
02年09月
【2002/9/4産経 朝15】
1面
国立市有給組合活動の記事。「民間では考えられない実態」というのは本当か?煽ろうとい
う意識から過激な言葉を選択しずぎているのではないかと考える。ただし、法に基づいて業務
を執行すべき公務員が、規定に基づかない給与をうけとるのはおかしい。「ながら条例」の位
置付けをどう考えるかで結論が異なるようにも思われる。組合活動によって犠牲になる何かに
対する価値観が論者によって異なるものと思われる。現在の、市場経済重視志向の社会情勢
下では、条例は廃止に追い込まれてもやむを得ないものと考える。
7面
日本海の呼称につき国連地名標準化会議は、関係国間の解決を目指すべきとして協議を
実質的に打ち切るとの記事。韓国は「敗訴」したという表記を使用しているが、実際の関係国
間協議はこれからであるし、民間レベルの利用状況で、既成事実が作られたほうが優位に立
つであろう状況から、「敗訴」という表現を使うのは行き過ぎと思われる。記事で使用されてい
る表現技法がゴシップ的で感心しない。
【2002/9/12産経 朝15】
30面
書留配達トラブルで違憲判決。郵便法での免責規定が国家賠償請求権を保証した憲法の規
定に違反との判決(参照:高見勝利「違憲判決の効力について」『法学教室』2002/11号p.56-
64)。
【2002/9/16産経 朝15】
シベリア抑留での日本人死者が定説より2万人多い8万人の可能性との記事。ということは
戦中の行方不明者は2万人近くいることになるが、正しいのであろうか。
【2002/9/18産経 朝15】
1面
金総書記拉致認めるとの記事。拉致被害者の死亡をつたえ、泣いている関係者の写真を大
きく取り上げている。日本政府認定11人関係リストあり。
【2002/9/20産経 朝15】
1面
外務省拉致被害者の命日隠すとの見出しで記事あり。
【2002/9/25産経 朝 15】
15面
情報機関の創設についての藤原正彦お茶の水女子大教授(数学)の論説あり。大方賛成で
あるが、「どの国も国益しか考えない、という浅ましい世界にあって、日本だけが孤高を保つの
至難の技と思う」という論法は違和感あり。やはり暗号技術の研究と国際社会に対する誠意と
が両立するという方向での結論が、感情的には望ましいと考えるが、それでもやはりそうもいっ
てられない世界情勢なのであろうか?
1面
「石に泳ぐ魚」出版差止請求事件の最高裁判決ありとの記事。表現の自由と個人の人格権
を天秤にかける内容の事件であるが、個別に検討する以外に仕様のないものと考える。今回
の事件は単に表現された内容だけでなく、被告側の主張姿勢も勘案されたのではないかと思
量する。
【2002/9/27産経 朝15】
厚生年金改革の記事。積立金の取り崩しに対して将来の保険料が値上がりすると厚生労働
省が反対との記事。だれがどんな理由で何に反対しているのか整理されていない。また、一定
の基準で支給し続けるため毎年いくら必要かが報道されていない。そうした金額から逆算して
いくら払えばいいのか記述される必要がある。それだけ支払いをしなければ遅かれ早かれ厚
生年金は破綻する、それだけの話であるものと想像するが、その計算こそが難しいのであろ
う。
【2002/9/30産経 朝15】
3面@
否認事件でもスピード判決の記事。下級審における判決は慎重なほうがよいように思うけれ
ど、どれだけ時間がかかると長いと感じるかは難しい問題と思う。「もっと裁判所は指揮権を発
揮してほしい」という検察の意見は、自分に都合のいいときだけの話しようにおもわれ、スピー
ド判決に対する要望とはちょっとずれている印象をうけた。
3面A
四川ペプシ社事件の記事。中国側役員の経営の私物化を理由にペプシ社が合弁解消を打
ち出したことに対して、中国側が国際裁判にもちこむという記事。

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