同時進行!!ウィークリー馬券物語
止まらない木ブルース

第42回: 優駿牝馬・オークス(GT)

「クラシックもクライマックスが近づいてきましたね。今週はオークスですね」
「クライマックス?マッドマックスの仲間か、それ?」
「いえ、いえ、最高に盛り上がってきたってことですよ」
「なんだそんなことか。それよりオークス・ダービーと連勝してやるぞ」
「師匠、頼もしいですね。では、さっそくオークスの勝ち馬教えて下さい」
「おお。まず、今年は熱いラヴコールの有力馬が2頭、どちらも魅力的な美女で 心が揺れる。出来ることならば体が2つ欲しいと豊は思っているかもな」
「そうですね」
「しかし、勝者は1人。府中の2400メートル、オークスという舞台ならばどちらか。 天才は間違いなく強いほうを選んだはずだ」
「とういうと、トゥザヴィクトリーですね」
「そういうことだ。クラシックそれもオークスを勝つために、デビュー以来先行して さらに直線で再加速というレースを繰り返してきた◎トゥザヴィクトリーが大本命だ。 牝馬にとって過酷なサバイバルレースとなりがちなこの距離でも、彼女はマイペース のスキップで栄光のヴィクトリーロードを一気に駆け抜けてしまうだろう」
「やはり豊の目に狂いはないってことですね。では対抗はなんですか」
「対抗はトライアル4歳牝特で鮮やかに復活した○スティンガーだ。出遅れてなにもし ないうちに終わった桜花賞。しかし、広々とした府中に変わり、破壊力抜群の末脚が 甦ったぞ。伊達にGTは勝っていないな。能力は国際レベルにあると、藤沢軍団の クイーンが突き抜けるぞ」
「国際レベルですか」
「ここを勝つと海外遠征も視野に入ってきますね」
「まあ、その前にトゥザヴィクトリーという大きな壁があるがな。あと逆転候補としては 桜花賞、4歳牝特とも惜しくも2着続きの▲フサイチエアデールだ。天才を惑わした一瞬 の切れ味が魅力だ。能力の差はなく、乗り方ひとつで着順はコロリと変わる。新コンビの 四位騎手が意外性の面を引き出してくれれば、勝利も夢ではないぞ」
「サンデーの三つ巴ですね」
「そういうこった。あと注目は、いつも堅実な末脚で伸びてくる△ゴッドインチーフだ。 人気は驚くほど落ちそうだぞ。だが、掲示板を外したことがなく、力量は上位の存在。 実績の割には配当的妙味が高い今回は押さえる手はないぞ。まあ、そんなところだな」
「あれっ、桜花賞馬プリモディーネがあがってませんが」
「ここでは用なしだ。アフリートの仔は阪神、中山では活躍できても底力が不足気味だな。 府中に舞台が変わって、サンデー軍団の方位網には降参だな」
「桜花賞馬でも降参ですか」
「あの一瞬の切れ味は捨て難いが、あれは生っ粋のマイラーだな。府中の2400には向いて ないな」
「わかりました。これでダービーの種銭もできそうです」
「まあ、オークスはほどほどにな。次のダービーが勝負だからな。じゃ俺はこれでな」と 立ち去る師匠。

(弟子達の会話)
「最近師匠、調子が良くて資金繰りがいいらしいぞ」とF。
「日銀も短期金利を実質ゼロにして、資金をジャブジャブにしてますからね」とS。
「過剰流動性は師匠にまで及んでいるんですね」とT。
「バンク・オブ・JRAも大口購入者を破綻させるわけにはいかないからな」
「というとまた師匠が当たる?」
「ないとは言えないな」
「しかし良く見ると難しいメンバーですね。師匠本命のトゥザヴィクトリーですが、 確かに豊がフサイチを振ってまで選んだ馬なんですから、それなりにいい馬と思う んですが、まだ500万条件で重賞未連対ですよ」
「そうなんですが、豊が選んだんですから、素人は黙って買ってればいいんじゃな いでしょうか」とT。
「それもそうだけど、いきなりGTというのも。スティンガー、プリモより人気が でるようなら狙いは下げたいけどな」
「豊が乗るだけで、GT馬より人気がでるなら凄いですね。穴党はまっさきに切る でしょうが」
「そのスティンガーも良く分からんなあ。トライアルは勝ったけど、トライアル組の 優勝というのは少ないんだよな。4歳のこの時期の牝馬は間隔をとったほうがいいっ てことだな」
「ええ、直行組や忘れな草組が好成績なのはローテも要因としてあげられますね。 しかし、スティンガーの場合、桜花賞は惨敗も力出さずに終わってレースをしてい ない。今年、トライアルも含めて2戦しか消化していないので、いままでのパター ンとは違いますね」
「GT馬の底力に期待ですかね。スティンガーでこれですから、ここ数戦激走の フサイチには厳しいですかね」
「シンザン記念では牡馬相手に、4歳牝特では不利を克服し激勝。ここ2戦は厳しい レースで勝てず2着。さらに前走は馬体が8キロ減ともう余力がありませんよ」
「そもそも、なんで府中のトライアルを使ったかわからんな」
「豊も最後と思って目いっぱい追ってましたね」
「とてもオークスを狙う感じではないですね」
「当日の状態しだいでは無印でもいいかもな」
「あとゴッドインチーフですが」
「すっかり人気が落ちちゃいましたね」
「確かに人気を裏切りすぎているからな。最近の低迷ぶり、血統的にも 距離は合いそうもないし、逆張りで買うてもあるな」
「あと忘れちゃならない桜花賞馬プリモディーネが抜けですが」
「実績、ローテからいうとこれなんだよな。ちょっと距離が、と言われて 何頭か連対してるからな」
「この時期4歳牝馬は能力差のほうが大きくでますから、血統みるの はほどほどでいいでしょう」
「その点、クロックワークは穴人気になりそうだな。血統は合うかも しれないけど、遅いデビュー、キャリアがたった3戦、直前のトライアル を使ったローテ、重賞・オープン未連対とネガティブなファクターが多す ぎるよ。それでも買いたいの?って感じだな」
「こういうのは人気薄で穴をあけるから穴馬なんですよね。人気になった ら、だいたい来ないですね」
「というとやはり一番恐いのはプリモですね。桜花賞を後ろから行き 差し切った桜花賞馬はオークスでもちゃんと結果を出している。距離を 疑問視されて人気薄になるなら面白いですよ。ファイト ガリバーなんかも距離がと言われても結局は2着に来ましたからね」
「そうだよな。GT馬なのに扱いが小さい。師匠も抜けにしているから 案外2冠もあっさりだったりして」


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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。