同時進行!!ウィークリー馬券物語

54回: ジャパンカップ

「師匠、どこいってたんですか?」と弟子一同。
「いやー、ちょっと私用があってな」
「まさか、○栄とか商○ファンドに追いかけられているんじゃ ないかと思いましたよ」
「俺は平気さ。それよりお前達は大丈夫だったのか?」
「昨今のバッシングで取り立てもソフトになりましたんで大分楽に なりましたよ」
「それじゃ、ここらで大儲けして借金返済といくか」
「ええ、頼みますよ。ではジャパンカップの勝ち馬教えてください。やっぱり モンジューは強いですよね」
「おお、その凱旋門賞馬モンジューが出走してきたな。あの強いエルコンドルパサー を一蹴した実力は、90年代欧州最強と評価してもいい。フランスの誇りでもあるまだ若い 4歳馬だ。この馬が来たことにより、ジャパンカップが国際GTとして認知されたと言って いいだろうし、勿論嬉しいことだ」
「というと、やはりここでもモンジューが勝つと?」
「しかしだな、一体何が目的で、何をしにきたかという点を考えると、一抹の不安が残るぞ。 日本の馬場は固くスピードが出すぎるためパワータイプの欧州の馬は脚質が合わない。 また過去の凱旋門賞馬のように、このまま種馬生活に入るわけでもない。そしてエルコンド ルパサーとの敵地での決着も、相手は引退している」
「うーん、確かに何しにやってくるんでしょうかね」
「本来ならば大目標の凱旋門賞を制した後は、ブリーダーズカップ・ターフが普通の ローテーションであり、勝利を望むならば渡米するのが過去の通例。しかもこのレース 、ライバルであるデイラミが勝ったため年度代表馬の座が混沌としてきた」
「そういえばあのレース、デイラミが勝っちゃったんですよね。モンジュー、デイラミ なら勝負付けは終わってると思いますが、凱旋門賞は不得手な馬場との言い訳もあります からね。ここは硬い日本の馬場でも勝ってやるぞと来たんですかね」
「そこでだ。日本でレースを行うならば、地の利がある◎スペシャルウィークが本命 。武豊もジャパンカップ初制覇を目指し、モンジューを破れば、スペシャルのランクも 上がる絶好のチャンスだ」
「やはり本命はスペシャルですか。グラスワンダー、セイウンスカイが回避したなかでは 日本のエースはこの馬しかいませんね」
「で、対抗はなんですか?」
「環境変化に強い牝馬が過去ジャパンカップでは好走している。6歳牝馬ながら、まだ10戦 6勝とフレッシュさが残る○アルボラーダが対抗だ。今年の目標はここだと本気で勝ちに 来ているぞ」
「牝馬は勝てないまでも好成績残してますよね。今年は日本の牝馬のレベルが今一ですね」
「ところでモンジューの印はどうなんですか?」
「力で圧勝するか、馬場適性で敗れるか極端な立場だ。人気となるだけに馬券的には消すの が妙味だが、地球を半周してやってくる最強馬の観戦料として★印をつけておくぞ。 そこそこ買っておこうな」
「その他で押さえておく馬はいますか?」
「連下には欧州の怖い実力馬△ボルジアと△タイガーヒルを押さえておけば万全か。本命以外 日本の馬では今回は完全に力不足。あっ、あと外国馬は直前リタイヤもあるからちょっと注意して おけよ」
「天皇賞春秋連覇にJC制覇なら年度代表馬はスペシャルのもんですね、師匠」
「そのスペシャルを秋天で消した連中の懺悔が終わってないな、お前ら!」
「わかりました、我々も競馬生命を賭けてスペシャルを応援しますので許して 下さい」
「そんなことより、そろそろ有馬だ。今年からカード抽選中心だからカード所持者 は必ず当てろよ。わかってるな」
「ええ、まあ・・・」
「馬券をしっかり当てて、有馬への体力を温存しておくんだぞ、いいな。 じゃあ、俺はこれでな」


(弟子達の会話)
「もう、有馬の季節か」
「今年はカード抽選がほとんですから、ゴンドラはもう無理ですね」
「指定はA席の一部と、B席の半分ぐらいしか、いつのもやり方でしか 取れないんですよね」
「まあ、券取りに朝並ばずに済むってことで良しとするか」
「ええ、12月頭の中山って寒いんですよね。でも力技が効かないのも ちょっと悲しいですね。ひょっとしたもう指定でGT見れない世界にな っちゃったかも知れませんね」
「ところでジャパンカップですが」
「こんなわけのわからんレースはやらん方がいいかもな」
「モンジューが額面通り走るなら圧勝でしょう」
「でも、それが走らないのがジャパンカップ。まあ世界最強馬の走りを楽しむ 程度にしとこうや」
「エルコンドルの引退式もありますしね」
「心情的には、師匠じゃないですが、スペシャルには頑張ってもらいたいですね。 今回のメンバーでは当然日本のエースはこの馬。春秋天皇賞馬として外国馬を 負かしてほしいですね」
「確かにエース格なんだけど、秋天の反動が怖いよ。京都大賞典に負けたもんだから、 調子が悪いなか、天皇賞では仕上げざるをえなかったからな」
「一流馬の宿命ですかね。連敗は許されないですからね。天皇賞では予定より仕上げ 過ぎた可能性はありますね」
「といっても日本馬にこれといった馬もいないですよね」
「まあ、師匠に2度目はないはずだから、沈んでもしょうがないな」
「スペシャルにはとんだ災難ですかね」
「それより来週から中山だ。ひょっとして・・・」
ひょっとして、今年はないと思っていた有馬の指定席とりがあるんじゃないかと 不安になる弟子達であった。でも、そうなったら 『新潟から応援を呼ぼう』とも思う弟子達であった。



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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。