同時進行!!ウィークリー馬券物語
止まらない木ブルース

第46回: 東京優駿・結果編

「うははは、うははは」と師匠の高笑いが聞こえる。「お前達、俺の偉大さがわかったか」
「当たったといっても1、2番人気の決着じゃないの?」と思う弟子達。
「いやー、見事でした。あらためて師匠の偉大さに気づきました」と師匠をよいしょする弟子達。
「では、これからごちそうですか」
「世間はそんなに甘くないぞ」と急に態度を変える師匠。
「ひょっとして師匠、○邦生命に入っていたのですか」
「ばか者、競馬で一財産築いている俺に保険なんか要らんだろう」
「そうでしたね。師匠に保険なんて要りませんよね。失礼しました」
「でも、もしかして最終レース、グレートサン(注)で勝負したんですか」と恐る恐る聞く弟子達。
(注)師匠お気に入りのジェニュインの半弟。最終レース、2番人気で4着に沈んだ
「お前達、分かっているなら、ダービー的中のお祝いに俺におごれ」
「そんな、とりあえず当てても、こんなオッズじゃ儲かってませんよ。普段より、買い目も 多いんですから」
「というと金はないんだな」
「まあ、そうです」
「じゃあ、お前達に用はない。俺は帰る」と一人とっとと行ってしまう師匠。
「あーあ、師匠帰っちまった。ごちそうかと思ったのに」
「いやな予感したんですよ。グレートサンが4着に沈んでいたんで、ひょっとしたら と思ったんですが、案の定やられていた・・・」
「まったく、しゃーねーな」
「ところで今回も好レースでしたね、ダービーは」
「アドマイヤべガは馬体が回復して能力全開だったな。 豊の手綱捌きも見事だったな」
「ええ、あんな後方から行くなんて、ペースが速くなると見ていたんですかね。 さらに、直線では馬場のいい大外に持ち出して、ゴール前きっちり差す。さすが天才ですね。 ナリタ、テイエムもいい走りしてましたけど、テイエムは仕掛けがちょっとはやかったですね。 それに、ついて行ってしまったナリタも惜しかったですね。あそこでためてればナリタ が勝っていたでしょうね」
「まあ、でも渡辺もよくやったよ。ダービー初騎乗であそこまで持っていったのは誉めてやらなきゃな。 相手も豊だったんだから」
「でもまた豊ですね。彼に非はまったくないんですが、いつも豊ではつまんないですよ。 ダービー連覇という偉業ですが、ダービーが連覇できるようなレースになってしったのも こまりもんですよ。来年豊が有力馬に乗るんだったら、ダービーの馬券は買うのよそうかと思いますよ」
「強いゆえの悲劇だな。まあ豊のことをとやかく言うより他が頑張るべきだな」
「ところで、そういえば師匠に、馬券の委託がけっこうありましたね。1、2番人気ですし 当たっている人多いんじゃないですか。それなら現金はもってるんじゃないですか」
「それがだなあ、おれ聞いちまったんだ。これは安目だから飲んじまおうって。で、2−11は買わ なかったぞ」
「えっ、マジですか。ダービーですから普段より注文多いんじゃないですか」
「その通り」
「やはり、師匠がこうも当たるには裏があったわけですね」
「で、そのヤラレを取り戻すため、最終はジェニュインの弟で勝負したんだ」
「結果は・・・」
「そう、見ての通り4着・・・」
「あーあ。来月新潟遠征がありますが、師匠の資金繰り大丈夫でしょうね」
「その点は安心できる。最近珍しく当たっているから資金繰りは楽らしいぞ。それに GT連戦も来週で終わりだからな」
「でも来週の安田記念は的場・グラスワンダーがでますね」
「そうだな。まさかラストでどかんといくつもりじゃねえだろうな」
「有り得ますよ」
「まさか、グラスが軸を外すことはないと思うが・・・」
怪物グラスワンダーに是非とも頑張ってもらいたいと思う弟子達であった。


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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。