同時進行!!ウィークリー馬券物語
止まらない木ブルース

第18回:エリザベス女王杯


「今週はエリザベスですね師匠」と一番弟子F。
「それが豊になっちまったんだ・・・」と訳の分からないこという師匠。
「えっ、金持ちになったんですか」と驚く弟子達。
「違うぞ。その豊かじゃなくて、武のようになっちまったんだ」
「どういうことですか」と師匠に聞くS。
「騎乗停止よ。給料日まで資金繰りがつかなくなっちまった」
「というとエリザベスは買えないんですか」と喜びを隠しながら言う孫弟子T。
「まあ、そういうことだ。この貸し渋りどうにかならんか」
「貸し渋りが収まっても師匠に貸す人はいないでしょう」と思う弟子達。
「まったくその通りですよね。我々庶民にも公的資金を入れて欲しいですね」
「ところで師匠。お金があったら何を買いますか。師匠の敵は我々がとります」
「いいこと言ってくれんじゃねえか。もちろんエアグルーヴ、メジロドーベルで決まりよ。 俺に聞くまでもねえよ」
「一点ですか」とざわつく弟子達。
「他になにがいるんだ?」
「今年のオークス馬エリモエクセル、府中牝馬S2着の良血グレースアドマイヤはどうですか」
「まずエリモエクセルは、確かにオークスを勝ったように現4歳では上位の馬だ。しかし、4歳のく せに前走負けた身分でグルーヴやドーベルに勝とうぞなんぞ百年早いぞ。グレースアドマイヤは不得 手な道悪の府中牝馬Sでドーベルとハナ差2着。良馬場ならの期待も持たせたが、ドーベルとは斤量 が3キロ差もあったし、ドーベルはやや余裕のある仕上げであったし途中落鉄もしていたらしいから 、これを本番で逆転するのは難しいなあ。よくて3着ってところだな」
「結局、菊花賞のようにGT馬2頭のワンツーですか」
「そうだ」
「でも菊ではもう一頭のGT馬を抜けにしていたくせに」とは口が裂けてもいえない弟子達。
「ところで頭はやっぱりグルーヴでいいんですか?」と聞くS。
「それなんだがなあ」
「えっ、グルーヴじゃないんですか」と驚くF。
「いや単ならドーベルだ。グルーヴにとってこのレースはジャパンカップへの叩き台。それも中1週 のローテを考えた余裕残しの仕上げだ。それに対してドーベルはここがメイチの大勝負。何がなんでも 勝ちたいレースだ。グルーヴが8分の出来なら逆転があってもおかしくないぞ。それにな、豊が騎乗停止 で横山典に乗り替わりになるが、春に、いつも武豊じゃ面白くないと言っていたなあ。この言葉はそのまま 、今のノリにも言えることだ。そこで豊は豊でも東の豊、吉田豊の出番だ」
「はあ、確かに今週もノリに勝たれたら面白くありませんね」とS。
「そうだろ。ただこの2頭は力が抜けているから、あとは刺し身のつまのようなもんよ」と自身満々の 師匠。 「まあ、こんな堅いレース当てても配当が低いからな。ちょうど金もないし見送りは正解だな」
「ええ。我々も程々にしますよ」
「そうか。じゃ俺は金策にでかけるからな」と立ち去る師匠。


(弟子達の会話)
「聞いたか。師匠の買わない1点予想だぞ」とF。
「ええ。こりゃ決まりだな」とS。
「まあどちらが勝つかだな」
「やっぱりグルーヴでしょう」
「いやグルーヴは次のジャパンカップが目標。ひょっとしたら取りこぼしあるかもしれないな」
「確かにドーベルはここ目標に目いっぱい仕上げてますからね」
「でもグルーヴが牝馬に負けるか?」
「ドーベルも同じGT馬。その資格はあるんじゃないですか」
「でもドーベルは一回もグルーヴに先着したことはないぞ」
「今回だけは・・・。競馬はそんなに甘くないかあ」
「でも師匠の買わない単ですよ。ここは逆サイレンスということでドーベルでいいでしょう」 とT。
「そうだな師匠が買わない単だからな。こりゃグルーヴ危うしだ」


(更新11/13)

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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えられる 範囲でお答えしたいと思います。