01年後半
【2001/7/4産経 朝15】
1面@
 『新しい歴史教科書』自主訂正の記事。単に訂正しただけで、1面の3分の1近くを占有でき
る報道価値があるのか疑問である。もはや記事ではなく広告と称するべきである。
1面A
 『FOCUS』休刊の記事あり。
【2001/7/4産経 朝15】
 公務員の退職につき、民間と比較して高いとの記事。平均で比較しているが、本当に妥当
か?各産業のトップクラスの会社の役員と比較するべきではないのか?産経新聞の役員の退
職金はいくらなのか合わせて書くと説得力がある。
【2001/7/7産経 朝15】
1面@
 米軍兵士による国内での暴行事件につき容疑者の引渡しの記事。アメリカは容疑者が公正
に扱われないことを理由に引渡しを拒否していたが、日本とアメリカの刑事訴訟手続きは公正
さが疑われるほど格差があるものなのか?その点につき日米法の比較をした記事を掲載して
あれば読みたいものだ。
1面A
 年金資産運用基金が累積で1兆7千億円の赤字との記事。日本人の老後はどうなるのか?
日本の貯蓄性向は今後も低くなることはないのでは?すると金融改革の方向性は正しい進路
を向いているのかとの疑問がもたげてくる。
【2001/7/15産経 朝15】
 河川と下水道を一体として総合整備をすすめるという国土交通省の予算概算要求の記事
有。原因がどこにあるのかをさかのぼることによって、直接の原因だけでなくそれら(直接の原
因)の周辺にも触手をのばして対応しようとしている。自分の生活もこうした対応をとれている
か。中学校のときの朝礼でも校長訓示で「牛は牛飼いは知るがその主人をしらず」という諺を
教わったが、目先のことしか見えていないのではと不安になる(諺が伝えようとしている教訓は
ちょっと違うかも知れなけれど)。
【2001/7/19産経 朝15】
 和歌山県で扶桑社教科書をしないようにとの妨害活動ありとの記事。ただしタイトルは妨害と
なっているが、本文は反対活動となっている。
【2001/8/14産経 夕5】
 日銀の量的緩和の記事。なぜ、当座勘定残高の増加が量的緩和策の第一番にきて、国債
買い切りオペは第二番目なのか?勉強しなくちゃだ。
【2001/8/28産経 朝15】
 東芝グループ、18800人の人員削減の三ヵ年計画の記事。
【2001/9/21産経 朝15】
 与党合意、一部中選挙区制導入との記事。小選挙区制の評価もおわりきらないうちに中選
挙区制に復帰とは制度運用上問題がある。
【2001/9/24産経 朝15】
 日弁連、弁護士懲戒に国民代表を参加させる意向の記事。弁護士の公共性と弁護士サー
ビスへの市場原理の浸透からして方向性としては当然とおもわれるが、具体的な制度としてま
とめるには各論の反発が予想されるように思われる。形だけ国民が参加したようにして、懲戒
する側の責任が曖昧になるくらいなら国民参加はしないほうがよいと考える。
【2001/9/25 産経 朝15】
  IMF金融委員会が、原油価格の安定化は先進国だけの要望でないというような声明を発し
たとのこと。基本的に先進国で影響の出る経済の変動は、発展途上国でも影響が出るのでは
ないかと直感的に感じる。従属論の内容はそうした疑問から発生しているのでは?「原油高は
石油依存度の高い貧困国に大きない影響を与える」という声明は確かにその通りだけれど、
おためごかしの印象がぬぐえない。まあ、そんなことで説得されてOPECが動くのか疑問だけれ
ど、妥当な水準での物価の安定は望ましい。
【2001/9/26 産経 夕5】
 財団法人全国強制抑留者協会とロシアの露日相互理解協会の強制連行での労働賃金の支
払いについて合意、との記事が掲載されている。これは、どこまでパブリックな合意なのか?
民間団体同士の合意事項が、外交にどこまで影響があるのか。記事の扱いに対してこの合意
の成果は大きいものではないのではと勘ぐる。
【2001/9/27 産経 朝15】
 日本共産党が世代交代との記事。名誉議長の宮本顕治氏が名誉役員になるとのこと。名誉
議長など職はその組織の少数支配の象徴のように受け取っていました。これがなくなるという
のは、権威主義的な構造を改革するなどの意欲の表れなのか?そもそも、名誉議長が組織
内の実権をすでに手放しておりむしろ現職の幹部が主導権を確保するためにとった手段なの
か? 
 この記事が気になったのは、ミヘルスのドイツ社会民主党の研究で提示された政党組織の
官僚制化と寡頭制の原則を、傍証する材料になるのではと思ったため。組織の官僚制化に価
値をもたせ一般に高い評価をえるためには、それがビジネス(コストにみあった機能と必要
性。定型化・効率化の促進)として利用されることが重要。もちろん公平とか均衡とかも必要で
すが。これが、名誉心とか物欲(ビジネスにも物欲が付随するかもしれないけれど、ビジネスは
提供するものと対価物が均衡の取れている状態)に左右されると「官僚的」という批判の対象と
なる。
【2001/9/29 産経 朝15】
 外国人参政権問題につき、参政権付与反対の見解をまとめた与謝野(自民党選挙制度調
査会前会長)素案が一面で報道される。素案は概ね付与反対色が濃いように思われる。与党
では合意されていたものが、合意後にいまさら大きく報道されることの意味何か。タイトルは
「付与は憲法上問題」となっており、この合意を反故にしようという魂胆か(【2000/9/28 産経 
夕 5】も同様の趣旨か?)。議論がし尽くされていないものなら、こうした報道で方針がかわる
のもやむをえないように思う。民主主義の前提は議論と相互理解への努力であるから当然と
もいえるけれど、こうした報道やリークした関係者のやりくちは感じが悪い。それともそんなに
切羽詰っていたのか?
【2001/10/3産経 朝 15】
 『ビンラディン一派のテロ関与 米、「決定的な証拠」提示』との記事。証拠の提示はNATO大
使級理事会でのみでされ、機密事項となっているとのこと。この証拠等(証拠の収集方法を含
む)は一般に公開されることがくるのか?うやむやになることはないと思われるけれど、一般社
会に対する情報提示は事件が収束したもっと後の時期で慎ましやかに行われるものと想像す
る。
 日本や中国では国史の選定作業が国家主導で行われていた時代があったわけだが、アメリ
カの飛行機テロとアフガン掃討作戦の歴史的な位置付けをアメリカが当事者として行うであろ
うか?
 日本も主観的な要素の発露となる歴史の編纂作業を、国家事業として行うことはほぼ不可
能と思われる。韓国と教科書問題がおきたときも、日本の教科書は国定教科書ではないとして
いた(【2002/1/25産経 朝15】に記事有)のは「国民が学ぶでき歴史」が日本では国家として強
制しないことを示している。その点、韓国は国定教科書制度を採用しているということは、国が
国家としての歴史を編纂していることになる。教科書制度の取り扱いは、その国の知性のあり
ようを定義する重要なものである上、国家としての歴史を提示するものとなる。扶桑社がとりく
んでいる「国民」シリーズはこうした「教科書」のありようを再定義しようとしようとするこころみで
もあろう。これまで、私が「教科書」といったら生徒や学生を対象にした教育の手段であると考
えていたけれども、これを儒教社会における四書五経のような存在に修正していこうとする試
みを扶桑社がしようとしているものと考える。もし、そうなったときに、アメリカの飛行機テロとア
フガン掃討作戦はどのように記述されるのか、興味深い。
【2001/10/6産経 朝15】
 行政改革推進事務局の特殊法人改革案についての記事あり。
【2001/10/8産経 朝15】
 アメリカがアフガニスタン攻撃との記事(日本時間2001/10/8 am2ブッシュ大統領による発
表)。
【2001/10/9産経 朝15】
 江沢民主席「緊張局面が緩和」、との見出しで記事有。日中間の関係悪化が「歴史教科諸問
題」や「小泉首相の靖国神社参拝」を中国側が批判した」点に求めていた。論者の立場から何
が原因であるのかあいまいにならないよう、記述が厳密になされている。問題はこちら側でなく
「批判をした」側にあるという主張が明確になっている。
【2001/10/30産経 夕5】
 中根千枝女史に文化勲章。そういえば『タテ社会の人間関係』(中根千枝、講談社現代新
書、1967年)を積んだままでぜんぜん読んでないので、これを機に読んでみようと意気込む。
【2001/11/2産経 夕5】
 テロ対策で自衛隊艦隊派遣の記事。
【2001/11/5 産経 夕5】
  久保紘之氏の評論に「すべては、支持率に支配される政治」として田中外相が不適任にも
関わらず支持率の高さの為に更迭できない点を「衆愚政治」と表現している。内閣を支持して
いる人(多数)と田中外相を不適任だと判断している人(少数)が一致していないことを前提と
すると民主主義上、どのような人事政策を採用するかはおのずとはっきりすると思われる(首
相の政策的判断がなければ留任であると思われる)。また、不適任ならその論証をすればよ
いだけであって相手方の支持率の高さをもってして「衆愚政治」と形容するのは妥当とは思え
ない(議論による多数派の形成は民主主義社会の前提であって、また言論や報道の自由のよ
って立つところでもある)。もしくは、そうした過激な形容を用いて世論に警鐘を響かせるのが
新聞の役割なのかもしれない。
 それとも、正しい少数意見は多数の衆愚を排除するプライオリティを保有しているのか。そう
した少数意見にプライオリティを割当ているのは誰か。仮にそうした権力者がいるとすると、そ
うした権力者の恣意的で恩恵的な配慮に期待する一心で、「高い支持率」を「衆愚政治」と非難
しているのか。そもそも「高い支持率」は誰が創造したのか、支持率の政治的な意味が定義さ
れているのか、はっきりしていない。
【2001/11/10産経 朝15】
 健康保険・厚生年金につき不適正処理をしている事業所が多いこととの記事。事業主にとっ
ては少しでも安い労働力を獲得したい欲望がある。こうした欲望が行き過ぎないための抑制の
ひとつの手段として労働運動があるところ、パートやアルバイトはこうしたことの落とし穴になっ
ている。国家や法律の保障の枠に入らない自由経済のもとの雇用関係が弱肉強食であり、パ
ートやアルバイトといった労働力に対しては、全体として不利な状況におかれることが経験的
に感じ取ることの事例である。自由主義経済を前提とした労働環境を受け入れるべきかは、
今後の課題である。たとえば、弱い労働者でなくなればよいだけだという主張することもでき
る。スキルの低い労働者にそれなりの賃金しかないという方式である。生活の保証は、最低賃
金の規定や生活保護などで確保されていて、あとは個人の選択と努力しだいというものであ
る。感情的にはあまり受け入れたくないが、現在の経済の方向性はこれであろう。
【2001/11/13 産経 夕5】
 厚生年金基金の財政基準の緩和の記事が掲載されていた。退職金制度と年金制度の関連
についてよく理解していないが、なにか自分(の世代)が不利を受けるのではないか危惧をうけ
る。勉強しないといけないなと思う。
【2001/11/23 産経 朝15】
 特殊法人整理の記事有。本当に整理されるのか。対象になった法人(日本道路公団・首都
高速道路公団・阪神高速道路公団・本州四国連絡橋公団・住宅金融公庫・都市基盤整備公
団・石油公団)はどれも大きなものばかり。
【2001/11/26産経 朝 15】
 フジモリ元ペルー大統領の日本への亡命問題はどうなったのか?ペルー国会でのフジモリ
元大統領に対する扱いが本当なのか、政争のためのための捏造なのか。当事者のコメントを
載せるだけで、判然としがたい記事となっている。
【2001/11/29産経 夕5】
1面@
 朝鮮総連中央本部、家宅捜索の記事。デモ隊が押しかけるというのが、現代日本からは浮
遊した感じがする。「政治的な弾圧」などとシュプレヒコールをあげた、となっている。外交特権
のない団体が内国法に違反して令状に従った捜査をうけるのは当然と思われる。何億も横領
した挙句に「政治的な弾圧」というのはどういう感覚なのか?事件そのものがでっち上げだ、と
いうのが主張の根幹なのか?
1面A
 エンロン事実上破綻の記事あり。ダイナジーが合併合意破棄。
1面B
 医療制度改革の記事。3割負担へ調整とのこと。
【2001/12/5産経 朝15】
 OECD学習到達度調査で日本は総合2位、数学的応用力で1位・科学的応用力で2位との記
事。なお、国際教育到達度評価学会の調査では数学5位・理科4位であった。

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