同時進行!!ウィークリー馬券物語
止まらない木ブルース

第43回: オークス(GT)・結果編

「いやー、当たりそうで当たらないレースだったなあ」
「まさかウメノファイバーが来るとは・・・」
「だから、こんな時期の4歳牝馬のレースなんかやるなといったろ」とF。
「ええ、そうでした。僕のスティンガーは掛かって4着・・・」とS。
「スティンガーはフケがでていたらしいぞ」
「えっ、そうだったんですか」
「それで調教も変則になったらしい。でも4着に入ったのは能力だな。まあ秋は2000 だから巻き返しできるだろう」
「僕は締め切りぎりぎりに押さえた馬券がきて助かりました」とT。
「でも、前売りでゴッドからっていってたじゃないの」
「迷った時の清水頼みですよ。助かったー」
「ポリシーのないほうが競馬は当たりやすいってことか。ところで師匠はどうした?」
「抜けのウメノが来て撃沈でしょう。ダービーの金策にでもいってるんじゃないんですか」
「手元流動性も寂しくなってきたみたいだからな」
「それよりダービーですね」
「皐月賞馬ティエムオペラオー、ナリタトップロードが中心かもしれんが、和田・渡辺の ワン・ツーともいうのもピンとこないな」
「やはり豊のアドマイヤベガが割って入るんですかね。あっ、そういえばさっき、師匠がなんか メモを置いていきましたね。おー、もうダービーの想定予想がしてある」
「なに、読んでみろ」
「ええ。『ダービーがすべてのレースの頂点にあることは、疑いようのない事実である。そして その日は、競馬場の空気がまったく違う。異様な雰囲気の中、様々な想いと欲望が交錯する。 狂気に近い世界。あらゆるものをフラッシュ。強靭な精神力をもって、ここで勝利できた馬が ダービーの栄光に輝く』」
「師匠はいつも狂気の世界にいるわけか。まあいい。続きは」
「『本命◎アドマイヤべガには、ダービーを勝たなければならない理由がある』」
「そんな理由あんのか?」
「ええ、あるらしいですね。『昨秋、武豊を騎乗停止に追い込み、スペシャルウィーク、 エアグルーヴといった名馬たちを、混迷の世界に惑わせた張本人。しかし、自らダービー 馬となることで、また武豊にとってはダービー2連覇を達成することにより、すべてが 浄化される』からです」
「最後まで迷惑かけるんじゃないか。で続きは」
「『サンデーサイレンスの仔たちには、驚異的な闘争心が引継がれており、それがうまく レースに作用すれば爆発的な脚を使う。まだ粗削りな面はあってもその片鱗をときおり 見せる○ペインテドブラックが対抗の相手。悪魔の末脚が本領発揮できるか』と申して おります」
「対抗もサンデーのペインテドブラックか」
「3番手はなんですか」
「『サラブレッドとしての完成度ならば▲ナリタトップロードが一番かもしれない。 好位置でうまく折り合い、直線で抜け出せる自在性がある。心配は、若い渡辺 騎手が乗りこなせるかだけだ』とナリタを推してます」
「やはり渡辺がネックか」
「あと『反対に馬体はまったく未完成だが、素質だけで走っている△ニシノセイリュウ もノーマークにはできない。何もさせてくれなかった皐月賞はいい経験。母譲りの勝負 根性はここでも通用する』とのことで河内のニシノセイリュウをあげてます」
「ベテランも忘れちゃならないからな」
「『最後に、皐月賞馬の(注)テイエムオペラオーの取捨が問題だ。勝ってもそれほど 人気になっていないので、馬券は押さえておこう。しかしダービーは魔物。和田騎手 の冥界に惑う姿が目に浮かぶ』と言っています」
「冥界?師匠がいつも迷い込んでいるところだな」
「まあ、それは別として本命はべガですね」
「うーん、今の時点ではなんとも言えんなあ。カイバ食いが落ちた前走はマイナス14 キロで明らかに調子落ち。4歳の育ち盛りに体重が減るのもはいかんな。どこまで調子 が戻っているか、調教見ないとわからないよ」
「そうでうすね。ここ10年、前走体重が10キロ以上減っていた馬ってダービー勝って ないんですね」
「ええ、そうなんですか。べガまずいじゃないですか」
「それと、あの反応の鈍さはメジロブライトみたいだな」
「ギクッ。それじゃクラシック無冠・・・」
「ここは皐月上位馬が中心でいいんじゃないですか」
「やはり皐月賞を勝ったオペラオーが中心でいいかな。 血統的にも距離延長も好感できるし」
「いや、ナリタもいいですよ。弥生賞馬は皐月よりダービーでの成績が いいですから。あと父のサッカーボーイは中距離馬でしたけど産駒に 長距離活躍馬もいますから心配ないでしょう。オークスに続きマル父 がくるかもしれませんよ」
「その点オースミブライトは、マイラーのラストタイクーン産駒だから 距離は長い。でも蛯名の腕次第ではいけるかもな」
「あと師匠があげたペインテドブラックですが、青葉賞のタイムも平凡。不利 を受けたマイネルシアターとハナ差ですから、あんまり期待しすぎるのも どうかと思いますね。ただ、和田・渡辺の2強に割って入るならベテラン加藤 のこの馬という見方もできますから、押さえてはおかないと」
「それより今回のダービーは3回東京の6日目、第66回、開催日も6月6日で6 続きのオーメン・ダービーと言われているぞ」
「なにかが起こりそうですね」
「まさか師匠が大当たりなんて・・・」
不安になる弟子達であった・・・。


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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。