
03年04月
【2003/4/1経 朝15版】
5面
シリアにイラク支援をするべきでないとの警告をパウエル国務長官が、ユダヤ系ロビー団体
の会合で講演との記事。「受け入れられない行動をとる国をモニターしている」とのべたことに
なっているが、なかなか威圧的な発言である。やはり国益のために、他国をモニターするという
の常識なのであろうか。モニターの日本語訳は「監視」ではないのか?なんで、産経新聞ともあ
ろう新聞社が、適切な日本語訳を探さずに、カタカナ表示をしているのでしょうか?辞書をしら
べたら、(外国放送を)傍受するという意味もあるらしい。ふぅーん。
31面
香港で、SARS(重症急性呼吸器症候群)のため住民隔離措置との記事。なかなかすごいこ
とになっている。友人の勤めている会社では、事実上海外渡航禁止措置をとっているようだ
し、自分の勤めている会社も渡航自粛措置をとっている。
【2003/4/2産経 朝15版】
29面
公費弁護人制度の記事あり。
素案作成:司法制度改革推進本部
方 法:刑事訴訟法などの改正
提案内容:貧困要因の基準(資力の内容・誰の資力までをみるか・違反への対応など)
【2003/4/4産経 朝15版】
5面
イラク戦争後の暫定政権の記事。米軍による軍政が実施されることを前提に記事が出来上
がっている。侵攻しているのは英米軍なのに、暫定政権の構想にイギリスが全くタッチしていな
い形が伝えられている。イギリスは国連主導による再建を主張していることから、米国はイギリ
ス抜きでの構想を組み立てているものと思量される。
中東でのアメリカの影響力扶植を考えたら、意思決定に時間のかかる連合政権よりは、一
国による占領政策のほうが、効果があるであろう。民主主義にはいろいろコストが必要ですか
ら、こうした迅速さが要求される行動形態に民主主義的な意思決定は妥当ではないとの判断
でしょうね。
そういえば、タイトルは「暫定統治機構”秒読み”」であるけれど、そんなに戦況は急展開に進
んでいるのであろうか?「作戦が順調に進んだこともあって、イラク人自身による政権樹立を急
ぐことにした」とあるけれど、米国が有利であることを宣伝するためだけの、プロパガンダだっ
たりしてないか?だいたい、開戦から1ヶ月もたったわけではないけれど、予想していたよりも
順調に作戦が進んでいるとえる状況なのであろうか?アメリカは戦争はもっと時間を要すると
考えていたということになるし、もっと早く戦争が終結していたらアメリカは戦後の占領政策につ
いて何にも考えていなかったということにならないか?そんな内容を堂々と真実らしく報道して
いるが、大丈夫なのだろうか(何が?)。
【2003/4/10産経 朝15版】
1面
イラク戦争の記事。フセイン大統領像を引き倒したのは米軍の装甲車で、市民は見ていただ
けなのではないのか?民衆の蜂起と暴動の境目はどこにあるのか?
記事中、イラクの状況をルーマニアと比較したのは、独裁者はいつか倒れるということがいい
たかっただけなのかな?
【2003/4/11産経 朝15版】
1面
SARSを契機に、感染症予防法改正へむけて検討との記事。予防主体が地方自治体であ
るため、国が危機管理の一環として行うことに障害があるとの判断のようである。こうした危機
に直面した状態においては、民主主義的な手続は対処の遅れをまねき妥当ではないので、概
ね賛成である。事後の補償や手続規制をどのようにするかが焦点であると思われる。
たとえば、国が行った強制入院措置について、事後に国会に報告するとか国会の承認が必
要な形をとる。承認がなかったとしても、条約と同じような扱いとし、強制入院措置は有効に成
立することとする。ただし、補償請求を妨げないとか政治的な責任は否定されない(選挙のとき
に有権者に判断される)なととして、手続き上、制度の濫用を規制することが必要となるのでは
ないか?
【2003/4/14産経 朝14版】
産経抄
戦争報道に客観性は求められないとの内容。だったら左よりの新聞が偏った報道したってい
い、という結論になるのではないのか?自分のところは主観的に報道するけれど許してね、と
いっておいて、他の報道機関に向かって、お前は客観性を重視しろといっているのは、ちょっと
どういう神経しているのでしょうか?文章の終わり方からすると、この新聞の報道すら真実では
ないかもしれないということを高らかに表明しているようにもとれるので、もしそうならすばらいし
いです。
予測した人は、相応の理由や根拠をもっている。それが、はずれた時にどうなるかという点
は、その人の信用の問題に過ぎない。予測は、意見と同様で真実ではない。たまたま真実と同
じ結果になることはあっても、予測の段階では、真実であると断定できる人はいない。その予
測を、信じるか信じないかは、読者次第である。もちろん、予測した人の能力や技術にもよる
けれど、ここではふれない。
しかるに、新聞が意見を表明しているのか、予測で記事を書いているのか、事実の報道をし
ているのかを、見極めて、その記事を採用するかもしくは採用しないようにしなければいけな
い。もし、漫然と新聞報道を信用しているとしたら、その人に問題があるだけで、新聞や記者の
能力の問題ではない。われわれ読者は、廉価でそうしたものを購入しているのだから、その程
度のリスクは止むをないというか、新聞に高い品質を求めていること自体が、間違いであると、
知らなければいけないのである。
【2003/4/18産経 朝15版】
1面
全国信用組合厚生年金基金で年金給付減額の記事あり。
【2003/4/19産経 朝15版】
5面
アメリカ連邦準備制度理事会がイラク中央銀行の役割を代行との記事。こんなことは、かつ
てあったのだろうか。イラクの中央銀行は、なぜ機能しないのか?アメリカが凍結しているイラ
クのドル資産から支弁するとの報道内容だが、凍結されている資産はすべてイラク政府のもの
なのだろうか?それともすべて強制的に充当するのか?
アメリカが中央銀行の役割を代行しなければならないことを理由として、原油の自由輸出の
再開を提示しているようだ。この論法も、アメリカ以外の国に受け入れられる内容なのであろう
か?自由輸出というのは何を意味しているのか?公正な市場価格のことか?その原油の買い
手は、どこなのか?このことを許容したら、たいがい何でも許されるようことになるのではない
か。なんでも許されるのは、世界がパックスアメリカーナを歓迎していると思っている人が多い
からでしょうか。うーむ…
【2003/4/26産経 朝15版】
1面
個人情報保護法衆議院特別委員会で可決の記事。なんでマスコミにこんなに甘いんだ、とい
う批判はわきあがります。しかし、みんなマスコミには弱みがあるのです。
【2003/4/27産経 朝15版】
29面
健康増進法施行に伴い5月1日より首都圏私鉄の駅構内で全面禁煙の記事。喫煙者よりの
記事である。この記事の表現からすると、健康増進法が施行されなくても駅構内を禁煙にする
かどうかをきめるのは、私鉄各社側にあるとのようにとれる。私鉄各社は、しなくともよい全面
禁煙に乗り出し、それを法律のせいにしている、というような印象をうける。
ただし、嫌煙者側から見ると、法律の後押しがあったからこそ全面禁煙に踏み出せたという
面を強調すべきと考える。

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