同時進行!!ウィークリー馬券物語

50回: 秋華賞・結果編

一同「・・・」
「いったいなにが起こったんだ」
「ブゼンキャンドルがローズSのように、外から突っ込んできたんです」
「ヒシピナクルがどうやら2着を確保かなと思った瞬間またなにか飛んできたぞ」
「それは万年3着のクロックワークです」
「ところで豊は?」
「えー、13着ということですが・・・」
「うううー、おおおー、ぎゃおーっ」とわめく師匠。
「師匠、どうなされました」と言いながらも、「あー、またか」と思う弟子達。
「やはり本番もミステリーアクトレスでしたね、トゥザヴィクトリーは」と追い討ちをかけるF。
「なにおー!」と叫ぶ師匠。「この借りは来週の天皇賞で返してもらうぞ、おらー!」と何処へ消えて行ってしまった。
「あーあ、いっちまった」
「まあ、いつものことですかね」
「しかし、ここまで荒れるハズれてもさっぱりするな」とF。
「いや、でも初っ端からこれじゃ先が思いやられますよ」とT。
「そういえば『競馬の達人』で水戸がブゼンを狙うって言ってましたね。サンスポ見てないんで最終予想は知らない ですが。でも、そこで言ったような展開でしたよ。有力馬に先行勢が多いから前崩って」とS。
「確かに終わってみれば、なんでこんな展開読めなかったんだって感じだな」
「先行抜け出しをはかるトゥザヴィクトリー、それをさせじとフサイチ、ヒシ、ウメノのなどの有力馬が早めの 仕掛けをするのはわかってましたけど、今回エイシンだけじゃなく、メジロビクトリア、エフテー ピルサドも前に行きましたからね。考えてみたら、やつらだってハナに行かないと勝てない馬ですもんね。 その一群に豊のトゥザヴィクトリー、おまけに馬体も絞れなかったし、少し掛かってましたね」
「たくなー。河内も仕掛け早いよ。福永だってすぐ捕まえに行っちゃったし、あれ見てみんな行ったって感じだな」
「そこで後方の別世界で追走していた2頭のワンツーですね。おおハマリですね」
「まあ、師匠の要らないといったヒシピナクルが一番強い内容だったのが救いか」
「せれじゃ僕は救われません。ちきしょう来週こそ当てるぞ」とT。
「来週といえばもう天皇賞の予想がおいてあるぞ」
「え、もうできているんですか」
「おお、じゃあ言うぞ。春の3強VS新興勢力、どちらが強いのかこれが今回の天皇賞の焦点。毎日王冠と京都大賞典、 天皇賞のトライアルと言うべき2つのレ-ス、共に新興勢力の大頭が目立ったが。いや、スペシャル ウィ−クが負け過ぎただけで、他は予定通りだった」
「予定外でもあれじゃあちょっと・・・」
「続きいくぞ。秋のGTシリ-ズ、出走レ-スを全部勝ちに行ったならば、間違いなく途中で息切れ、どこにピ−ク を持っていくかそれが戦略であり、企業秘密のテクニック。夏に使い込んだ上がり馬達は勢いでGU では勝てても、GTの厚い壁に跳ね返されると見た。当初ジャパンカップが目標だったスペシャル陣営、 掲示板を外すとは全くの予想外の出来事。名馬に連負は有り得ないと予定変更でも目の色を変えて今度は 勝ちに来るはず、2着は外さない。結局、スペシャルが本命か」
「でも、この馬に府中2000Mを1分59秒以下で走るスピード競馬は合いませんよ。 1800〜2000の持ちタイムがないと厳しいのが秋天。あきらかにジャパンCの2400M向きでしょう。 それをここ目標にぎりぎりに仕上げたら、両方とも 取りこぼす可能性が高いでしょう。ここを我慢してJCに向かえば、スペシャルはJC勝てると思いますよ」
「昨年も菊を取りこぼして、わけがわからずJCを走らされてしまったからな。能力で3着にはなったけど、見てて かわいそうだったな」
「で、対抗はなんです」
「対抗か。差すレ-スもできると新境地を開いたセイウンスカイが絶好調。だが普通のハイペ-スで逃げれば、 他馬の脚をなし崩しに奪ってしまい、誰も着いてこれないはず。正攻法の勝負に期待する。おー、セイウンに ○がついたぞ」
「なんとあの、セイウン嫌いの師匠が対抗に」
「こないってことですかね」
「それより続きは」
「よし。前走2着は予定通りのメジロブライト。勝った馬が違ったため3強の評価が下がった今度は人気の 盲点。目標は有馬記念とはいえ、勝つチャンスは十分あり、直線の追い込みが決まるか。やっぱりブライトは はずせないな」
「でも、これもスペシャルと同タイプ。中距離のスピード競馬に対応できないのは去年の秋天で実証済みでしょう。 ほんとに勝ちにいくならスピード競馬に対応するため毎日王冠使うでしょう。やはりJCか有馬が目標ですね」
「他には?」
「あとはだな。新興勢力で唯一恐いのがエアジハ−ド。グラスワンダ−が出走できれば当然大本命だが、安田 記念で現実に敗っているのだ。距離的に今回がメイチの勝負で、大化けの可能性がある。  残念ながら、クリス、ツルマル、メイショウ達は初のGTの壁に泣いてもらおう。能力とスピ−ドだけ では勝てないのがGT。それならば、キングヘイロ−の渾身の一発の方が面白い、とあ」
「エアジハードとキングヘイローですか」
「エアは毎日王冠を使えなかったのが痛いですね。それで、距離に関してほんとわからなくなってしまった。 ここを叩いてマイルチャンピオンが目標と見ますね」
「勝てば儲けものだけど、まあ無難にマイルCSのほうがいいかもな。キングヘイローは毎日王冠を 1分46秒2、ぎりぎり可能性を残したね。人気が出ないなら狙っても面白いな」
「消したなかでは、クリスザブレイヴ、メイショウオウドウは怖いと思いますよ。クリスは新潟1600M、 中山2000Mのレコードホルダー。府中の2000Mを1分59秒以下で走る素養は持ち合わせてますよね。 前走の福島は荒れ馬場参考外ですが、ちゃんと走ってますからね。アンブラス、セイウンを見て控えていけば ひょっとしたらかもしれませんよ。あと、メイショウは毎日王冠が1分45秒8。計算上、府中2000Mを 1分58秒台で走る目途がたちましたからね」
「あとホッカイルソーだけど、府中は詰めが甘くなるからな。重い印は打てんな」
「セイウンは2000の持ちタイムはないですけど、スピード能力は菊のレコード勝ちで実証済み。 2000のレースも皐月賞勝ちを含め3.1.0.0で得意。府中ではダービー4着ですが、あのペースで 4着に粘った のは能力の高い証ですよ。横典がへましなければ勝てると思いますね」
「軸はセイウンでよさそうですね。で、師匠の消した馬に流せばそこそこつきますね」
「まあ。天皇賞は来週だからまた考えようや」
「そろそろ帰りましょうか」
「あーあ、またおけらか」
「あのー、じつは・・・」とS。
「どうした、まだ言いたいことあんのか?」とF。
「セコ買いが当たってるんです」
「なにー」
「200円だけですが」
「なんで買ってるんだ。19万コースじゃねえか」
「ええ。このレースの穴馬は、人気のないローズS組と900万勝ち組ですよね。で、軸は 豊、フサイチ、ヒシの人気3頭から、クロック、エイシン、ブゼン、メジロ2頭、ピサノの6頭へ流しました。 買い目は18点と多くなってしまうんですが、最低でも80倍ぐらいはつくんで1点500〜1000円と 小額買いました。で、ヒモ同士で決まると癪なんで、200円で6頭のボックスも買いました。 そしたら来ちゃいましたね。メジロ、ピサノで決まれば20万ついたんですけどね」
「そんなの来るわけねえだろ。でもこんな馬券そうもしないと買えないなあ。まあいいや、今夜 はご馳走様です」とF。
「じゃあ、焼肉ですか。行きましょう。でも師匠には内緒ですよ」
「わかってるわい。元気がでてきたぞー。じゃあ行こう」と競馬場を後にする弟子達であった。


(更新10/25)

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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。