「師匠、またまたスペシャルが来ましたね」と興奮気味の弟子達。
「スペシャルの単は獲らせてもらったが、2着があれじゃな」とバツが悪そうな師匠。
「でも、こんな2着誰も当てられませんよ。だから2万もついたんですよ」
「いやー、スペシャルもこれでGT4勝。昨年の岡部じゃないですけどルドルフの領域に
近づいたかもしれませんね」
「さすが俺の弟子達だな。昨年の俺のコメントで言っていたろ。スペシャルはルドルフ級になるとな。
昨年は馬場状態、ペース、ローテで泣かされたが、本格化した5歳ではGT3勝。俺の予言した通りと
なったな」
「さすが、師匠。ここまでスペシャルが強くなるとは思いませんでした」
「エルコンドル、グラス、セイウンといった最強世代でGT4勝なんて歴史的名馬の1頭と数えてもいいんじゃない
ですか」と思いっきりよいしょする弟子達。
「まあ、いままでのGTは内国産馬限定のものだったからな。今回、国際GT競争で勝った意味はほんと
大きいな。エルコンドル、グラス、スペシャルこの3頭のレースを見れたお前達は幸せものだぞ。
この3頭がいっしょに出るレースだったら借金してでも見に行くんだがなあ。なんとも惜しいな」
「もう借金限度超えてのに」と思う弟子達。「そうですよね。○田馬連投資顧問新潟営業所を売却してまでも
見に行きたいですよ」
「お前らも売却してもいいがな。たいした金では売れんから、無理だからやめといてやるよ」
「そうっすよ。俺達なんてこれっぽっちの価値もありませんから」とあんたもやろと思いつつ心にもない返答
をする弟子達。
「ふふふ、俺もお前らのような未熟者にもスペシャルの偉大さがわかってもらえて嬉しいぞ」
「というと今日はその記念で大宴会ですか。豊もインタビューで今日はスペシャルの話題で盛り上げって下さいって
いってましたよ」
「それがだな、単しか当ててないんで奢れる金はない」
「えー!」とブーイングの弟子達。
「それより、有馬へ向けて体力温存だ。宴会などやってる暇はない!」
「あちゃー」
スペシャルウィークの偉大さはわかったものの、ご馳走にはありつけなかった弟子達であった。