「よくやったな。お前達」と当然阪神3歳牝馬Sを外した師匠であるが上機嫌であった。
「といっても当たりを引いた面々はここにいませんが・・・」とS。
「とりあえずゴンドラは3枚手に入れたぞ」有馬記念の指定席を一門では土日で3枚ゲットしていた。
「初日に1枚、2日目に2枚とまあまあの結果だな」と師匠。
「師匠、僕の名簿順位は」と初日参加で見事ハズレを引いたS。
「お前は4位だ」
「とりあえず僕までですね」と名簿順位3位の一番弟子F。
「そうだが、来週の土曜の参加が条件だ。2日目さぼったからな」
「いや、それは。名古屋で結婚式があって、新幹線の最終で帰ってきたんですよ。4時半に中山に
並ぶなんて勘弁して下さいよ」
「だから来週の土曜の参加だ」
「わかりましたよ」と納得するF。
「僕は連闘も辞さない覚悟です。男スティンガーと呼んで下さい」とS。
「お前の場合よくある未勝利馬の連闘だな」とF。
「春は皐月の当たり券を連闘で引いています」とS。
「でも初日はハズレを引いたんだろ」
「それはそうですが・・・」
「まあ、初日は4人行って当たり1枚。だいたい3分の1の確率だから、そんなところか」とF。
「師匠を抜かせば3人ですよ」と言いかかったS。「そうですよ。とりあえず責任は果たしました」
「そうか。来週は参加してやるから、当たりを引いたら当然見返りはあるんだろうな」とF。
「えーと、僕のPAT口座で、無利子で融資致します」
「俺の格付けはAAAだから無利子は当然だな」
「俺はPATが当たらないんだが」と師匠。
「馬券、有馬の指定席抽選だけじゃなくPATも当たらないのか」と思う弟子達。
「なにをおっしゃるんですか。師匠のような方が競馬場に行かなくなったら、競馬人気がさらに
落ちてしまいますよ。だからJRAもわざと外しているんですよ」と弟子達。
「そうだな。俺はJRAに必要な人物だからな」と師匠。
「そりゃあ大口投資家ですから」と思う弟子達。
「よし、じゃあ来週もがんばろう。5時までに中山に集合だ」と気合の入る師匠。
「はあ」ととりあえず返事する弟子達。「来年からはカード抽選だ。これが最後のご奉公」と思う
弟子達であった。