03年01月
【2003/1/1産経 朝15版】
5面
経団連策定の長期ビジョンの記事あり。消費税18%は、実務的には(18%を計算するの
が)難しいのでは?結局15%か20%になるのでは?
政治献金復活は、企業側からは異論ないだろうし、使命感があるのも肯定するとしても、や
はり個人より資金力をもつ法人が、大多数の個人とは違う見解を持ってその力を行使したとき
誰が制御をかけるのか。憲法上、各権利主体には権利や義務がある他、相互牽制のための
制度が組み込まれているけれども、企業に対してはなにもない。だれが大金の支出に権限の
ある大企業の社長・役員に鈴をつけることができるのか。後ろ盾になる法律も制度もないの
に。マスコミだって支援してくれる保証もないのに(マスコミがのばなしなのも問題ですね、仕方
ないけれど。だいだい、マスコミに何かを期待している時点でおかしい)。
八幡製鉄事件判決をもちだして個人同様に献金は可能であるとする人もいるのだろう。たし
かに、選挙権もなにもないのだから政治献金により影響力の行使をさせてほしいというのはわ
からなくもない。もはや、個人の権利や平等などというのはまやかしで、正面きって主張すべき
ものではなくなったのでしょうか。
【2003/1/3産経 朝15版】
1面
東京都は、みずほ銀行が3月期決算に基準を満たしていないと判断した場合に、指定解除
をする方針との記事あり。
【2003/1/7産経 朝15版】
1面
コニカ(3位)とミノルタ(5位)が7月に統合予定の記事。
3面
天皇在位15周年で、天皇の人格的評価をのせる。一種の偶像化をしており、扱いが非常に
政治的であるとの印象をうけた。これが、社会面ならとくに異論はない。
【2003/1/8日経 朝14版】
1面
アメリカが景気対策に6700億ドル。減税も個人法人双方に効果がある対策とのこと。日本
よりは景気がよいと思われるアメリカでこうしたことが行われると、日本は何もしなくてよいのか
と考えてしまう。
日本では個人を対象とした減税はないものと想像される一方で、個人所得を増加させる要因
もないように思われる。ということは、個人消費の拡大はないもの考えて、景況の見通しを考え
る必要がある。かといって法人の支出の増加は個人以上に見込めないものと思われるので、
景気は今後も縮小傾向がつづくであろう。
現在、銀行の不良債権問題などの金融面が景気トピックとしてあがっているが、これだけで
景気の回復はありえないのではないか。最終消費の拡大もしくは維持がなければ景気にはプ
ラスの効果はないものと考える。金融面での処理は、それはそれで重要なのですすめてもらう
として、消費者の消費を拡大するためにその収入が増加するような方策をすすめる必要があ
る。けれどもそんな方策はあるはずもなく、各企業の努力にかかっている。
失業者の増加や賃金カット、ボーナス抑制などで節約された労務費はいったいどこへ消えた
のでしょうか。物価が下がったからなのか?どこかで収入が増えた人がいて、その人の財産形
成に寄与しているのか?財産形成が金融機関においてされている場合は、銀行は収入増加
者を原因にして預金等が増加する一方で、多くの法人の体質が悪化して貸付金が不良債権化
することになる。それが理由でリストラがすすむと、個人の所得に失業や賃金カットという形で
しわ寄せが行くわけですか?法人の体質は改善するか倒産するなどして不良企業は淘汰され
るので、このままいくと市場は銀行および生き残った企業だけになるので経済は健全化するけ
れども、個人はどうなるか。結局法人が淘汰されるのと同様に個人も淘汰される訳だけれど
も、個人は法人のように経済社会から消え去るわけにはいかない。
個人の経済生活の方向性は政府によって示されていないが、現時点での個人の経済生活
の将来は法人と違いこの暗い経済情勢の延長上にあるように思われる。新産業の爆発的な
成長とか原因不明の景気の拡大とかないかぎりは、個人全体の財布の大きさは変わらず、パ
イの奪い合うをするだけと思われる。一方で、各人の日常生活水準は当面は下がらないと考
えるので、日常生活に不要な消費行動は縮小することになる。
こうした情勢下で能力主義社会が展開して消費者間の所得格差が拡大するでの、広く薄く利
益をあげる産業の成長は望めないと考える。大部分の消費者はこれ以上余分な消費行動に
は走らないからである。一方で、余剰な所得がある消費者は、通常の消費財では満足しない
ので、ブランド品や価格で差別化された商品の売上が上昇するものと考える。とすると高所得
者のための市場がニッチとして成長し、これら市場では高所得者に奉仕する労働者が多数形
成されることになる。
こうした社会が到来することを想定するわけであるけれども、人々の社会階層観がアメリカン
ドリームを達成した人とそれらに奉仕する職業にあって羨望等をバネして成長をめざす労働者
というようになるか。これがすみやすい社会であるかは、こうした社会を許容する価値観を多く
の人が共有できるかにかかっているものと思われる。
…おもいついたまま書いて結局論旨がどんどんずれるし、疑問符からいきなり別の話題にな
るなど移り気で、まとまりがつかないので終了。
【2003/1/9産経 朝15版】
1面
北朝鮮拉致問題:金世鎬容疑者に逮捕状。事件があるのに立件していなければ政府の責任
であろうか。こうした情勢にならないと犯罪捜査ができなかったというのであれば、政治的な責
任が強いけれども、そうした情勢判断に警察や検察が拘束されるとすると、自由主義的な観点
から制度的・構造的に問題があるといえる。政治の圧力で、警察や検察を抑制できるとするな
ら、民間人など与党以外の人間は抽象的なレベルではあるけれども身体の自由を抑制されて
いることにならないか?とくにかく、犯罪は犯罪として法にかなった形で処理するべきである。
根の部分は、国内の犯罪行為が政治や外交上の理由で闇に葬られそうになっていたことで
あるけれど、過去の事象がこうして問題としてクローズアップされ、そのことに対する国や報道
機関の公言した内容を考えるにつけ、誰の言葉をどこまで信用するかという基準を自分の中
に設けるのはなかなか大変であるなあ、と感じた。
29面
東京都中学校の内申点で80点の格差ありとの記事。絶対評価にしているのだから、学校間
で格差が出るのは当然であるが、評価基準が異なるためにおきていることなら問題である。評
価基準が異なっているとの見出しであるので、記事どおりであれば問題である。ただし、評価
基準が異なることがどうして判明したのかの経緯が記述されていないため、「教育関係者」の
憶測によるものなら、それもまた問題である。そもそも「絶対評価」という単語から一般人が想
像する評価が不可能であるから相対評価を次善策として行っていたのではないかと考えてい
たのだけれど、次善の策だとわかって絶対評価に切り替えたのに、対策がとられていないとい
うのは、実に怠惰なことである。そうした怠慢がないかどうかの調査であったと推測されるた
め、今後の対応を見守ることで妥協するところであろう。ただ、そうした評価基準によって機会
が失われた中学生はあわれである。
30面
グローバルエアリーシング社に日本政府が提訴。2000年にレバノンから日本赤軍メンバを
送還する際の航空機チャータの債務不履行が原因とのこと。テロに備える保証金の6百万ド
ルを返還しない根拠はどんな点にあるのか興味がある。保証金でかつ債務を履行していない
のだから、当然返還するべきものではないのか。日本政府がチャータ料金とあわせでなけれ
ば受領しないとしているのであろうか?
【2003/1/11産経 朝15版】
1面
北朝鮮情勢:北朝鮮がNPT脱退を宣言。
7面
北朝鮮情勢:韓国の北朝鮮への「仲介論」へ批判と韓国国内での反省が出ている旨の記
事。韓国の国民感情がなぜ「仲介論」に親和的なのかへの分析はとくにない。米国の反韓ム
ードが国家戦略的に問題である旨の報道がされているとの文面。韓国の世論が日本の国益
に合致していないという点を批判したいことが伝わる構成となっている。とくに『…、ここ数日や
っと反省の声が表面化しつつある』という表現は、随分高いところからの物言いである感じをう
ける。
【2003/1/14 産経 朝15版】
1面@
小惑星探査機を日本が打ち上げ予定。
1面A
北朝鮮情勢:ケリー国務次官補(大統領特使)が、盧ムヒョン次期韓国大統領・崔外交通商
相にアメリカ政府の優先度は、北朝鮮の核放棄ある旨伝達。
【2003/1/15 産経 朝15版】
小泉首相が靖国神社参拝の記事あり。神社儀礼として意義ある日に首相が参拝するべきで
あるとの雰囲気の構成。『…とにかく一年に一度参拝すればよいというような姿勢には逆に疑
問も多い』と記述されているが、これが産経新聞の意見であるかどうかは文脈からは確定でき
ない。その後、外務省幹部の一人の話として同旨の記述がある。外務省幹部が首相批判して
いることに主眼があるのか、世論の代表として首相に批判が上がっていることを象徴させたい
のか、あいまいな表現となっている。おそらく両方をねらったものであろうが、新聞社自身から
「8・15に参拝せよ」とまでは表現しきれないのか?
政教分離の建前からしたら、特定の日に参拝しなければ意義がないという意見を、公人には
適用できないものと考える。外務省幹部批判の根源には、宗教儀式として意味のある日でな
ければ、宗教的な行動としての「参拝」の効果がないという点にあるものと思われる。しかし、
靖国神社参拝が政教分離政策に違背しないというのは、公人が国のために殉じた人に深い敬
意と哀悼の意をささげるという点においてのみである。しかるに、もし宗教儀礼にかなっていな
ければ、敬意や哀悼の意が表現されたことにならないとする場合は、公的な行為が一定の宗
教儀礼の制限下に入ることを意味し、政教分離がなされているとはいえない状況となる。
ただし、宗教儀礼か社会一般の慣習かどうかによって結論はかわることになる。結局、この
点を明確に処理することができれば問題ないと思われる。けれども、宗教儀式か社会一般の
慣習かは主観によるところも大きく、簡単には決せられない。神道に反感がある人は、神社で
儀式を行うこと自体に宗教性を見出すだろう。また、キリスト教徒で神道を日本における慣習
の一つと見る人でも、プロテスタントの人は形式主義的な行為によって敬意を表する点は宗教
的だと見るかもしれない。逆にカソリックの人なら一定の儀礼・手順を踏むことで自分以外の他
者に対する敬意や哀悼を表現できるという意見には親和的であろうと推定される。…ということ
で結論なし。
【2003/1/17 毎日 朝】
3面
アメリカカルフォルニア州で制定されたヘイデン法が、州上級裁判所で合憲の判決との記
事。ヘイデン法は、2010年までに提訴すればWWUの訴訟は時効による棄却を免れること
を内容に99年7月成立。係争中の訴訟は、韓国系米国人の鄭在源(80歳)氏により旧小野
田セメント社とその米国子会社を相手に起こされている。
【2003/1/18 産経 朝15版】
31面
うそつき先生ずる休みという記事は随分センセーショナルであると思う。事実であろうけれ
ど、情操面に訴える表現技法はどうも違和感がある。
【2003/1/19 産経 朝15版】
アメリカの北朝鮮への対応が軟化したとの記事。アーミテージ国務副長官が不可侵文書化も
一つの方法との発言をしたことに主眼がある。北朝鮮がかつての日本のようにチキンゲーム
に突入してブレーキを踏み損ねた場合のことを考えると妥当な発言のように思われる。北朝鮮
の冒険主義は確かに問題であるが、北朝鮮を非核化したところで隣が危険な国家である事実
は日本や韓国にとってはかわりない事実である。北朝鮮をいかに危険でない国家に変容させ
ていくかが長期的な課題であろう。
戦争に突入して日本や韓国という世界経済に少なくない影響力を持つ国を危険にさらすみか
えりに、北朝鮮を崩壊させるシナリオもある。しかし、自分が死ぬかもしれないことを考えるとち
ょっと賛成しかねる。2面の主張欄では、強硬姿勢を崩すべきではないし、アメリカはイラク問
題があるから一方休戦状態にしたいだけとの論評であったが、結局具体的な方策については
提案がなく、譲歩することなく断固たる姿勢を貫くとのコメントのみである。
これで、話し合いで各国がそれぞれ譲歩して、危機をしのいだら、弱腰とか軟弱とか妥協した
とかの批判材料にこと欠かないし、戦争に突入したら外交力がないとか政治家や官僚の無能
を批判できる。どっちにころがっても、自分は得する論評のしかたで、リスクがなければ、当
然、強硬な意見をいってみたくなるものなのか?
【2003/1/22 産経 朝15版】
1面@
シベリアの抑留日本人が北朝鮮へも送られていたことの記事。何が新しく判明したのかが不
明瞭な記事。新たな死者数が判明したのか、抑留者の死んだ場所が判明したのかがあいまい
になっている。
1面A
みずほホールディングス連結赤字約2兆円との記事。不良債権処理が約2兆3千億円とのこ
と。
【2003/1/23 産経 朝15版】
1面
米連邦高裁が賠償請求権を2010年まで延長するとしたカルフォルニア州法を違憲と判断。
賠償請求はサンフランシスコ講和条約で解決済み、個人賠償につき裁判所を利用することは
外交権の侵害にあたるとの判断。一方、旧小野田セメントへの賠償請求の州高裁や前審の連
邦地裁は州法を支持している。
10面
りそなホールディングスが香港の東亜銀行に出資要請。他主要行が欧米系銀行へ増資要求
する中、アジアとの提携であり独自との記事。
【2003/1/24 産経 朝15版】
1面
低金利政策に対する批判記事が一面に載る。低金利がデフレを想定させ、消費を控えると
いう以外に論点なし。金利が上昇したらデフレが解消されるとか景気が上向くとは記述されて
おらず、金利上昇の影響の分析に一言もないはアンフェアではないか?
【2003/1/25 産経 朝15版】
1面
朝鮮総連に固定資産税課税予定の記事。47年4月美濃部都政の下で外交機関として課税
を免除していたが、最近発覚した不正送金事件などから外交機関としての認定をしないとの方
針のようである。北朝鮮の日本代表部を確定すれば解決するようにも思われる。つまり代表部
ができればそこは外交機関なので課税しないが、それ以外は全部課税となる理屈である。現
在、国交がないのだから、課税や外交機関との認定は日本の政治的な裁量によるものと思わ
れる。
【2003/1/25 産経 朝15版】
4面
ソニーがインドネシアから撤退の記事あり。
29面
全国教研集会の記事。学力低下問題に打つ手なしとの論調。また、産経新聞記者が取材拒
否にあったとの囲み記事あり。民間教育臨調設立の記事も同じ29面に。役員・委員のリスト
が載せられている。これだけ錚々たるメンバで、はなしがまとまるのか不安。適切な運営方法
で良い結果がでることを期待する。
【2003/1/28 産経 朝15版】
1面
もんじゅ控訴審判決の記事。行政行為の無効要件の「重大かつ明白」の基準の変更をしたと
うけとれる記事内容。明白性を不要とする場合がいかなる場合かが一意に決定できない点
が、上告審で問われるのではないかと推測。
29面に関連記事があり高木光学習院大教授が同様の指摘をされていた。同教授は判決を
高く評価とのこと。
9面
「『輸出にオンブ」の日本経済』とか「『課題』多い日本人の生活」との1面のガイドと、9面の内
容がぜんぜん違う!いったいどうゆうことだ!
「輸出にオンブ」という表現は、ひとり立ちしていないという意味なので、日本経済の外需依存
体質を批判しているのだろうけれど、いったい内需拡大って需要以上のものをつくってるんだ
から当然だろうが…。それとも消費者にかえってことか?そういうことは金持ち(だれのことでし
ょうね、いったい)が率先してやってくれないと。
「『課題』多い日本人の生活」っていうのも、日本人の消費生活をかえろって意味にとれるけ
れど、記事の内容は消費税や社会保険料の増加であるので、可処分所得の減少を報道して
いるわけだ。
こういう記事を併記しているということは、つまり貧乏人は麦をくえという発想に近いわけです
ね。僕はそれに賛成ですけれど、産経新聞はそれでいいのか?新聞代を下げたときのキャッ
チフレーズはなんだったのかいってみろ!宣伝や販売促進と記者は別物とだいう主張が社外
にまかりとおると思っているのかっ!
ふぅ…。すこし、冷静になりましょう(>自分)。

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