発酵用保温保冷BOX

イーストは温度の上下が大の苦手。

季節や気温が不安定な時期は発酵温度を一定に保つのが難しいです。

日中のワート液温上昇ではのぼせたり、夜間の冷え込みで風邪を引いたりします。

エイルイーストの発酵温度として理想的なのは21度前後ですが、たとえそれより高かったり低かったりしても温度が一定に保たれている方がイーストには心地よい環境といえますね。

 

寒暖の差が激しい早春や秋の冷え込みなどではダンボール箱をかぶせてやるだけでかなりの温度一定化効果があります。

 

過去に冬場用として発酵用ヒーターBOXを作りました。

合板をカットするそれなりの日曜大工でしたが、今回はプラダン(プラスチックダンボール)と発泡スチロールを使った手軽な工作にチャレンジします。

とはいえ外側のプラダンと内側の発泡スチロールの2段構成ですので採寸はちゃんとしましょう。

さて完成品の特徴は
1.とっても軽い(960g)

2.不要なときはばらせる(セロテープ止めなので)

3.市販のクーラーBOXよりもはるか強力(厚み3cmのものを使用したので)に温度をキープ

4.設計段階では好きな大きさに、また完成後でも後で小さくはできる

5.一次発酵用にも二次発酵用にも使用できます。

 

ただし

厚みが3cmとプラダンの厚み0.4があるので 上下左右ともに約7cmと発酵容器よりも一回りでかくなる

ということにはなりますが。

  


容器サイズは5リットルから25リットル(エアーロックなし)まで対応しています。
15・20リットルではオプションのエアーロックを取り付けたままでもOKです。

              

 

作成に必要なもの・準備するもの

 

発泡スチロール 外気温と中を遮断します。厚いほど熱が伝わりにくくなります。
厚さは1cmから6cm程度まで各種あります。
今回は3cmの910mm×1820mmを使用。
プラダン 発泡スチロールだけではもろいので、外側に覆います。
断面はダンボール状に穴が開いています。
薄さや色はいろいろあります。今回は4mmの900mm×1800mmを使用。
接着用品 プラダンと発泡スチロールは15mm幅の両面テープで、
プラダンとプラダンはセロハン
テープでとめました。
蓋の部分の開閉用に50mmのPPテープを使っています。
工作用品 カッターナイフ・巻尺・マジックなど
   
その他 エアーロックやコックキャップなどがあれば便利



1.作る箱の内側の大きさを決めます。


まず箱の内側の大きさを決めます。

主に発酵容器20Lで使用するとし、本体の外側サイズを測ります。
取っ手がついている側の幅が36cm 奥行きが34cm 高さが32cmでした。
幅と奥行きを36cmと統一してどの向きからも入るようにします。
さらに余裕分として2cm追加し38cmにしました。

高さはエアーロック装着を考慮しプラス5cm追加し、余裕として2cm追加
さらに保温剤や保冷剤を入れておくためのスペースとして4cm追加。
都合32+5+2+4=43cmとなります。
25L容器の高さは42cmですので43cmはなんとかぎりぎり入る高さです。

箱の内側の大きさは、幅と奥行きが38cm 高さが43cmとなりました。

もし25L容器を主に使われる場合でしたら高さを5cmから10cm(エアーロックを使う場合など)程度上げて下さい。


2.作る箱の外側の大きさを決めます。


箱なので6面体。上下・左右・前後の6パーツになります。

上下・左右・前後のそれぞれは同じ大きさにしてサイズ的には3パターンで設計します。

部材は発泡スチロールとその外側のプラダンの2種ありますので、それぞれのサイズを考えて見ましょう。

 

上下は正方形にします。

上下の発泡スチロールは内径の38cmに発泡スチロールの厚さが左右の2枚分で38+3+3=44cm

上下のプラダンは発泡スチロールと同じ大きさにしますので44cmとなります。

 

左右の発泡スチロール幅は内径の38cmに発泡スチロールの厚さが左右の2枚分で38+3+3=44cm

左右の発泡スチロール高さは内径の43cmと同じでOKです。

左右のプラダン幅は発泡スチロール幅と同じで44cmとなります。

左右のプラダン高さは上下の発泡スチロールとプラダンの厚みを追加します。

43+3+3+0.4+0.4=49.8cmとなります。

 

前後の発泡スチロール幅は内径の38cmと同じでOKです

前後の発泡スチロール高さは内径の43cmと同じでOKです。

前後のプラダン幅は発泡スチロールとプラダンの厚みを追加します。

38+3+3+0.4+0.4=44.8cm

前後のプラダン高さは上下の発泡スチロールとプラダンの厚みを追加します。

43+3+3+0.4+0.4=49.8cmとなります。

 

整理した各パーツのサイズ

上下の発泡スチロール:44cm×44cm が2枚

上下のプラダン:44cm×44cm が2枚

 

左右の発泡スチロール:44cm×43cm が2枚

左右のプラダン:44cm×49.8cm が2枚

 

前後の発泡スチロール:38cm×43cm が2枚

前後のプラダン:44.8cm×49.8cm が2枚

 


3.三面図

 

サイズは横44.8cm 奥行き44.8cm 高さ49.8cmの立方体です。



違う厚さの部材を使う場合は、再度計算して下さい。



4.部材を準備します



発泡スチロールもプラダンもいろいろ厚みがあります。
あらかじめどこに売っているかチェックした上で、作成する直前に買うといいでしょう。でないと結構じゃまになります。



5.板取図

板取図は、無駄なく部材をカットするためにも重要です。
今回は縦と横をさほど気にしなくてもいいですが、ものよっては考慮します。
板取図ができたら部材にカットラインをマジックで引きます。
それぞれの部材が切ったあとにすぐわかるように 左右前後上下と部材にメモ書きしておいて下さい。

(シールを貼ってもOKです)




 

 

 

6.カットします

カッターを使ってカットします。プラダンはゆっくり引いていくときれいに切れます。

発泡スチロールは一回で切ろうとせず2−3回でカットする感じでカッターを寝かせて引くと綺麗に切れます。
(下図はプラダンです)



7.プラダンと発泡スチロールをとめます

プラダンと発泡スチロールを場所毎に一緒にします。
簡単な物から作っていきましょう。


 
       

まずは上下から

プラダン側に両面テープを貼り、裏紙を剥がしてから発泡スチロールをつけます

前後と左右はプラダン側に発泡スチロールの張り合わせ場所を線引きしておきます。


   


8.組み立てて完成

左右前後を組み立て、下をはめ込みセロテープで止めます。

上をはめ込み一辺だけ50mmのPPテープで止めて蓋にして完成です。
内部にはなにも入れなくてもOKです。

冬場は湯たんぽなどの熱源、また夏場は保冷剤を入れて使用してもOKです。

  

 

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