「し、し、師匠!また的中じゃないですか」と驚きの弟子達。
「あはは、まあな。まあ本線で当ててやりゃ良かったんだけどな」と得意げな師匠。
「くそー」とつぶやくT。
「まさか、お前達買ってないとは言わせないぞ」
「いやー」「あのー」「えー」としどろもどろの弟子達。
「馬鹿もん。あれほど言ったろが」
「まさかメイセイがあれほどやるとは」とS。
「完全に抜けでしたよ」とF。
「で、お前達何から買ったんだ」
「僕はタイキシャーロックからです」とF。
「僕はオースミジェットからです。エムアイとは本線だったんですけど」とS。
「僕はオースミとバトルラインからの薄目流しでした」とT。
「なに、ワシントンからはいった奴はいないのか?」
「それはもう学習効果がありますから」とは当然いえない弟子達。「当日雪が降るんじゃないかと
と思いまして」と苦しい言い訳。
「まあいい。こんな季節外れのGTなんざあ、当てたところでどうってこたあねえからな。
クラシックに向けて、これだと思う馬を見つけるほうが大事だからな」
「わかってますよ。春のGT戦線を乗り切るには、今からの努力が大切ですからね」と心にも
ないことを言う弟子達。
「よろしい。じゃ、俺はこれでな。寒いからって競馬サボるなよ」と立ち去る師匠。
(弟子達の会話)
「予想通りワシントンはこなかったけど」
「メイセイが来ちゃった・・・」
「バトルラインはどうしたんだ」とT。
「あれは1400の馬だろ」とF。
「ちきしょう。清水にだまされた」とT。
「僕はオースミが本命でした。メンバー中、オースミ、ワシントン、メイセイの3頭は
勝負づけが終わっていなかった。その内ワシントンは明かに距離が長い。メイセイがいきなり
中央の舞台で好走するとは思えなかった。そうなると残ったのはオースミ。
対抗はそのオースミと前走0.1秒差で1キロ重かったエムアイブラン。でもアタマが違った・・・」
とS。
「タイキなんか出遅れだぜ。あれがなければ2着はあったぞ」とF。
「でもメイセイは抜けでしたね」
「それは覚えていない」
「そういえば師匠もいっていましたけど、もうクラシックですか」
「まだ早いよ」
「いや、それより今年は皐月の指定席とりに並ばなくて済むんですよ」とS。
「そうか。今年はカード抽選か」とF。
「僕はもうニコスJRAカードが届きました。毎月きちんとオートローン返してますから」とS
「俺はこれからだけど。でも、もう人海戦術が使えないときついな。抽選なんかで当たるのか」
「毎年、有馬や皐月の抽選に行きますけど、だいたい1/4の確率ですよね」
「それに、GTは2名までの制限付きだから・・・」
「きびしいな」
「まして師匠の当たる確率は・・・」
「そりゃゼロでしょう」とT。
一同「・・・」