03年07月
【2003/7/1産経 朝15版】
1面@
 「人民元上げ 米が圧力」との記事あり。スノー財務長官が中国の為替制度の見直しに言及
したことをとりあげての記事の模様。
1面A
 ジェンダーフリーの安易な使用をやめるようにとの方針を内閣府が、男女共同参画行政担当
者製作研修会で示したとの記事あり。政府がこのような穏健な方針なのはとくに問題ないと思
われる。記事中に「生物学的には男女に違いがあることは当然として認めた上で、性別にかか
わりなく、個人の能力を十分に発揮できる社会の実現を目指す」と方針は、男女共同参画の
根本であって、そこを否定する人はすくないと考える。また、ジェンダーフリーについて政府が
認めたわけではないので、政府の後押しがあることを前提として、ジェンダーフリーという概念
にあてはまる政策の推進はしないということは、当然のことと思われる。
 ただし、地方公共団体や民間団体が政府の施策に満足していない場合に、どこまで地方独
自の政策を容認するかという点に、議論の分かれ目があるものと考える。国はこれ以上のこと
はさせない趣旨で政策を実行しているのに、地方や民間は上乗せした政策等の実行は許され
ると解して、見解の相違が生じるケースは、男女共同参画だけでなく、多くの政策で問題となっ
ている。国・地方の関係では上乗せ条例や横だし条例の合法性の問題であろうし、民間に対し
ては政策の強制力の点で問題になると考える。
【2003/7/4産経 朝15版】
1面
 日立港の北朝鮮籍の船の座礁問題で記事あり。船が座礁したときの賠償問題は、以前から
の懸案だったと認識しているけれどどうなんでしょう?記事は北朝鮮問題とのからみで論じら
れているが、アラスカでタンカー事故やイタリアでの事故、日本海での事故など流出重油への
対応や撤去費用負担の問題などふるくから論じられている点にはふれられていない。
2面
 ジェンダフリーについての社説。「男女がお互いの違いを認め、それぞれの能力を十分に発
揮できる社会」とは具体的にどのような状態をさしていて、それを達成するためにどのような手
段があるのかについての産経新聞社としての認識が示されるべきである。認識されるべき能
力の違いは、社会において「発揮」されるようなものでしょうか?性に固有の差異は「発揮」する
までもないと自分は考えます。ですから、それをあえて「発揮」するということは、性に固有な男
女の違いを社会の中で積極的に特化させようと、産経新聞は主張したいのであろうと理解しま
した(拡大解釈しすぎでしょうか)。
【2003/7/5産経 朝15版】
1面
 尾道市教育次長が自殺との記事。自殺者が二人も出たという事実は重い。どうして教員側
から自殺者が出ないのか、ということを思うべきでしょうね。産経新聞は反教組の論調ですが、
問題の所在は他にもあると思います。単に、教組を追いつめることをして、代替手段や解決策
について無責任なのは、産経だけではないですけれどね。
2面
 公務員の退職金問題。一億円をこえる退職金受領について問題視している様子。産経新聞
の幹部は、影響力の点で公人と同等と考えられる。ということで、毎度のことだがマスコミ各社
は幹部の退職金を公表してみないさい!
【2003/7/9産経 朝15版】
14面
 正論:西村和雄京大教授「学力低下と無駄招く現制度」とのタイトルで教科書検定制度に対
する批判文。社会科にひきずられて、理科系の科目がとばっちりはうけるいわれはないとして
いる点はたしかにそうかなぁ、と感じた。
 ただし、検定制度はいらいないと前提はもうすこし検討する必要はあると思う。わざわざ時間
と費用をかけてするほどの価値は検定制度にはないと、私には断定できません。
【2003/7/12産経 朝15版】
1面
 桜内義雄元衆院議長死去との記事あり。
【2003/7/13産経 朝15版】
2面
 平均寿命のついての記事。男性の平均寿命が78.32歳で香港にトップを譲って世界第2位
になったとのこと。
【2003/7/15産経 朝15版】
1面
 九州で扶桑社教科書採択妨害との記事あり。とっている行動自体は右翼の街宣車と同じよう
な気がするが、扱いが違うのはどうしてだろう?マスコミが味方になるというのは心強いことだ
なぁ、と感心するしかない記事の大きさです。
 もちろん、意見表明に名をかりた妨害行為をすることの是非は別に考えないといけません。
ここまで極端でなくても、相手を納得させて合意点を見つけようとする民主主義的な視点が両
者に欠けているのは事実です。適正な手続や合意のための議論が失われたらどうなるかを考
えたら、横車を押すようなことはやめたらよいと思うのだけれど…。
3面
 イラク統治評議会が13日発足との記事あり。
【2003/7/18産経 朝15版】
2面
 北海道宗谷地方の校長会と教職員組合と間の主任人事につき交渉を行うとの確認書があり
不適切との記事あり。「労使癒着」となってあり、教職員組合だけでなく校長会に対しても批判
が向けられている文章となっている。
3面
 銀行への業務改善命令関係の記事あり。金融庁はトップの退陣を要求する場合もあるとの
記事となっているが、金融庁はそこまでことをいうことができるのであろうか?
【2003/7/18産経 朝15版】
2面
 エイズ基金に関連し「日本拠出増額に強い期待」との見出しで記事。各国とも増額をしている
様子。米仏の積極性からすると日本は消極的であるとの論調。
30面
 「所得減れば、男も変わる?」との見出しを1面に載せいている記事の本文。どんなアンケー
トをとったか詳細は不明だが、再就職に賛成の人が多くなっているとのこと。「希望するライフ
コース」として「女性の理想」はなにかを、未婚者男女にアンケートしたらしい。むかしは専業主
婦が理想だったのに、男性の所得が減ったので専業主婦を理想とする人がすくなった、という
ように受け取れる記事である。この記事の主眼は、働く女性というものに積極的に支持を示し
ている人はいない(所得が増加すればまた、専業主婦を支持する人はふえる)という点にある
ようにみうけた。
 ただ、所得がへったから仕事をしなければいけないということと、女性の理想のライフコース
をつなげて考えるなら、所得がへって働かなければいけないときこそ、専業主婦への羨望や支
持が増加するのではないかと考える。現在、所得の減少傾向にある中、専業主婦を理想とす
る人が減っているのは、経済的な要因よりも働く女性に対する考え方や社会での位置付けが
かわってきていると見るべきであろうと思う。
【2003/7/19産経 朝15版】
11面
 「保険業法改正に思惑の違い」と見出しを1面に載せている記事。記事の内容はまあ、問題
ないとして「思惑の違い」の見出しに相応しい文章ではなかったとも思われる。普通に読むと誰
ととの間で「思惑の違い」があったのかが不明。
【2003/7/25産経 朝15版】
1面
 東名飲酒事故の民事訴訟の記事。命日毎の慰謝料支払というのは、慰謝料の支払方法とし
ては風変りかもしれないが、支払側にもメリットがあるとおもわれ、妥当な内容と考える。まだ、
東京地裁判決なのでどうなるかはわからないですけれど。
 刑事責任と民事責任には、追求しようつするものが違うのだから、裁判の結果が違うことは
あるのではないか。その点を「司法の壁」と称している点は納得しかねる。
2面
 国民年金の納付率低下の記事あり。20代の納付率が50%を下回っているというのは、単
に納付しないというだけでなく、安定した職業についておらず支払できるだけの環境にないとい
うこともあるのでは?現在の年齢別地域別の失業率と国民年金納付率は相関関係があるの
ではないかと思います。
 なお、平成14年度の納付率は全体で62.8%というのは低いですね。

【2003/7/29産経 朝15版】
1面@
 中央防災会議が新しい地震防災基本計画を策定との記事あり。また、日本海溝沿いの地震
(宮城県沖から福島県東方沖の地震)への対応策も検討するとのこと。
1面A
 概算要求基準の記事。48兆2千億円とのこと。
2面
 銀行の繰り延べ税金資産についての金融審議会の作業部会報告の記事。資産勘定をどの
ように把握するか以前に、貸借対照表を作成して公開している理由は、投資家や債権者の信
頼を獲得する点にあるのではないか。繰り延べ税金資産を銀行がいうような形で制度化するこ
とによって、信頼の獲得はあるのだろうか?この論点に関する情報が新聞紙面で注目されて
いるということは、新聞報道の論調がどうであれ、読者の銀行に対する不信は払拭されないの
ではないかと考える。
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