読感03年03月

03/03/03読了『君主論』
 マキヤベリズムという語が、解説にもふれられていたけれど、マキヤヴェリの意図とはかなり
違う概念であることが、わかった。権力の源泉が物理的な力であることを前提として、独立と安
全を享受するために、君主がどのように振舞えばよいかが、記述されている。その中で、権力
者同士の抗争については「ライオンと狐」の比喩に示される権謀術数が効果的であることをの
べているが、そうした権謀術数を推奨しているとはとれなかった。その点よりも、君主の民衆へ
の関与の持ち方および軍事面における民衆の力を理解し、民衆との関係で適切な行動をとる
方策に重点がおかれている印象をうけた。
 この本がおかれた環境を理解できていないと確かに、誤解が生じるかもしれない。以下の二
点に留意が必要と思われる。
 第一に、君主に献呈された君主の心得書であり、共和国の指導者に提出された献策ではな
い点を留意する必要がある。すなわち、絶対君主国の国家基盤が安定するための方策を前
提に書かれている。国家のために、君主が振舞うべきことをのべているので、君主の徳の高さ
と言った精神性よりも、発生した問題に対してどのように対処するべきか(君主が国家にどの
ように利益を提供し損害を回避するか)が書かれている。
 第二に、君主国をもろ手をあげてよい体制であると主張していない点に留意する必要があ
る。歴史の過程で、君主国が発生する点は容認しているに過ぎない。君主国は結局、君主の
能力に依存するので、君主が無能ならば、国は傾くか君主がその座をおわれるかのいずれか
である。この点は、歴代ローマ皇帝の分析によって示されているように感じた。
 ※たしか、中曽根康弘元首相の座右の書であったと思う。いつか読もうと思っていて、ようや
く読了。外国軍隊に対する依存の危険性が『君主論』でのべられ自国軍の必要性が説かれて
いる点は、中曽根内閣時代の防衛政策にオーバラップする。
03/03/16読了『ウェブ日記レプリカの使途』
 こういう生活がありなんだと、この日記シリーズを読むたび思い知らされる。けれど、これが
生身の人間の日記である保証はあるのか?人のことをサイボーグなどといってネタにしておい
て、他人事を装っているのは、何のまねでしょうか?
 よいコメントが多いが、理解できないところも多い。ジョークなのか意味なし(オオタキヨシエモ
ンってどこへいったのでしょうか?)なのか不明なところがややストレスである。
 気にいったコメントを引用しておきます。
 「7月19日 本日の一言 『精いっぱい頑張りました』とは、締め切り間際で焦って手抜きで
片づけたという意味だ。」:上司がこういう認識で部下の仕事をみている人であるとよいなぁ…。
 「『困ったら聞けば良い』という考えは、もう古いです」:こういう思想の制度設計がされている
会社は制度管理・運用の仕事がしやすいだろうなぁ…。
03/03/17読了『ヴィラデスト菜時記 − 暮らしの輪郭線』
 「荒地の桑の木」の文書を読んで、昔を思い出しました。小学校の通学路に、桑が生えている
ところがあり、小学生のころは、つまみ食いしていました。その昔、養蚕が盛んだった名残で小
学校のころまでは、桑の木は点在していました。夏前には、アメリカシロヒトリがつくのでいやで
したね。
 それだけでなく、このエッセイを読んで、他にも小学校のころを思い出しました。諏訪神社の
参道の両側は麦畑だったし、友人T氏の前の住宅地は梅林でしたし、R寺の庫裏の奥は寒々
しい感じの竹林でした。小学校は桜がすごくて、花の終わるころに強い風が吹くと校庭がピンク
に染まるのは、なんともいえない光景です。そろそろ、春だなぁと、しみじみです。
03/03/20読了『思い込み「馬キャラ」分析』
 これはほとんど漫画ですが、漫画欄でなくこちらに感想を。競馬にミーハーな関心があれば
面白いと思ふ(>自分)。
03/03/21読了『汝みずからを笑え』
 なかなかおもしろかった。
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