同時進行!!ウィークリー馬券物語

57回: 99スプリンターズステークス

「もう、あと2週で今年の競馬も終わりですね」と弟子達。
「どうだ、俺の言ったとおり買ってれば今ごろお金持ちに成れたのにな。まったく お前らは俺の言うこときかんからなあ」と師匠。
「じゃあ、あんたは金持ちになったんかいな」と思う弟子達。ここはじっと堪えて 「いやー、師匠の高等な馬券戦術についていけなくてすいません」と謝る弟子達。
「まあ、お前達のおつむじゃ何年たっても無理かもな。それよりスプリンターズス テークスの勝ち馬教えてやるからよく聞けよ」
「はい」と弟子一同。
「シーズン末の冬の中山で行われるスプリントGT。だが、これも今年が最後だ」
「あれ、なくなるんですか?」
「相変わらずお前達の頭は空っぽなんだなあ。来年からは日程が替わって芝が絶好の 状態の秋に施行されるんだぞ。元来ベストスプリンターの称号は最も速い馬に贈られて いいはず。しかし、時計が掛かり始めた馬場で行われるスプリンターSでは、スピード よりも器用さと勝負強さが問題とされ、イメージ通りには決まらないぞ」
「確かに単なるスピード馬ではこのレースは勝てないですね」
「そこでだ。日本とフランスを往復したアグネスワールドの取捨が最大のポイントだ。 見た目は絶好調の状態、復帰戦は圧勝。だが、このローテーションは絶対と言われた タイキシャトルと同じパターンでガス欠状態だ。中山の直線には坂がある。原因不明 の謎の失速があるかも知れんぞ」
「アグネスが失速ですか」と驚く弟子達。「あのタイキシャトルだって負けるんだから ないとはいえませんよね」
「まあな。で、本命は5歳牡馬スプリント代表◎マイネルラヴだ。休養明けの前走は 完全な叩き台、典型的な本番に強いタイプで現にシルクロードSではアグネスを 完封しているぞ。鞍上蛯名も豊には負けられんだろ」
「前走は完全に出遅れ、レースしてませんしここ狙いってのがありありでしたね」
「確か昨年も外傷明けで心配されたけど本番ではシャトルを巻くって勝ちましたもんね」
「お前らの頭でもそれぐらいは記憶していたか。そうだ本番ではこいつが来るぞ」と師匠。
「では対抗はなんですか?」
「対抗は○ブラックホーク、スプリント適性に期待するぞ。1200は初めてでも、ハイラップ で刻めるスピードと切れる脚を持ってる素材だけに、既存のスペシャリストを一蹴するかもな」 「やはりブラックは重い印ですか」
「スワンS快勝の馬ってここでも強いんですよね」
「そうだ。あと、5歳牡馬でスピード能力指数ナンバー1の▲トキオパーフェクトが 単穴だ。圧勝か惨敗かの極端な成績だったが、前走交わされながらもよく粘って2着 を死守。トップスタートをうまく決めれば、逃げ切りもあるぞ」
「それに今回はヤネが岡部ですね。無用なハナ争いはしないかも知れませんね」
「ところで、アグネスはどうするんですか」
「勝負を別にして、フランスと日本のGTを制覇すれば、来年も海外遠征、国際ホース誕生と 夢は広がるな。もし絶好の芝状態でハイトップのスピードだけでレースが出来れば圧勝だが、 今の中山では難しいのが現状だ。応援の意味で印は★だが、厳しいな」
「やはり厳しいですか。あと気をつけておく馬はいますか」
「あとは、春のGT高松宮記念を制した△マサラッキも強い。前走アグネスに2着も上積み が大きく、調教師に言わせれば今回は勝負掛りで一番恐い馬だと。しかし既に7歳、スプリンター の世代交代は早く、衰えがないとも言えんから、押えまでがいいとこだな。まあ、最後に全馬の 無事完走を願うぞ」
「いやー、いつも鋭い予想ありがとうございます。これで我々も有馬の軍資金が出来ます」
「その有馬だが、俺はもう指定を取ったから、お前達は下界ででもみていろ」
「カード抽選の結果発表が木曜の朝ですから、そこで当たることを祈ってます」
「どちらにしても有馬が終われば、一門の大忘年会ですね」
「お前ら甘いぞ。有馬が終わったら一門の反省会だ。わかったな」
「ひえー!」


(更新12/17)

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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。