ビールつくりでの補助暖房 一次発酵編


ホットクッションは使えるか!?一次発酵編
ホットクッションを使った一次発酵実測データについて
二次発酵で紹介した50Wのホットクッションはなかなかよかったのですが、 一次発酵で使うにはちょっと強いかもしれないなあ と思案していたところ、 ホームセンターで20Wと40Wの切替スイッチがついたものを売っていたので、早速試すことにしました。 10日間発酵させた実測データを公開します。
結果的にはなかなかよろしいです。
筆者の環境では22℃〜24℃台を保っていました。
ただ使用環境によっては温度の上下がありますのでその点はご留意ください。

1.実験用器材  
使用したホットクッションは20Wと40Wの切替式を使用。
このクッションは座椅子に置いて使用してもなかなか心地がよろしいです。

気になる電気代は、20Wにて10日間(240時間)使用した場合で、30円弱(1時間あたり0.15円×240)と想像以上(筆者の)にお安いです。(1kw=24円にて算出) 
ちなみに本体の購入価格は2500円程度です。

サイズは47cm×47cm 半折りで箱入りにて売っていました 切替スイッチ部分

2.実験スタート  
ワート溶液の温度は消毒したデジタル温度計を直接内部に入れて計測した。
計測ポイントは、ポリタンの底から10cm上部の部分である。
ポリタンの溶液量は17リットルである。
ホットクッションの下には、断熱保温用としてウレタンパッドのついている100均の竹マットを敷く。
計測期間中は、外側にダンボールをかぶせておいた。
サイズは奥43cm 横50cm 高さ40cm 厚さ4mmで、隙間はテープで目張りしておいた。

   

計測温度は8種類をチェックした。 
・ポリタン内部のワート溶液の水温及び前回計測時からの最大温度と最小温度
・ホットクッションの表面温度(ポリタンの底の中央部分にセンサー設置)
・箱内の空気温度(ポリタンの取手部分にセンサー設置)
・室温(床上40cm地点)及び前回計測時からの最大温度と最小温度

各温度をできるだけ1時間毎に計測した。
スタート時のワート溶液の水温は17.9℃
室温は15.2℃
実験開始日は12月17日 終了日は27日
計測期間中での日中は、ほぼ暖房を入れている。

3.実データ表
温度チェックシートは次のものです。



これではわかりにくいので、箱内の最大と最小及び室温の最大と最小を省いた分でグラフにしてみます。
なお期間中の室温の最高は19.7℃ 最低は5.2℃でした。



40Wを使用したのは、スタートから5時間と141時間目から145時間目までの4時間のみ。
それ以外は全て20Wにて保温した。
発酵溶液の水温とホットクッションの表面温度は相関関係が見て取れます。
箱内温度は室温の影響をかなり受けますが、発酵溶液の温度のために極端に下がることは無いようです。


4.総括  
溶液の水温の最大値は24.9℃でした。
発酵初期段階での温度上昇は、発酵による温度上昇と考えられます。
発酵期間中の温度の上下は5℃程度と考えてよいでしょう。
環境によっては春秋に室温で作るより、温度のぶれが少ないかもしれません。 
全期間を通じてほぼ20Wを使用しましたので、この程度の器材で十分かと思われます。

なお筆者の自家製発酵用水槽でも温度計測してみましたが、なんと温度の上下は0.5℃以内におさまっていました。
ここらあたりが手軽な温度管理の限界かもしれませんね。


注:電気の補助器具を使われる場合は、ビニルシートを上に敷くなどして水対策を行ってください。
(想定用途以外の使用となりますので濾水などで故障してもメーカーの保障対象外となります。−まあ 今まで漏れたことはないですが)



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