エアーロックにトライ!

はたしてエアーロックは本当に必要なのか?

というのが最近の大いなる疑問です。

と言いますのも、1次発酵で発生する二酸化炭素は空気より重いため、ポリタンの蓋を開けたくらいでは、外の空気とは混ざらないからです。

実際、ポリタンでの作成の折、発酵途中で5回程度空け締めし、瓶詰め寸前にローソクを使ってポリタン内に入れる実験をしてみましたが、炎が口から入った途端に消えました。

もちろん、エアーロックを使わない場合はポリタンの蓋を緩めておかなければなりませんが。

さらに、エアーロックからぽこぽこ音が出なくなったからといって、完全に発酵が終わっているのか判断が難しいというのもあります。

発酵終了前となりますと、わずかな発酵状態が続いているので、エアーロックではなかなか見分けがつかないからです。

筆者は、発酵終了の見極めのために なんと聴診器を使っていたくらいですから。

(まあ、比重を計るという手もありますが)

 

とはいっても、

1.1次発酵期間中、蓋を緩めておくのはなんとなく気色わるい

2.虫でも入ってきたら困る

3.エアーロックのぽこぽこ音がたまらなくよろしい

というごもっともな意見もあるでしょうから、今回はエアーロックにトライです。

 

なお当店の専用発酵容器を使った場合には、エアーロックは不要です。

(しかしながら、発酵絶頂期はしばし蓋が持ち上がるのでなかなか往生しますが)

さらに 筆者はポリタン使用時には、内部温度を観察するため、デジタル温度計を蓋のヘリから通しています。そのため蓋のへりにわずかに隙間ができますので エアーロックは使っていません。

(というより全然用をなさない)              

 

作成に必要なもの・準備するもの

 

チェックバルブ 本来は熱帯魚の水槽の空気を送るポンプの途中に取り付けて、万一ポンプが止まってしまった場合でも、水槽内の水がポンプ内に逆流しないように内部に弁がついているバルブです。ホームセンターなどで熱帯魚売り場にに置いてある場合が多いです。
1つ2百円程度のもの。
ドリル刃 5mm〜5.5mm程度の直径のもの。
今回の工作では、手で回してもできました。
開ける対象が堅い場合は、ドリル本体が必要です。
フイルムケース 35mm用の円筒形の物で乳白色のものがよろしいでしょう。

 

 

1.本来はどんなものか紹介します

 

長さ10cm程度の大きさで1000円前後で、モルト缶を売っているお店においています。

下のチューブを覆うように円筒形の蓋が覆っています。使用時は内部に水を半分程度入れます。

下からの気体は通すが外部の空気は通さない仕組みになっています。

 

2.今回使用するチェックバルブ

市販のエアーロックは水を使って外気を遮断していますが、これは弁を使って遮断しています。

なんと言っても値段が安いことと、大きさが小さいので、取りつけてもでっぱらないのがメリットです。

 

 

3.では作ってみましょう

といっても、単に5〜5.5mmのドリルを使って、ポリタンの小さい方の蓋の真ん中に穴をあけるだけです。

本来はビニルチューブに通すので、両端は円錐形になっています。

そのため通す穴の厚みが薄いと若干、斜めになってしまいます。

形状からある程度はしかたないかと思います。

実用度に関しては問題なしです。

 蓋をきちっと締めた状態にて、内部の発生した二酸化炭素は放出して、外気は遮断します。

 取り付け時は INと書いてある方を下側に OUTと書いてある方を上側にします。  

 

 

4.ぽこぽこ音を聞きたい人のために

「実用度はわかった。でもぽこぽこ音が聞きたい。」

と言う人のためのスペシャルバージョンです。

35mm用のフィルムケースを一つ用意します。

底の部分にドリルで穴を開けます。

キャップにキリなどを使って小さな空気抜けの穴を4つほどあけます。

先ほどのエアーバルブにさしこみます。

半分ほど水を入れて、キャップをしめます。

これでOK。

市販のエアーロックは、どちらかというと「ボコッ (しばらく間があく) ボコッ」と二酸化炭素が抜けていきましたが、このスペシャルバージョンでは「ポコポコポコポコ」と子気味よい音がします。

 

フイルムケースとチェックバルブのジョイント部分は、透明ボンドを使って接着しておく方がよろしいでしょう。

 

 

今回の作成したものと、市販品Aとの大きさ比較。

バルブ単体だけだと非常に小さいです。

実は、夏場にクーラーケースに入れて保温しておくときにはこの大きさは助かります。

(蓋が締められるので)

 


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