同時進行!!ウィークリー馬券物語
止まらない木ブルース

第30回: フェブラリーステークス

「師匠、有馬記念は見事でした」
「まあな。俺の予想を聞いてりゃ簡単なもんよ」
「僕は素直にセイウンだったんですけど・・・」とF。
「マークされるから駄目だと言ったろ」
「僕なんかスタートして500Mで終わったエモシオン・・・」とS。
「スタートする前に終わっていたな」
「僕はグルーヴだったんですよ」とT。
「お前の予想が一番まともだったな。落鉄さえなければいい勝負になったな」
「では、今年は最初のGT、フェブラリーSの勝ち馬を教えて下さい」
「そうだな。厳寒の季節にダートのGT、どうもクラシック戦線を中心に考えると ピンとこないレースだな。イメージとしては昔のフェブラリーハンデ、例えば重量 を背負うと強いダートの追い込み馬が豪快に差す、そんなレースが似合うな」
「あんまり昔のことは知らないんですが」とS。
「まあいい。しかしだな、GTのタイトルはどんなものでも欲しいものだ。一昔前なら ばとても考えられなかった路線の馬にもチャンスが巡ってきたぞ。特に地方馬にとっては 、やっと手に届くレースが出来たと本気になってるぞ」
「では本命はメイセイですか」
「いや、待て。それでも本命はワシントンカラーだ」
(あーあ、やっぱりと思う弟子達)
「同期のタイキシャトルさえいなければ、とっくにGTのタイトルを取っている 実力馬だぞ。それがここに来て充実、絶好調だ。精神面でも逞しさを増し、安心して見ていられる 。1600の距離もダートならば、克服可能どころか、かえってレースがしやすい。白い馬体が 唸りをあげて差してくるぞ」
「唸りをあげんのは師匠じゃないか?」とつぶやくT。
「なんか言ったか?」
「いや、なにも言ってませんよ。それより対抗はなんですか」
「対抗は岩手の怪物ケイセイオペラだ。マイル戦は全戦全勝。誰もが認める公営チャンプ アブクマポーロを昨年の南部杯で破り、距離が長いと見られた東京大賞典でも、2着に 迫った強い馬だ。軽い東京のダートも脚質にあいそうだしな。ただ、初コースなので 印を一つ落したがな」
「やっぱり岩手の怪物はただものじゃないってことですね」
「おお、そうだ」
「展開はどうですかね」
「それは、やっぱりキョウエイマーチがハイペースで逃げるだろう。それもビッグサンデー らがガンガン突っつく厳しい流れだ。当然芝コースなら、この2頭もマークしなければならんが 、仮にも砂のGT、素直に消えてもらおう」
「そうなると、あとは追い込み馬の出番ですね」
「そうだ。お前らも賢くなったな。追い込みならマチカネワラウカドだ。こいつがかつての ダート王のイメージで豪快に差してくるぞ。単穴候補だ」
「だんだんレースが見えてきました」
「あとは、8歳のエムアイブランもいいぞ。銭型斑点がくっきりでて体調は絶好調。力の衰えは ほとんどないな。鞍上も武豊で、GTのラストチャンスと虎視耽々。一発に賭けてくるぞ。8歳だが 、かつてナリタハヤブサを一瞬のうちに差し切った14歳馬ミスタートウジンも参加しているんだ。 それに比べればまだまだだ。心では応援してるけどな」
「そうですか。わかりました。ワシントン悲願のGT制覇ですね」とF。
「そうだ。わかったら寄り道せず早く帰って寝ろよ。インフルエンザが大流行しているからな」
「わかりました」と弟子一同。
「じゃな」と立ち去る師匠。

(弟子達の会話)
「ワシントン悲願のGT制覇か。GT取れなかったのは、タイキシャトルのせいじゃなくて、 師匠のせいじゃねえか」とF。
「それはきついですね。でも言えてますね。うん」とS。
「うーん、あー、オースミジェットが抜けですね」とT。
「そういえばそうだなあ」とF。
「あと、意外にこのメンバーを見渡すと、砂路線の馬達って勝負づけが終わってませんか」とS。
「そうなんだよ。中央組は中距離でオースミ、短距離でワシントンで勝負づけが済んでしまって いるな。地方勢っていってもメイセイだけだけど、エムアイ、シャーロックに勝っているからな」とF。
「そうなるとオースミ、ワシントン、メイセイの3頭は勝負づけが終わっていないですね」とS。
「そうですね。このうち師匠の抜けなのがオースミ」T。
「もともとワシントンは距離に不安があるから、それなら府中マイルの実績もあるオースミと府中の 経験がなくともマイル全勝のメイセイとの勝負だな」とF。
「ええ。コース経験差でオースミですかね。僕は素直にオースミからいきます」とT。
「確かにオースミに◎がつくのは納得だが、俺はメイショウで勝負だ」とF。
「僕は勝負づけがけっこう済んでいるなら、いっそのこと別路線の馬、シャドウクリークとビッグ サンデーから入ります」とS。
「あのー、お二人とも熱でもあるんですか。インフルエンザはやってますからね」とT。
「うるさいっ!」



(更新1/29)

ホームページに戻る


この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。