読感04年03月

04/3/10読了『手形・小切手法の解説』
 薄い本の割りに読み応えがあります。忘備的に以下のことを書き残しておきます。
1)引受呈示の絶対的禁止(22条2項)
2)一覧払手形の呈示期限
3)金額訂正の不可(約束手形用法5)
4)小切手取立の裏判の慣習(隠れた取立委任)
5)先日付小切手の期限前取立の有効性
04/3/14読了『人形式モナリザ』
 いつものごとく気に入ったフレーズです。
 「正当な理解は、正当な理解力が尽くされなければ、得られない」(p.26)
 「穴が開いていなかったら、きっと膨らみ過ぎて破裂してしまう」(p.366)
 「そうそう人から簡単にイメージされるほど、私、シンプルにできていないのよ」(p.379)
 ミステリィの解決部分もよいですが、こうした些細な台詞まわしも気に入ってます。
04/3/14読了『月は幽咽のデバイス』
 ちょっともったいないのですが、ストレス解消に2冊をいっぺんに消化です。
 「そういった自分の状況が他人に伝達することを恐れない精神機能を、一般に年の功と呼ぶ
のだろう」(p.72)
 「新しい情報だけで、新しい発想があるなって、思えないわね。情報は思考を限定するだけで
す。」(p.211)
 「完全な笑顔で相手を罵倒することができる。」(p.358)
04/3/16読了『天才数学者たちが挑んだ最大の問題』
 書いてあることの全部は理解できません。以下のこと以外は、伝記や歴史と同じ視点で楽し
めます。
1)複素平面
2)数論
3)楕円曲線
4)フーリエ級数および周期関数
5)奇素数および非正則素数
6)非ユークリッド幾何学
7)ガロア理論
8)アーベル群
9)保型形式とモジュラー形式
10)ディオファントス方程式
11)トポロジー
12)オイラー系
04/3/19読了『今夜はパラシュート博物館』
 今週は森博嗣ばかりです。気に入ったフレーズは以下の通りです。なお余談ですが、ついに
私も森博嗣の著作で誤植を見つけることができました。2004/6/12追記:もしかしてわざとこうし
た用語法にしているのかもしれません(森博嗣ならありうるかも)。
 
(p.26-27)
「ごめん。今度、倍にして返すから」
「どうやって?」
「だから倍にして」
「どうやって倍にするわけ?」
「濃縮して、高密度にして、倍速って感じかな。ぽーんと二倍だ」
「馬鹿!」
大きな空気の摩擦音。当てつけの溜息である。
電話が切れた。

(p.27)
「喜多先生、どうも申し訳ありませんでした。お忙しいのに」
「まあね」喜多は微笑む。「どこで忙しくするかは、選ぶ方だから」

(p.332 l.8)
誤:進行中
正:行進中

04/3/20読了『絶滅星群の伝説』
 なかなかよかった。シリーズの中でもっともよいと感じた。それも、このよさは他の巻も読まな
いと味わえない。
04/3/21読了『楽園宇宙の伝説』
 超能力者が差別されるということとその結果としての超能力者の性格形成についての認識は
感心した。ただし、主人公の活躍にみられるご都合主義は、リアリティがなく好ましいと思わな
かった。
04/3/28読了『経済史の教訓』
 素人には論理に飛躍が多くて読みにくい。ただ、「戦後日本の金融政策とマクロ経済」(p.71)
と「あとがき」は体系的な論理構成でよみやすくよかった。
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