを使ってコックの口の中、根本の穴、コックのねじ部分をきれいにします。 終わったら水洗いをして、よく水を切り乾燥させましょう。 5.コック内部の汚れに関して コックは従来型・細口タイプ共に本体部分が2ピース構造となっています。 そのため発酵で使っていますと、内側におりがつきますがこの部分はブラシは使えないため洗うことができません。 そこでお薦めするのが超音波洗浄器です。 一般的にはメガネや貴金属の洗浄に使われますが、コック内部の汚れにも威力を発揮しました。 10分程度の洗浄でほぼ内部もクリアになりました。 (実際使う場合は5分後に位置を前と変えてさらに5分かけて下さい) 6.仕込み直前の消毒 専用発酵容器は、使う寸前に内側をアルコールスプレーで数回吹き付け全体をむらなく消毒します。 (当店扱いのアルコールスプレーの場合は、若干溶液が残っていても人体に無害です。それ以外の消毒液を使われている場合は、注意書きをよく読んでご使用下さい。)
●筒型発酵容器お手入れ − シーズン前後のお手入れで よりクリアなマイビアを! 楽しみにしていたマイビアの味が、なんとなく雑味がしたりカビっぽかったりすると悲しいものがありますね。 発酵温度も重要ですが、実は作成器具の掃除(消毒)も非常に重要です。 とりわけ発酵容器は、ワート溶液が直接触れるので注意が必要ですね。 続けて仕込んでいるときはそこまで掃除をしなくても大丈夫ですが、シーズンイン時には是非きれいに掃除をしてやりましょう。 掃除のポイントは、コックの部分やふたの裏側などの盲点部分です。 1.用具を準備しましょう −−発酵容器・メンテナンス用ブラシ(当店にて扱っています)・スポンジ・漂白液・漂白時のタッパ−など 2.専用発酵容器のコックを消毒します コックの内側のねじを緩めてコックを取り外します。 パッキンも取り外します。 タッパ−に薄めた漂白溶液を入れてコックを30分程度浸します。 ノズルも一緒に入れるといいですね。 3.容器全体を洗います。 専用発酵容器本体は、つるっとしていて非常に洗い易いですね。 ふたの裏側はスポンジでよく洗いましょう。 ただプラスチック容器は引っかき傷ができやすいので、硬いブラシでごしごしと擦ることは避けましょう。 引っかき傷に雑菌が忍び込みます。(痛んできたら取り替えましょう) ワート溶液に直接触れる場所ではありませんが、取っ手の付け根部分の裏は汚れがたまりやすいのでメンテブラシできれいにします。 よく洗ったら、風通しのよい場所で乾燥させます。 4.コックをブラッシングします。 漂白液につけておいたコックをよく水洗いします。 メンテブラシを使ってコックの口の中、コックのねじ部分をきれいにします。 終わったら水洗いをして、よく水を切り乾燥させましょう。 5.ポリタンクの場合 ポリタンクは、本体自体に結構凹凸があり、きれいに洗うのはなかなか難しいです。 容器を透かし、汚れがついていないかチェックしながら洗っていきましょう。 凹凸部分にこびりついている場合も多いのでちょっと力を入れてスポンジで洗うといいですね。 盲点はふたの裏です。結構かびていたりします。 ふたについているパッキンをはずして、漂白液につけて消毒します。 30分ほどつけたら、水洗いをし、ふた裏のねじ部分などを中心にメンテブラシできれいにします。 終わったら水洗いをして、よく水を切り乾燥させましょう。 6.仕込み時のポイント 専用発酵容器、ポリタンクとも、使う寸前に内側をアルコールスプレーで数回吹き付け全体をむらなく消毒します。(当店扱いのアルコールスプレーの場合は、若干溶液が残っていても人体に無害です。それ以外の消毒液を使われている場合は、注意書きをよく読んでご使用下さい。)
モルト缶を使って造られている方は、使用するお水はそのまま使っている場合が多いと思います。 ワート溶液を造る時点で、お水をいったん沸かしますので、その段階で滅菌できているのですが、問題は発酵容器にあらかじめ入れてある大量のお水ですね。 実は、マイビア造りではこの全量殺菌はとても重要なことなのです。 とりわけ、季節によって出来上がりにむらがあったり、湧き水などをよく使う場合には要注意です。 実は水道水といっても細菌がいないわけでもないのです。 水質検査では、一般細菌と大腸菌群の項目があって、一般細菌の適合基準は100個以下/mlだったと思います。 湧き水となれば、たとえ同じ場所でも季節によってずいぶんとばらつきがあるものです。
というわけで使う水の全量殺菌がお勧め。
湧き水の殺菌はそういうわけにはいきませんので、鍋を使うことになります。
●よりクリアな仕上がりになるダブルステージ発酵に挑戦! また、ハーフ&ハーフの挑戦もしやすくなります。 ぜひ一度挑戦してみて下さい。
早いうちにワートをこのオリの臭いなどから分離できますので酵母臭が少なく、オリの混じりもすくない仕上がりになるわけです。
使う量はグラニュー糖・上白糖・きび糖・三温糖などは、瓶詰め時と同じく100ccに0.6gの割合で入れます。(13リットル時ですと78g程度となりますね) 蜂蜜を使う場合は砂糖の約2倍の数値のccを使います。(13リットル時ですと150cc) メープルシロップを使う場合は約2.5倍使って下さい。(13リットル時で200cc)
さらに、他の銘柄との組み合わせた自分だけのオリジナルレシピを考えられている場合にも この手法でおりを除けば、瓶詰め直前に混ぜやすくなるので、これまたお勧めですね。 (ハーフ&ハーフは別立てにて紹介します)
なお専用発酵容器から、他の容器に移す場合は、当店販売の「専用発酵容器用詰替チューブ」を使うと便利です。
ホップ添加のモルト缶でも、仕込んでいるうちに香りはどんどん逃げていきます。 同時期に造ったホップ添加と無添加を飲み比べてみると、ホップを追加したほうが、味香りともにより飲みやすくなりますね。 ではホップをどのように入れたらベストか探ってみましょう。 市販のホップは3種類程度あります。 1.ペレット状−見た目はうさぎの餌のような緑色の円柱状のものです。 一般的には品質が一定しているといわれています。 2.乾燥ホップ−まさにホップの雌花を乾燥させたそのものです。 弱点はかさばるのと、その分酸化しやすいので短期間に使わないと香りが落ちていきます。 3.圧縮乾燥ホップ−2.を圧縮したもので、乾燥ホップの弱点を克服した優れものです。ほんの少片を使っているのにぶわっと広がってもとの雌花に戻るのは感動ものです。 ホップを入れる目的は次の2つですね。 1.苦味を加える 2.香りを加える もともとホップは、防腐効果と変質防止性で広く使われるようになったのですが、その苦味と香りがビールの味に非常にマッチしたのです。 苦味と香りの成分はそれぞれ違います。 苦味成分は水に溶けにくい性質がありますので、30分から60分程度煮込む必要があります。 香り成分は水に溶けやすいばかりか揮発する性質がありますので、ぐつぐつ煮込むと成分が飛んでしまいます。 苦味のために使用するホップを「ビタリングホップ」、香りのためのホップを「フィニッシングホップ」と呼びますが、煮立てる時間が違うのがその違いです。 さて今回紹介する方法はより香りを際立たせる使い方です。 もっと苦味がほしい方も、参考にして下さい。 一般的なホップの使用方法としては、モルト缶の中身をお湯で溶かしてから、ビタリングホップを投入して何十分か煮込んだあと、火から下ろす最後の数分間フィニッシングホップを投入し香り出しします。 ワート溶液に投入するこの方法は楽なのですが、次の問題点があります。 1.煮込むことでワート溶液がカラメル化しやすい 2.もともと添加されていたホップの香りがどんどん逃げていく 3.ホップ自体にワート溶液がしみこむ 4.ワート溶液が濃い為、浸透圧の差で成分が溶け出しにくい しかも仕込み時にホップを添加した場合は、一次発酵期間中に二酸化炭素と一緒に香りが逃げてしまうという欠点があります。 そこでお勧めする方法は、ホップの添加と仕込み工程とはまったく切り離して、ホップ溶液を瓶詰め寸前に入れる方法です。 香りを主体とした使い方で説明します。 1.瓶詰めまでは、従来と同じ方法で仕込みます。 ただ仕込み総量はホップ溶液分少なくしてください。 2.鍋に1リットル程度の水を沸かします。香りを重視したい場合は80度程度が理想。 鍋の底に小さな泡が立ってくるのが大体70度ですので、それから少し経った位ですね。 3.火を止めてホップ(10-15g:ホップ添加のモルト缶を使用時)を投入します。 圧縮ホップが戻るようにかき混ぜてから鍋に蓋をし、数分(5分程度)そのままにします。 4.時間がきたら鍋を水を張ったボールに入れて冷まします。 5.ホップをざるで取り除きます。お茶パックなどのろ紙を使うのもいいですね。 6.このホップ溶液を瓶詰め前の発酵溶液に入れておしまいです。 苦味がほしい場合は2.3.の工程で1時間程度煮込んで下さい。 上記方法ですと、香り用のホップ溶液をとった後に、同じホップを使ってビタリング用の溶液が取れるという誠に経済的?な(一説にはケチ〜という説も)手法も考えられますね。(ちなみに分けて使うほうがよりおいしいですよ) なにはともあれ、さらに美味しくなるホップをぜひお試しあれ。
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