最新式のガスレンジを使っての煮込み実験


麺ゆで機能は使えるか? モルト缶の煮込み実験
モルト缶の中には、溶かした後に数10分程度煮込むレシピのものがあります。(エドメなどがそうですね)
ただこの煮込みは溶液の粘度が高いため、ちょっと目を離すすきに吹きこぼれることもしばし起こります。
そこで今回実験してみるのが、最新のガスレンジでの「麺ゆで機能」です。
説明書にはこう書いています。
「麺をゆでる時の火力を自動調節し、吹きこぼれを防ぎます。」
うーむ すごい。 電力のものならありそうな感じですが、この器具はガスを使ったものです。
はたして麺ゆで機能は使えるのでしょうかね。


1.実験の器材  
 
ガス器具はナショナルの家庭用ガスグリル付2口コンロ GT-W30DR です。
実験した2007年1月時点では現役販売の商品です。
右がハイカロリーバーナーで、麺ゆで機能は左の温度センサー付バーナーについています。
湯わかし機能や炊飯・揚げ物などの機能もついています。
コンロタイマーもあるのでなかなか便利ですね。

 


鍋はアルミ寸胴鍋(内径21cm 高さ18cm 厚さ3mm)を使用。(下左)
温度計測にはデジタル温度計(-30〜250℃の測定範囲)を使いました。(下中)
モルト缶はブラックロックのドライラーガーを使用。(下右)
その他攪拌用にロングスプーン、モルト缶の中身出し用にモルト缶フックなどを使っています。
モルト缶を溶かした後に、スプレーモルトを1袋(500g)追加しての実験もしています。

  



2.まずは実際に麺をゆでてみます
 
 
「麺ゆで」本来の機能を見てみます。
水から火にかけ、沸騰のブザーでスパゲティを投入。約8分間ゆでます。
その間の1分毎の温度データをとります。
その間はガス火力等の人為的な調整はしません。

    スパ投入時  


開始時の量は2リットル 水温は11.8℃ 室温は16℃です。
温度は温度計にて攪拌しながら計測しています。
鍋ふたは使っておりません。(塩は小匙1杯入れています)




開始1分後までは鍋自体に熱が取られているのか温度上昇は7度にとどまりましたが、
それ以降はほぼ1分間に10℃程度上昇しています。
9分20秒時点でブザーが鳴り、麺の投入時期を教えてくれます。
その時点の温度は98℃です。

ガスの火力はスタート時からブザーまでは火力5にて、ブザー後は3から5の間を行き来していました。
(説明書ではブザーが鳴る時は火力1になるとありましたが3でしたね)




開始から18分後に火を止めました。(自動で消火はしてくれません)
最高温度は101.5℃までとなりました。 
麺の投入後小さな泡が底から立つことはありましたが吹きこぼれするような状況はありませんでした。

 最高温度計測時

3.いよいよモルト缶の煮込み実験です 
 
「麺ゆで」本来の機能とはちょっと違うので、メーカーさんからお叱りをうけるかもしれませんが
その場にいての実験ですのでお許し下さい。
スパゲティと同じく、水から火にかけ、沸騰のブザーでモルト缶の中身を投入。約10分間火にかけます。
その後スプレーモルトを500g投入して10分間火にかけます。
その間の1分毎の温度データをとります。
その間はガス火力等の人為的な調整はしません。

開始時の量は2リットル 水温は12.2℃ 室温は16℃です。
温度は温度計にて攪拌しながら計測しています。
鍋ふたは使っておりません。
モルト缶の溶液温とスプレーモルトの温度は16℃です。




開始1分後と9分後にブザーが鳴り、モルト缶の中身を投入しました。
その時点の温度は96℃です。

 


10分後時点の計測はモルト缶の中身がまだ混ざってなかったので計測不可。
11分後での温度は65℃でした。
モルト投入9分後には96℃強にまで上昇し、スプレーモルト投入まで96℃程度を維持しています。

  


20分を過ぎた時点でスプレーモルトを投入。
液体ではないので、温度低下はほとんどありませんでした。
スプレー投入7分後には100℃を超えました。
実験終了直前には103.5℃まで上がり、細かい泡の層が温度計の下にかかるまで上がってきました。

  

4.総括  

麺ゆで機能は、火力調節はしてくれますが、火力を切る(0にする)ということはないので
溶液の状態によっては吹きこぼれることがでてくるかと思いますが、
モルト缶の煮込みには温度調節がそこそこ効いていて使えそうです。
  
ただスプレーモルトを投入した場合は、溶液中に細かい泡が混ざったような状態になりますので
確実に吹きこぼれてしまいます。(グラニュー糖を使った場合は不明)


『戻る』