「師匠どうしたかなあ。まさか引退式に殴り込みにでも行ってないだろうな」とF。
「うーん、十分有り得ますね。タイキは3着、ワシントンは離れた4着。納得いかないでしょう
ね」とS。
「それにしてもタイキが3着とは・・・。競馬の鉄板なんて豆腐より柔らかいと誰か言ってたっ
け。そういえばお前マイネルを押していたな。で結果は」とSに話し掛けるF。
「確かに印は○−▲だったんですけど、タイキ−マイネルが目イチだったのであまり儲かってませ
んよ。それよりあいつが・・・」とTに視線を向けるS。
「いやー、あははは笑いが止まりませんよ。いやー、あんたがあんまりマイネル押すもんでシーキ
ングとマイネルを千円押さえていましたよ」とT。
「なに、ごちそうさまです」とF。
「えっ、これは借金の返済にあてます。今年のヤラレの償却にもあてないと。あと嫁さんにもたま
には夫としての威厳も見せないと」とT。
「威厳なんかあったっけ?」
「あーたはうるさいの」
「奥さんは累損を知らないの?」
「そりゃオフバランスに飛ばしてますから。第一分類にしているらしいですよ」
「なに、それでは引き当てなしか」
「しーっ。バレたらぶっ飛ばされるんですから」
「それにしても、やっぱりワシントンは来なかったなあ」
「僕もほんとはタイキーワシントンが勝負馬券だったんですよ」とT。
「でもダート戦からの連対馬って過去ないんですよね。なんであんな人気なってんのか良く分かり
ませんよね。僕は根岸S組は買いませんでした。それより馬体重をみてシーキングを軽視しすぎた
のを悔やんでます。実はその分をタイキーマサラッキにつぎ込んでしまいました」とS。
「マサラッキはここ2年好走のCBC賞組でも、タイムが1分9秒台じゃ話しにならないよ。実際そ
うなちゃったな」
「不覚でした」
「そういえばトキオパーフェクトは?」
「えっ、出ていましたっけ。というのは冗談ですが、馬群に沈んでましたね。休み明けで22キ
ロ増ですよ。能力はあってもいきなりは無理でしたね。でも師匠のおっしゃた通り4歳馬がタイキ
に引導を渡しましたから、来年につながるレースになりましたね」
「あちゃー、そうか。それなら取れない馬券でもなかったな。マイネルからGT馬に流しておけば
良かったんだもんな」
「それは考えもなくはなかったんですけど、アベコーがマイネルに◎打っていたので止めてしま
いました」とS。
「なに、じゃあ、アベコーもTも来年の運までつかってしまったな」
「いや、この勢いで有馬もゲットしますよ。じゃ僕はこれで失礼します」と上機嫌で去るT。
「たまにはこんなこともあるか」とF。
「彼もようやく夫の威厳が見せられそうですね」とS。
「師匠も威厳を見せてくれたぞ。タイキも2回目でちゃんと消した」
「凄いですね。タイキだけは裏切って勝ってくれると思っていたんですけど。やっぱり沈んだ」
「あんまり言わないほうがいいぞ。有馬は一門でゴンドラ席で観戦だから」
「最近この会話聞かれています(見られている?)からね。ところで師匠の隣はだれが
座るんですか」
「4人いっしょの席だから逃れられない・・・」
「あっ、そうでしたね」
「でも、お前はインターネットで悪口言ってるから離れたKの席と交換だと師匠が言っていたぞ」
「えっ、そりゃないっすよ。」
「没収よりましだ」
「ありゃー。有馬は師匠の言った通り買いますから許して下さい!」