同時進行!!ウィークリー馬券物語
止まらない木ブルース

第36回: 天皇賞

「あれっ、師匠もう予想できたんですか?」
「ああ、ゴ−ルデンウィークに入ることだし、早めにお前達に教えてやろうかと思ってな」
「ありがとうございます。師匠のおかげでゴ−ルデンウィークのレジャー費用が賄えますからね」
「それでは勝ち馬を教えて下さい」
「そうだな。今回の天皇賞、3強の実力が抜けているのは確かだ。それも展開も、逃げのセイウン、 自在の差しスペシャルウィーク、追い込みのメジロブライトと非常にはっきりしている。3頭とも 自分のレースに徹すれば、紛れるはずがない」
「やはり3強できまりですか?」
「しかしだな、春の天皇賞というレースは、いままで馬の力以上に人間の想い入れの方が、勝負 の結果に繋がっている。横山典、武豊、河内。3人の騎手の三者三様の駆け引きが激しく交錯する。 JRAのロゴではないが、素直にスタミナ勝負で決着がつくのか。否、勝つことではなく、相手を 潰すバトルになりそうだ」
「潰すバトル?」
「そうだ。そこで、展開だ。自分でレースが作れるセイウンスカイが菊花賞の再現とばかり、ハイペ ースで他馬の脚をなし崩しに奪ってしまおう。世界レコードで駆け抜ければ、誰もついてこれないとは 横山典の戦法」
「その通り、誰もついてこれないんじゃないですか」とF。
「ついていったらいったでも潰れちゃうし・・・」とS。
「それがだ、そうはさせじと◎スペシャルウィーク。必ず中盤でラップが落ちる場面がある。仕掛けては いけない坂上3コーナー手前でも強引に捕まえにいけば潰せる。今の力なら途中で脚を使っても、 直線での切れ味が鈍ろうと、充分おつりが残るのは豊の計算だ」
「やはりスペシャルか・・・」と思う弟子達。
「そして、盾に賭ける執念を一番感じるのが○メジロブライトだ。春の天皇賞2連覇できる力はあるぞ。 5歳馬の方に勢いを感じるとは、河内特有の三味線。結果、前の2頭が激しく競り合えば、チャンスは 自ずと訪れる。直線の追い込みが鮮やか決まるか」
「激しく競り合いながら2頭でゴールするんじゃないですか」とは口が裂けても言えない弟子達。
「では、スペシャル−ブライトの1点でいいんですか?」
「まあ、あえて穴を狙えば△ローゼンカバリーだ。いつもどうり仕掛けのタイミングを極端にずらし、別 次元のレースをする一頭だからな。前が総崩れなら連に絡む可能性はあるかもな」
「あのー、セイウンはほんとに要らないんですか」とT。
「要らん。スペシャルに潰されてお終いだ」
「はあ」とT。
「師匠は昨年の春・天を見事的中されていますから説得力がありますね」と心にもないことを言うF。
「ブライトの2連覇より、俺の2連覇の方が確率が高いぞ。じゃ俺はこれでな」と何処へ消える師匠


(弟子達の会話)
「やっぱりスペシャルか」
「対抗も師匠好みのメジロ軍団のエース・ブライト」
「で、セイウンは消し。穴でローゼン」
「我々の予想通りだったな」とF。
「3強対決で1頭消しといえば」とS。
「一昨年の春天、ローレル・トップガン・マーベラスサンデーの3強対決の時ですね」
「おお、そうだ。師匠の本線はローレル・マーベラスとローレルの単」
「3強のなかで一番GTを勝っているトップガンが消し。でも結果は見事トップガンの優勝」
「なんか今回もそんな感じするなあ」
「やはりGT2勝のセイウンの力が抜けている感じがするんですが。菊花賞を逃げ切って世界レコード 勝ちですから。逃げ切りでレコード出されたら、他の馬はお手上げですよ。距離をこなしてのもの ですから価値も非常に高いですね」
「スペシャルの乗り方は難しそうだな」
「師匠の言った乗り方が一番キケンですよ。セイウンは、菊のラップを見ると始めとラストの 1000を59秒台で走っているんですよ。3角で捕まえに行ったら持ちませんよ」
「確かに持たないなあ」
「だから、ひょっとしたら後方待機、直線勝負を考えているんじゃないですか、豊は」
「うん、そうかもな。新聞にも位置取りについて豊はセイウンとブライトの間ではないかも、 みたいな発言してたな」
「イメージ的にはトップガンが勝ったレースですかね」
「というと、追っかけるのは実はブライトだったりして」
「ブライトの場合、去年のチャンピオンといっても、去年の春天のレベルって低かったんですよね。 タイムはここ10年で最低、前年のクラシック馬の出走ゼロ。ブライト自身そのクラシックで ことごとく負けていた馬なんですから。セイウンは2冠馬で菊は世界レコード勝ちで、スペシャル はダービーを5馬身のぶっちぎりの好タイム勝ち。4歳時の活躍がブライトと比べものにならない ほど優秀で年明け順調。やはりこの5歳2頭の闘いとみるんですが」
「でもやはり長距離の実績・安定性は高いからブライトも外せんなあ」
「まあ、そうですね」
「でも師匠がこないって言うんですから、セイウンを軸にスペシャル・ブライトに流しおけばいいんじゃ ないでしょうか」
「確かに。でも3強で堅そうだから、やはり見るだけにしておくか」
「師匠の外れる姿も見れるかも」
「また、師匠に怒られるぞ。GTが始まって、このページ毎日チェックしているらしいぞ」
「はあ。昨年よりはソフトになってると思うんですが・・・」
「それはヤバすぎてほんとのことが書けないってことか」
「えっ、そ、そ、それは・・・」


(更新4/29)

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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。