同時進行!!ウィークリー馬券物語
止まらない木ブルース

第37回: 天皇賞・結果編

「し、し、師匠!見事的中じゃないですか!」と驚く弟子達。
「まあな」と上機嫌の師匠。「こんな簡単なレース当てても自慢にならないけどな」
「確かに3強の戦いでしたけど、セイウンを消してスペシャル−ブライトの1点なんて 見事ですよ」とF。
「それに2年連続で的中ですね」とS。
「昨年は高配当で良かったが、今回これだけメンバーが揃っちまあ仕方ないな」
「いやー、それにしてもスペシャルは強かったですね。ダービー馬が天皇賞を勝つなんて、 あのシンボリルドルフ以来ですよ」
「だろ。俺がいつも言っていただろ。岡部をしてルドルフ級だと。ところでちゃんと馬券はとった のか?」
「いや、3強はわかっていたんですけど、僕は師匠のように1頭切れなくて辞退しました」とF。
「僕も辞退でした。どうせ勝負馬券はセイウン−スペシャルだったんですから、見るだけで良かった でしたよ。でも、見るだけでも楽しめたレースですね。やはり豊は天才ですよ」とS。
「天才と名馬の合体。スペシャルの勝ちはレース前から決まっていたな。ところでお前は?」と師匠。
「いや、あの、セイウンから買ったので・・・」とセイウンとともに撃沈したT。
「なに、そんな愚かなことをしたのか。俺の言った通りスペシャルから買わんからそんなことになるんだ。 まだまだ修行が足りんぞ」
「はあ・・・」
「ところで天皇賞の儲けでご馳走していただけるんですか?」
「それが他のレースですっちまったから、また今度だ」と師匠。
「今度?どうせないくせに」と思う弟子達。「師匠のことですから、マイルカップでドカンと やって頂けそうですね」
「まかせておけ。次ぎはご馳走してやるからな。じゃ残りの休みも”スペシャルウィーク”でな」と 言い残して立ち去る師匠。

(弟子達の会話)
「いやー、それにしても面白いレースだったな」とF。
「そうですね。豊の好騎乗というかギャンブルというか。さすが天才ですね」とS。
「なんといってもセイウンより前にでたスタートで勝負あったって感じだな。まさかって感じで あれでセイウン・ノリのリズムが崩れちまった。さらに道中掛かり気味のサンデーセイラをつつい てセイウンに競らせた」
「菅谷はこれで西山さんの馬に一生乗せてもらえないでしょうね。それはともかく、セイウンは中盤 ラップが落ちているんですが、スペシャルにマークされてなかなかスパート出来なかったのが痛かっ たですね。もうちょっと早くスパートしてたら2着はあったかも知れませんね」
「前にいて残ったのはセイウンのみ。敗れはしたけどさすがセイウンだな」
「ブライトはA級馬だけど、結局自分でレースをつくれない分、この2頭より落ちると思いますよ。 今回スペシャルが出てなかったらセイウンに先着出来なかったでしょう。ブライトはセイウンより 先着しても、そのレース自体勝ったことがないんですよね。今回は展開に助けられているし、有馬 は横典の騎乗ミスですから、力で勝ったことはまだないんですよね」
「そうだな。セイウン、ブライトの2強対決なら、セイウンの方が有利だな」
「あと、もともと今回のレースはスペシャル・セイウンの2強対決と思っていたんです。ですから 、2強対決でお決まりの1頭が割り込んだって感じでしか見てません」
「その2強で勝負した僕は撃沈したんですよ。あーたがセイウンから2点だなんて言うからですよ」と Sを睨むT。
「セイウンの単勝も勝っていたらしいな」とF。
「だって1昨年の3強対決で師匠が切ったトップガンが勝っじゃないですか!それなら今回はセイウン から2点勝負。おまけは単勝と思うじゃないですか」と憮然としたT。
「確かに俺も師匠の買い目を見てセイウンから2点でいいと思ったけど、こんなレースで抜けが来たら 悔しいから馬券は買いませんでした。それに東京ドームで全日本プロレス見てまして、競馬の 結果を気にしたくありませんでしたから。三沢対ベイダーは好勝負でしたよ」とS。
「あーた人に薦めといて自分は買ってないなんてずるいぞー」と怒るT。
「俺は師匠といっしょに観戦するんだったらセイウンから買おうと思っていたんだけど、師匠 の悔しむ顔が見れないんだったら、いいやと思って買わなかったよ」とF。
「くそー、俺だけやられたのか。ちきしょう」とT。
「こんな堅いレース外すんだから、えらい悔しいだろうな」
「再起不能ですかね」
「大きなお世話だ。ウオー」と何処に走って行ってしまった。
「今年は世紀末。なにが起こるかわからない」と思うFとSであった。


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