クーラーバッグを使ったニ次発酵


クーラーバッグの威力を検証 ニ次発酵編
過去「ホットクッションは使えるか!? 二次発酵編」でホットクッションを使っての二次発酵データをアップしています。
その実験でビンを覆っていたのはダンボールですが、今回はそれをクーラーバッグに変えてのデータです。
クーラーバッグはイメージ的には主に冷たい飲料を冷たいまま保つ用途で夏に使われますが、外気温の上下変化の影響を少なくすると考えれば冬場の低い温度の時に使ってもOKですね。

今回の使用器材は当店で夏場に販売した8mmの発泡ウレタンを使った容量33リットルのものです。
発泡ウレタンの厚みが同じでしたら、類似品でもほぼ同じ傾向のデータになるかと思います。

1.実験用器材  
クーラーバッグは、過去当店にて販売したものを使用。
内側は袋状のビニル張りで取り外しもでき、小さく折り畳みも可。(ショルダーベルトもあり)
サイズは奥行き30cm 幅32cm 高さ35cmで2Lペットボトルを立てて6本入るものです。
ふたの裏側に保冷剤用ポケットがついているので便利です。

 

ホットクッションは縦横45cm角のもので、ヒーターは強40Wと弱20Wの切り替えがついているタイプです。
今回は弱20Wのみを使いました。
20Wですので、代わりにソフトアンカを使ってもほぼ同じ結果がでるかと思います。

  


温度計はデジタルタイプを2つ使用し、前回測定時からの気温の最低と最高温度も計測しました。


2.実験スタート
 
クーラーボックスは、窓際の南向きの室内テーブルの上に設置。
一次発酵を終えて瓶詰めした500ccのガラスビン16本とペットボトル14本の合計30本が今回の二次発酵対象です。
クーラーボックスを広げ、ホットクッションを入れます。
(横はほぼぴったりですが、前後があまりますので、ボックス内側に折り込みます)
最後にビンを入れます。30本の全部が入りました。(うーん すごい)

       

計測温度は4種類をチェック。
・測定時の室温(クーラーバッグより水平方向50cm地点を計測)
・測定時のクーラーボックス内の温度(ボックスの中心地点)
・前回測定時から今回測定時までの、室温の最大温度と最小温度

各温度を適宜に測定し、手動にてヒーターのオンオフをしました。
実験開始139時間目以降から終了の193時間まではヒーターはつけず、クーラーボックスだけにした場合の
温度変化を測定しました。
スタート時のビン内の液温は19.2度。
室温は16.1度
実験開始日は1月22日 終了日は30日
なお計測期間中に室内に暖房が入る場合もありました。

3.実データ表  
温度チェックシートは次のものです。

今回は、ビン内の液温を直接計測しませんでしたが、過去のデータからボックス内温度(中温度)から1-2度程度低い値になるものと推定されます。
4つの温度データを使いグラフにしてみました。
ヒーターがオンになっているのは、Y軸の5.0のピンク棒部分です。



139時間後からはヒーターは入れていません。
緑の折れ線が今回のターゲットとなります。中温度の最高が23.4度でした。
実際のビンの液温がそれより1−2度低くなることを思えば、もう少し温度を上げても
いいのですが、ヒーターの反応が思ったよりもよかったので上がり過ぎる前に止めました)
(ピンクのヒーターと緑線を見ると
わりとすぐに反応しているのがわかりますね)

4.総括  

ダンボール箱と比べると、クーラーボックスは外気温の影響は非常に少ないですね。
日中に陽があたっている場合でもほとんど影響はありませんでした。
その代わりボックス内にあるヒーターの熱の影響は大きくでます。
外気からの密閉性は思ったよりも高いです。
実験からの感じでは、夜寝る寸前にヒーターを入れ、朝起きたら止めるパターンがちょうどよさそうですが
室温によっても変わってきますので一概にはいえないかもしれません。
データとして面白いのは、ヒーターを入れなかった139時間目以降の中温度ですね。
214時間後は13.9度まで下がってきました。
どうも部屋の平均温度に添っているようです。
ラーガーイーストを使った低温発酵時において、液温を低く一定に保つのにクーラーボックスはかなり有効のような感じがします。


5.タイマーに関して

今回はヒーターを手動でオンオフしましたが、世の中には便利なものがあります。
左はタイマーを入れた時間後にオン(もしくはオフ)します。
中は設定した時間内のオンオフを日に最大2回まで繰り返すことができます。
右は極めつけで一日にオンオフの設定を最大94動作まで設定できます。

 
 

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