同時進行!!ウィークリー馬券物語
止まらない木ブルース

第21回:ジャパンカップ

「クリントン大統領は来たし、江沢民主席は来るはで国際色豊かななかで今年のジャパンカップ は行われますね。先週に続いて今週もズバリお願いしますね」と一番弟子F。
「おお。だがな、クリントンや江主席のような超大物が来た割には、JCの外国馬は小粒だ」と師匠。
「そうですね。凱旋門賞やブリーダーズカップの上位馬が来ませんもんね。エースが、 昨年のBCターフ馬で今年は4着に沈んだチーフベアハートですからね」とS。
「でも日本馬だって前走GT勝ちの馬がいないじゃないですか」とT。
「今秋のGTは紛れが多かっただけだ。今回のメンバーでも十分だ」と少々ご立腹の師匠。
「では、その勝ち馬を教えて下さい」
「では初めに、このジャパンカップについてだ。ファーイーストの国際GT」
「ファーイースト?」一同師匠に尋ねる。
「極東のことだ。つまりだな。国際GTといっても極東のこのレースを最終目標にしている馬は いないってことだ。今年のここまで、どの程度余力が残っているかが勝負の分かれ目だ」
「余力ですか」
「そうだ。格からいったら昨年のBCターフの覇者チーフベアハートが筆頭だ。しかし、 今年は4着。追い込み一手の脚質で展開が向かなかっただけで、直線の長い東京で巻き返 すと関係者は言っているが、連覇してたらJCには来なかったはずだ。力は認めてもガソ リンが残っているか疑問だ。そこでこれは対抗まで」
「というと本命は?」
「本命は◎スペシャルウィークだ」
「えっ(かわいそう)」と弟子達。
「えっとはなんだ。岡部が絶賛だぞ。岡部が、4歳時のシンボリルドルフの領域にあると 言っているんだぞ。あのタイキシャトルでさえ、ルドルフの領域に近づいてきたとしか言 わなかったんだ。これは凄いことだ。狙った獲物(先行馬)は絶対に逃さない、猛獣のよ うな迫力が魅力だ。前走は狙った獲物が視界に入らず、仕留める相手を間違えただけだ」
「4歳時のルドルフってJCは3着じゃなかったっけなあ」とTがつぶやく。
「しっ、それは後で」と遮るS。
「なんか言ったか?」
「いや、ルドルフの頃なんて競馬見てなかったので、我々のような若輩どもにはいまいちイメ ージしづらくて」とFがフォロー。
「まあ強いってことだ」
「はあ、そうですか。では▲は」
「それはマックスジーンよ。人より馬のほうが儲かると暴言を吐いて、解任されたオーナーが、 是非とも勝ちたいと熱望しているのがこのレースだ。スタッフはどう思ってるか知らんが、JC が最終目標のなのがここにいたな」
「人より馬のほうが儲かる?!外貨預金よりは競馬のほうが儲かるとは思いますが」と外貨 預金で10数万の含み損を抱えるSが言う。
「そんなもんや。競馬で勝てん奴が相場で勝てるわけがないだろ」
「じゃあ師匠は相場もヘタなんですね」とは口が裂けても言えない弟子達。
「ところでエアグルーヴはどうなんです」
「それがだな。まとめて負かせばエアグルーヴだが、新しいパートナーがお気に召さないの かやる気を出さない。我侭な彼女が素直になれば、勝利もあるぞ。だから特別に★だ」
「あの人気どころで、エルコンドルパサーはどうですかね」
「要らん。あれはマイラー、府中の2400はもたんな」
「じゃスティゴールドは」
「それも要らん。いつも2着だが、今回は国際GTだ。スティごときがくるわけないだろう」
「はあ。そうですか」
「わかったか。スペシャルウィークは世界を目指しているんだ。極東のいちGTで負けてられんよ」
(でも前走は国内4歳限定のGTで負けてるじゃないですか)とは言えず「よく分かりました」と 答える弟子一同。
「じゃ俺はこれでな」と夜の街に消える師匠。

(弟子達の会話) 「またスペシャルウィークだって」とF。
「かわいそうに。師匠に気に入られて一生を棒にふっちった名馬は数知れず・・・」とS。
「あのー、ぼくもよく知らないんですが、シンボリルドルフって確かにジャパンカップ勝っていますけど、 それって5歳の時で、4歳のときは3着じゃなかったですか」とT。
「その通りだよ。それにルドルフは無敗の3冠馬だった。皐月や菊をいくら馬場差といっても取りこぼした スペシャルウィークとは格が違いすぎるよ。それでも3着だった。ローテだってセントライト→菊→JCだ ったから、スペシャルより余裕はあったはずだったけど」とF。
「でもこのメンバーじゃ4歳でもダービー馬ということで日本のエースとなるのは仕方ないですかね」 とS。
「まだエアグルーヴがいるが」とF。
「エリザベス使っちゃまずいですよ。生涯一の目標なのに中1週はないでしょう。これじゃ人も馬も ちぐはぐになっちゃいますよ」とS。
「外国馬はわからんし・・・。エルコンドルも戦績、ローテはばっちしなんだけど、如何せん距離 がなあ」とF。
「スティゴールドはいつも2着ばっかしだし・・・」とS。
「カンタンですよ。師匠の外して買えばいいんじゃないですか」とあっさり言うT。
「君も言うねえ。そろそろ直弟子に格上げだな」とF。
「遠慮しときます」
「じゃあ、スペシャルからはエルコンドル、師匠の買わないサンデー産駒スティゴールドあたりに。 で、エルコンドルから師匠のヒモ4点とスティゴールド、気持ちスティゴールドからそのヒモ4点 に流しておけばいいってわけですね」とS。
「でも師匠って先週当たっているんだろ」とF。
「だから今週絶対こないんですよ」ときっぱりいうT。
実はTは、先週師匠の狙いを外して買ってやられていた・・・。


(更新11/28)

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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えられる 範囲でお答えしたいと思います。